大海原おほうなばら)” の例文
白樺しらかんばよ、蓬生よもぎふ大海原おほうなばらゆあみする女の身震みぶるひ、風がその薄色の髮に戲れると、おまへたちはなにか祕密を守らうとして象牙の戸のやうにあしを合せる。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
ちかやうでも海上かいじやうの三容易ようゐでない、無限むげん大海原おほうなばらたゞよつてつたあひだこそ、しまさへ見出みいだせば、たゞちにたすかるやうかんがへてつたが、仲々なか/\左樣さうかぬ。
むかし、支那しな莊周さうしうといふひとは、ゆめ胡蝶こてふつたとはなしがありますが、ゆめなればこそ、漫々まん/\たる大海原おほうなばら徒渉かちわたりすることも出來できます、空飛そらととり眞似まね出來できます。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
えみしらがあたせむ舟を拂ひすて大海原おほうなばらにいぶきすててむ (同)
愛国歌小観 (旧字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
聞けとある大海原おほうなばらのただなかは
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
大海原おほうなばらにゆきめぐれる
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
大海原おほうなばらのこらは
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
わたくしまど硝子越がらすごしに海面かいめんながめると、星影ほしかげあわ波上はじやうには、一二そうさびうかんで小端艇せうたんていほかには、この大海原おほうなばらわたるともゆべき一艘いつそうふねもなかつた。
はろばろや大海原おほうなばら
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
青空あをぞら大海原おほうなばら
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
その翌日よくじつも、むなしく蒼渺さうびやうたる大海原おほうなばら表面ひやうめんながむるばかりで、たゞわが端艇たんてい沙魚ふかためまへ潮流てうりう引出ひきいだされ、いまかへつ反對流はんたいりうとて、今度こんど西南せいなんから東方とうほうむか
はろばろや大海原おほうなばら
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
大海原おほうなばら入海いりうみ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)