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惰
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なま
ふりがな文庫
“
惰
(
なま
)” の例文
この
頃
(
ごろ
)
は体がだるいと見えてお
惰
(
なま
)
けさんになんなすったよ。いいえ、まるで
愚
(
おろか
)
なのではございません、何でもちゃんと
心得
(
こころえ
)
ております。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
惰
(
なま
)
けものの美術家に縁づいて、若い盛りを
嫌
(
いや
)
な借金取りのいいわけに過して来た話を、お庄は時々この女の口から聞かされた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
今岩内の町に目ざめているものは、おそらく朝寝坊のできる富んだ
惰
(
なま
)
け者と、
灯台守
(
とうだいも
)
りと犬ぐらいのものだろう。夜は寒くさびしくふけて行く。
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
閑だのに小僧の六弥が
惰
(
なま
)
けて、新聞を纒めないから、店には新聞が散らかつて、混雑して居るやうに見せた。然し混雑に見せたのは之れ許りでない。
死線を越えて:01 死線を越えて
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
自分から快適の予想をして行くような場所なら、
却
(
かえ
)
ってそこで
惰
(
なま
)
けて仕舞いそうな危険は充分ある。しかし、私はこの望みに従うより仕方がなかった。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
「お前さんは
惰
(
なま
)
けてばかりいちゃいけない。
小生業
(
こあきない
)
でもしたらどうだね、坐ってたべていちゃだめだよ。」
王成
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
何とか
彼
(
か
)
んとかして予備門へ入るには入ったが、
惰
(
なま
)
けて居るのは
甚
(
はなは
)
だ好きで少しも勉強なんかしなかった。
落第
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
かつてはこちらでも、それは堂々と非難してよい行為だったのだが、その戒は次第に
弛
(
ゆる
)
んで、ただ
惰
(
なま
)
け者の節供働きという類の、ひやかしの諺ばかりが残っている。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
此の事が御重役
秋月喜一郎
(
あきづききいちろう
)
というお方の耳に入りどうか權六を江戸屋敷へ差出して、江戸詰の者に見せて、
惰
(
なま
)
け者の
見手本
(
みでほん
)
にしたいと
窃
(
ひそ
)
かに心配をいたして居ります。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
唯
(
たゞ
)
、
狡猾
(
ずる
)
い
猿
(
さる
)
だけは、こうして
毎日
(
まいにち
)
何
(
なん
)
の
仕事
(
しごと
)
もなく、ごろごろと
惰
(
なま
)
けてゐても、それでお
腹
(
なか
)
も
空
(
す
)
かさないでゆかれるので、
暢氣
(
のんき
)
な
顏
(
かほ
)
をして、
人間
(
にんげん
)
の子どもらの
玩弄品
(
おもちや
)
になつて
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
勉強も
仕
(
し
)
なければ発達も仕ない。
次第次第
(
しだいしだい
)
に
惰
(
なま
)
け者になり柔弱になり、少しも青年の元気というものが無くなってしまう。
不心得
(
ふこころえ
)
千万な事だ。元気は人間の生命といっても好い。
青年の新活動方面
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
誰でも筆を
把
(
と
)
ってそうして雑誌か何かに批評でも
載
(
の
)
すれば、それが文学者だと思う人がある。それで文学というものは
惰
(
なま
)
け書生の一つの
玩具
(
おもちゃ
)
になっている。誰でも文学はできる。
後世への最大遺物
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
出来る事なら
惰
(
なま
)
けて、終日
火燵
(
こたつ
)
に
燻
(
くすぶ
)
っていたいであろう。時には
暖炉
(
だんろ
)
のかたわらにばかりかじりついている上官を呪うこともあろう。決してその死んだ集配人を立派な人とも考えない。
丸の内
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
かと
云
(
いっ
)
て
生真面目
(
きまじめ
)
の町人でも無い何うしても博奕など打つ様な
惰
(
なま
)
け者だ
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
此頃
(
このごろ
)
は
体
(
からだ
)
がだるいと
見
(
み
)
えてお
惰
(
なま
)
けさんになんなすつたよ、
否
(
いゝえ
)
、
宛
(
まる
)
で
愚
(
おろか
)
なのではございません、
何
(
なん
)
でもちやんと
心得
(
こゝろえ
)
て
居
(
を
)
ります。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「私がいくら稼いだって駄目です。私はこれまで
惰
(
なま
)
けるなどと云われたことのない女です」お島は涙を
拭
(
ふ
)
きながら言った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
信州の
木曽渓
(
きそだに
)
でもある家の
馬飼童
(
うまかいわらわ
)
が、
惰
(
なま
)
けて水を忘れて主人の馬を死なせ、それから水が火になって飲むことが出来ず、
辛
(
かろ
)
うじて木葉の
雫
(
しずく
)
で
咽
(
のど
)
を
沾
(
うる
)
おすようになったといって
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
何処へ遣っても
直
(
すぐ
)
に
駈
(
か
)
ん出して
惰
(
なま
)
けて仕様がない、そうしてる
中
(
うち
)
に
己
(
おら
)
あ家でこれ
些
(
ちっ
)
とべい土蔵という程でもないが、物を入れる物置蔵ア建てようと云って職人が
這入
(
はえ
)
ってると
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どんと
惰
(
なま
)
くらでな、石野は毎晩、嬶に淫売をさせて、自分はあの年が寄つて、嬶の淫売の立番をして、その日の暮しを立てとるんだんがな……今朝も内へ来て、葬式代が無いさかい
死線を越えて:01 死線を越えて
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
「ねえあなた、ここでああ
惰
(
なま
)
けられてしまった日には、仏造って魂入れずでさ、冗談じゃない」
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ノメシというのは
惰
(
なま
)
け者のことで、荷繩で棒にくくりつけるめんどうをいやがり、じかに荷物のなかへ棒のはしを刺しこんでになって帰るから、そういうたわむれの名をつけたのだが、これも
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
惰
常用漢字
中学
部首:⼼
12画
“惰”を含む語句
懶惰
怠惰
懶惰者
怠惰者
惰気
遊惰
惰力
遊惰性
物惰
惰弱
惰眠
惰性
怯惰
惰勢
惰民
気惰
勤惰
軽躁惰弱
游惰
放縦懶惰
...