惡事あくじ)” の例文
新字:悪事
なせし者なり江戸表へ御供致せば惡事あくじ露顯ろけんいたすべしればたちま罪科ざいくわに行はれんが此儀は如何あらんと云ふに吉兵衞は答へて予が守護を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
學問がくもんなく分別ふんべつなきものすらくわだつることを躊躇ためろふべきほどの惡事あくじをたくらましめたるかをあらはすはけだしこのしよ主眼しゆがんなり。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
勘次かんじはそれを大事だいじふところれた。惡事あくじ發覺はつかくでもおそれるやうな容子ようすかれ周圍あたり見廻みまはした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
見舞みまいにとことらねばこゝろならねど、お使つかさきの一すんとても時計とけい目當めあてにして幾足いくあし幾町いくてうそのしらべのるしさ、けても、とはおもへど惡事あくじといへば折角せつかく辛棒しんぼう水泡むだにして
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
嚴敷きびしく拷問がうもんに掛られし所つひつゝかくす事能はず是迄の惡事あくじ追々おひ/\白状にぞ及びける又平左衞門が宅を穿鑿せんさくなせしにつかのこりの金子六百兩出たり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
誠愛誠實を無益のものと思ひ、無暗に人を疑ひ、矢鱈に天を恨み、そのきよくつい精神せいしんやわらぎやぶりておこなふべからざることおこなみづからざるほど惡事あくじ爲遂しとぐることあらば
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
其方儀吟味ぎんみ致し候處別段べつだん惡事あくじ無之とは申ながら不行屆の儀も有之候故主人方にて遠慮ゑんりよ申付る
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その惡事あくじたとへば殺人罪さつじんざいごと惡事あくじ意味いみもなく、原因げんいんきものとふをべきや、これ心理的しんりてき解剖かいぼうして仔細しさいその罪惡ざいあく成立なりたちいたるまでの道程みちのりゑがきたる一書いつしよ淺薄せんはくなりとしてしりぞくることべきや。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)