御褒美ごはうび)” の例文
なんとこの榎木えのきしたにはちてませう。澤山たくさんひろひなさい。ついでに、わたしひと御褒美ごはうびしますよ。それもひろつてつてください。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
尋呉たづねくれよと言ければ菊は惣助に向ひ此金子は徳太郎とくたらう樣より其方に下さるゝとの御事にて澤の井樣をも召出めしいだ御褒美ごはうび下さるゝ筈なれ共今は宿を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御褒美ごはうびをいたゞけるのだとうれしく思ひましたけれど、又考へてみますと、冠をひろつてかぶり、山車をとめて、「ゆるす/\。」といつたことで
拾うた冠 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
そこで、殿様とこの町の人たちが、もつと仲よくなるために、今年からこの町の学校を卒業する優等生に、殿様から御褒美ごはうびを下さることになつたのだ。
硯箱と時計 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
「それでは、まづく唄ふと御褒美ごはうびを下さるといふことになりますね。ぢあ、私は失敗しくじるように努力致しませう。」
父 らつぱ卒は大へん褒められて虎退治の御褒美ごはうびを貰つたつて……さあ、それでおしまひだよ。
虎の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あがめたてまつ先生せんせいでもゆきあめには勿論もちろんこと、三に一はおことわりがつねのものなり、それをなんぞや駄々だヾさま御機嫌ごきげんとり/″\、此本このほんさつよみおはらば御褒美ごはうびにはなにまいらせん
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
差出すに於ては返金へんきんは申に及ばず御褒美ごはうびとして知行ちぎやう百石づつ下し置れる樣拙者せつしやどもが屹度きつと取り計ひつかはすべし若し御家來に御取立をのぞまずば永代えいだい倉元役くらもとやく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ちやして大奧おほおくにもたかく、お約束やくそく聟君むこぎみ洋行中やうかうちうにて、寐覺ねざめ寫眞しやしんものがたる總領そうりやう令孃ひめさへ、垣根かきねさくられかし吾助ごすけ、いさヽかの用事ようじにて大層たいそうらしく、御褒美ごはうびたまはる菓子くわし花紅葉はなもみぢ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其方儀兄藤助眼病中孝養かうやうを盡し候段奇特きどくおぼめさ御褒美ごはうびとして青差あをざし五貫文くだし置る有難く存ずべし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
父樣とうさま母樣かあさま御褒美ごはうびいたヾくべしと威張ゐばるに、令孃ひめ微笑ほヽゑみながらいさましきをめて、そのやう大將たいしやうたまひても、わたしとはいまかはらずなかよくしてくだされや、大姉樣おほねえさま其外そのほかのおひと夫々それ/\片付かたづき
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)