トップ
>
夜前
>
やぜん
ふりがな文庫
“
夜前
(
やぜん
)” の例文
御やすみになっているところを御起しして済みませんが、
夜前
(
やぜん
)
からの雨があの通り
甚
(
ひど
)
くなりまして、
渓
(
たに
)
が
俄
(
にわか
)
に
膨
(
ふく
)
れてまいりました。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
買ひて歸りがけ
直
(
すぐ
)
に
笠原粂之進
(
かさはらくめのしん
)
の
方
(
かた
)
へ行き
夜前
(
やぜん
)
の火付は原町の煙草屋喜八と云ふ者なり
今朝
(
こんてう
)
私し煙草を
買
(
かひ
)
候時
渠
(
かれ
)
が布子の
縞
(
しま
)
能
(
よ
)
く
似
(
に
)
たれば心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と女中を帰した後で、冷えた盃を持ったままメラメラと燃えしきるストーヴの焔を眺めながら、通り魔のような
夜前
(
やぜん
)
の出来事を考えていると
生不動
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「
夜前
(
やぜん
)
此の
御仁
(
おひと
)
がお見えになつてな。」と伯母は不安な調子で云つた。「お前に何ぞ御用があると云つてぢやつた。」
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
夜前
(
やぜん
)
、右衛門ノ
佐
(
すけ
)
から何か聞かれたな。しかしお腹を立てられな。正成の諫奏、
其許
(
そこ
)
にたいして、容易ならざる儀を
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
申せ、つひに人様の物、箸かたし、いがめたことは御座りませぬに、不孝の罰か、
夜前
(
やぜん
)
私やあ、
大盗人
(
おおどろぼう
)
にあひました
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
夜前
(
やぜん
)
にくみ込んだ水甕へ、それほどの毒を入れたのに、戸締りが少しも変っていないところを
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
姫
(
ひめ
)
をば
假
(
かり
)
の
墓所
(
はかしょ
)
より、
來
(
きた
)
りて
救
(
すく
)
ひ
出
(
だ
)
されよ、とロミオ
方
(
かた
)
へ
申
(
まう
)
し
遣
(
や
)
りしに、
使僧
(
しそう
)
ヂョンと
申
(
まう
)
す
者
(
もの
)
、
不慮
(
ふりょ
)
の
事
(
こと
)
にて
抑留
(
ひきと
)
められ、
夜前
(
やぜん
)
其
(
その
)
書
(
しょ
)
を
持歸
(
もちかへ
)
ってござりまするゆゑ、
目覺
(
めざ
)
めなば
嘸
(
さぞ
)
當惑
(
たうわく
)
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
そして
朝露
(
あさつゆ
)
をポクポクと馬の
草鞋
(
わらじ
)
に
蹴払
(
けはら
)
って、笠を
被
(
かぶ
)
った一人の若い
馬子
(
まご
)
が平気でこの丸山台を通り抜けようとしております。大方、江戸を
夜前
(
やぜん
)
に出て近在へ帰る百姓でありましょう。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そのように思いながらいつとなしに寝入った
夜前
(
やぜん
)
の淋しい心持が消えなかった。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「
夜前
(
やぜん
)
この
御仁
(
おひと
)
がお見えになってな。」伯母は不安な調子でいった。「お前になんぞご用があるといってじゃった。」
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
「いや、この俊基は、家にあっても、常々、人の半分も眠れば足りる性分。それに
夜前
(
やぜん
)
は、つい大酒したゆえ、早暁の気を吸って、
酒腸
(
しゅちょう
)
を醒まそうと思うてな」
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夜前
(
やぜん
)
にくみ込んだ水甕へ、それほどの毒を入れたのに、戸締りが少しも變つて居ないところを
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
預
(
あづか
)
りし
手形
(
てがた
)
を出せと
店先
(
みせさき
)
にて
談事
(
だんじ
)
ければ彌太郎も今は
堪忍
(
かんにん
)
成難
(
なりがた
)
く
其方
(
そなた
)
よりの
訴訟
(
うつたへ
)
を
待
(
また
)
ず此方より訴へんと
云時
(
いふとき
)
又々下男長助又七を
尋
(
たづ
)
ね來り
夜前
(
やぜん
)
清三郎が云ひし四日市のことを
話
(
はな
)
しけるにぞ
尚々
(
なほ/\
)
遺恨
(
ゐこん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ふたりとも、きょうばかりは、
夜前
(
やぜん
)
、父上から
懇々
(
こんこん
)
いわれましたので、至極、とりすましておりますが、もう仕方のない
悪戯
(
わるさ
)
やら、
憎
(
にく
)
ていばかり申して母を困らせておりまする
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
相探
(
あひさぐ
)
り候處一人の者の申し候には
夜前
(
やぜん
)
深更
(
しんかう
)
に及びて惣右衞門方へ
人出入
(
ひとでいり
)
の有し樣子に相聞え候と申す
故
(
ゆゑ
)
猶々
(
なほ/\
)
穿鑿
(
せんさく
)
致し候處其後
陸尺
(
ろくしやく
)
の七右衞門が惣右衞門方へ來りて
種々
(
いろ/\
)
の話しの
體
(
てい
)
なりと申し候
然
(
さ
)
すれば彼の惣右衞門も自分の方に
置
(
おく
)
時は忽ちに知れんことを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この急速な
計
(
はか
)
らいはまた、もちろん藤井紋太夫の
悔悟
(
かいご
)
の実証と、夜来からの奔走を明らかに語るものだった。
夜前
(
やぜん
)
、
惨
(
さん
)
として、老公の前を去ってからおそらく紋太夫は一睡もしなかったであろう。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“夜前”の意味
《名詞・形容動詞》
前日の夜。昨晩。
(出典:Wiktionary)
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
“夜”で始まる語句
夜
夜半
夜更
夜中
夜叉
夜具
夜鷹
夜寒
夜明
夜業