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昂然
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かうぜん
ふりがな文庫
“
昂然
(
かうぜん
)” の例文
染五郎は
昂然
(
かうぜん
)
と應へるのです。天地神明に恥ぢないと言つた態度です。一つはお絹を縛つたガラツ八に對する反感もあつたでせう。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は
昂然
(
かうぜん
)
とゆるやかに胸を
反
(
そ
)
らし、踏張つて力む私の
襟頸
(
えりくび
)
と袖とを持ち、足で時折り
掬
(
すく
)
つて見たりしながら、実に
悠揚
(
いうやう
)
迫らざるものがある。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
と、
施
(
やが
)
て
立留
(
たちとゞま
)
つて
室内
(
しつない
)
の
人々
(
ひと/″\
)
を
眴
(
みまは
)
して
昂然
(
かうぜん
)
として
今
(
いま
)
にも
何
(
なに
)
か
重大
(
ぢゆうだい
)
な
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
はんとするやうな
身構
(
みがま
)
へをする。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
どうせ一
度
(
ど
)
は
樗
(
あふち
)
の
梢
(
こずゑ
)
に、
懸
(
か
)
ける
首
(
くび
)
と
思
(
おも
)
つてゐますから、どうか
極刑
(
ごくけい
)
に
遇
(
あ
)
はせて
下
(
くだ
)
さい。(
昂然
(
かうぜん
)
たる
態度
(
たいど
)
)
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
卯平
(
うへい
)
がのつそりと
大
(
おほ
)
きな
躯幹
(
からだ
)
を
立
(
た
)
てた
傍
(
そば
)
に
向日葵
(
ひまはり
)
は
悉
(
ことごと
)
く
日
(
ひ
)
に
背
(
そむ
)
いて
昂然
(
かうぜん
)
として
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
向日葵
(
ひまはり
)
は
蕾
(
つぼみ
)
が
非常
(
ひじやう
)
に
膨
(
ふく
)
れて
黄色
(
きいろ
)
に
成
(
な
)
つてから
卯平
(
うへい
)
が
植
(
う
)
ゑたのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
「これだ。まつたくこれに
違
(
ちげ
)
えねえや。」と嘉吉は読み終つて
昂然
(
かうぜん
)
となつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
「モウ、判つたよ、是れ程の証拠があれば充分だ、吾妻君、
若
(
も
)
し君が無かつたならば、我党は非常な運命に
陥
(
おちい
)
る所であつた」と、松本は
昂然
(
かうぜん
)
として席を離れ「浦和君、時間が余程過ぎた」と急がしつ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
昂然
(
かうぜん
)
とみづから立つことが出来る
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
昂然
(
かうぜん
)
として顏をあげたのは、一寸良い男の浪人者
御厩
(
おうまや
)
左門次でした。二十七八、
身扮
(
みなり
)
もそんなに惡くはなく、腕つ節も相應にありさうです。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二匹の犬はかう云ふが早いか、竜騎兵の士官でも乗せてゐるやうに、
昂然
(
かうぜん
)
と街道を走つて行つた。
LOS CAPRICHOS
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
...
睡魔
(
すゐま
)
です!
左樣
(
さやう
)
!』と、イワン、デミトリチは
昂然
(
かうぜん
)
として『
貴方
(
あなた
)
は
苦痛
(
くつう
)
を
輕蔑
(
けいべつ
)
なさるが、
試
(
こゝろみ
)
に
貴方
(
あなた
)
の
指
(
ゆび
)
一
本
(
ぽん
)
でも
戸
(
と
)
に
挾
(
はさ
)
んで
御覽
(
ごらん
)
なさい、
然
(
さ
)
うしたら
聲
(
こゑ
)
限
(
かぎ
)
り
※
(
さけ
)
ぶでせう。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
松本は
昂然
(
かうぜん
)
会衆を見廻して、自席に復せり、満場相顧みて語なし
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
私
(
わたくし
)
は
昂然
(
かうぜん
)
と
頭
(
あたま
)
を
擧
(
あ
)
げて、まるで
別人
(
べつじん
)
を
見
(
み
)
るやうにあの
小娘
(
こむすめ
)
を
注視
(
ちゆうし
)
した。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
伊太松は
昂然
(
かうぜん
)
と顏を擧げます。貴公にも手が出まいと言つた樣子です。
銭形平次捕物控:230 艶妻伝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
将軍は
昂然
(
かうぜん
)
たり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
僕は岩野泡鳴氏と一しよに、
巣鴨行
(
すがもゆき
)
の電車に乗つてゐた。泡鳴氏は
昂然
(
かうぜん
)
と洋傘の柄にマントの
肘
(
ひぢ
)
をかけて、例の如く声高に西洋草花の栽培法だの氏が自得の健胃法だのをいろいろ僕に話してくれた。
岩野泡鳴氏
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
平次は何時になく
昂然
(
かうぜん
)
として胸を張るのです。
銭形平次捕物控:126 辻斬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
半九郎は
昂然
(
かうぜん
)
として頭を擧げるのです。
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昂然
(
かうぜん
)
として、何の恐れもありません。
銭形平次捕物控:057 死の矢文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今吉は
昂然
(
かうぜん
)
として言ひきりました。
銭形平次捕物控:165 桐の極印
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“昂然”の意味
《形容動詞》
気負って意気込むさま。
(出典:Wiktionary)
昂
漢検準1級
部首:⽇
8画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“昂”で始まる語句
昂
昂奮
昂進
昂揚
昂騰
昂々
昂昂渓
昂上
昂張
昂奮剤