承知しやうち)” の例文
どぜう一尾いつぴき獲物えものい。いのを承知しやうちで、此処こゝむとふのは、けるとみづしづめたあみなかへ、なんともへない、うつくしいをんなうつる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此蠻勇このばんゆうちから、それがつもつもつてると、運動うんどうためとか、好奇かうきよくとか、そればかりで承知しやうち出來できなくなつて、はじめて研究けんきうといふことおもきをおくやうになり
友達ともだちいやしがりて萬年町まんねんちやう呼名よびないまのこれども、三五らうといへば滑稽者おどけもの承知しやうちしてくむものなききも一とくなりし、田中屋たなかやいのちつな親子おやこかうむる御恩ごおんすくなからず
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かつ寺内内閣てらうちないかく議會ぎくわいで、藏原代議士くらはらだいぎし總理大臣そうりだいじんから「ゾーバラくん」とばれて承知しやうちせず、「これ寺内てらうちをジナイとぶがごとし」と抗辯かうべんして一ぜう紛議ふんぎかもしたことがあつた。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
あきれた人間にんげんどもだ、其樣そん臆病をくびやう船長せんちやうなんかは、げたとてどうせろくことはあるまい、なみでもくらつて斃死へたばつてしまつたらうが、※一まんいちきてゞもやうものなら、この武村新八たけむらしんぱち承知しやうちしねえ、世間せけん見懲みせしめ
なによりさきわたし自墮落じだらく承知しやうちしてくだされ、もとより箱入はこいりの生娘きむすめならねばすこしはさつしてもくださろうが、口奇麗くちぎれいことはいひますともこのあたりのひとどろなかはすとやら
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)