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くちやかま
ふりがな文庫
“
口喧
(
くちやかま
)” の例文
なおも
飯時
(
めしどき
)
に取りに来て貰っては困るとか、色々と
口喧
(
くちやかま
)
しく云った揚句、今日はいかんから
明後日
(
あさって
)
頃来てみてくれ、などという家もあった。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
そこでは
冑武者
(
よろいむしゃ
)
が数人、百姓家を取囲みながら、何か
口喧
(
くちやかま
)
しく叫んでいた。清三はその場面に幕の下るまで、康子と同席の男の解釈に苦しんで過ごした。
須磨寺附近
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
我儘なヂョウジアァナは、毒々しい
執念
(
しふねん
)
さや、
口喧
(
くちやかま
)
しい尊大な態度にも拘らず、みんなの愛に甘えてゐる。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
すると、どこからともなく色々の小鳥がその近くへ飛んできて、べちやくちやと
口喧
(
くちやかま
)
しく騒ぎ立てた。
水仙の幻想
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
おかみさんは
口喧
(
くちやかま
)
しいわりには、さっぱりした人で、使われる身としては気やすかった。おきぬとしては、はじめて他人の中に出たわけだが、それほど辛くはなかった。
早春
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
▼ もっと見る
「そんなことが出来るもんですか。あすこのお婆さんと来たら、それこそ
口喧
(
くちやかま
)
しいんですから。」
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
いちいち
口喧
(
くちやかま
)
しく吟味し、自分でききざけしてから出すといつた風であつた、気にいらない客は
突慳貪
(
つつけんどん
)
に追ひ立てを食はせ、買ひ出しに行つても思ふやうなねたが手に入らないと
一の酉
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
かういふ休息は、形式から云つても信徳を
殊
(
こと
)
に満足させた。一家が水入らずに暮すといふ考へは、何処か西洋風の匂をも含めて、彼の
口喧
(
くちやかま
)
しいくらゐ世話好な性質に心から適合するのだつた。
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
毎日
(
まいにち
)
さうして
歩
(
ある
)
いて
居
(
ゐ
)
た
女
(
をんな
)
が
知
(
し
)
りたがり
聞
(
き
)
きたがる
女房等
(
にようばうら
)
の
間
(
あひだ
)
に、
各自
(
てんで
)
に
口喧
(
くちやかま
)
しい
陰占
(
かげうらなひ
)
を
逞
(
たくま
)
しくされると
間
(
ま
)
もなく、
或
(
ある
)
日
(
ひ
)
村外
(
むらはず
)
れの
青葉
(
あをば
)
の
中
(
なか
)
へ
太皷
(
たいこ
)
の
音
(
おと
)
と
唄
(
うた
)
の
聲
(
こゑ
)
とが
遠
(
とほ
)
く
微
(
かす
)
かに
沒
(
ぼつ
)
し
去
(
さ
)
つた
切
(
き
)
り
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それは洲崎町のとある角の、渠が何日でも寄る煙草屋の事で、モウ大分借が溜つてるから、すぐ顏を赤くする銀杏返しの娘が店に居れば格別、
口喧
(
くちやかま
)
しやの
老母
(
ばばあ
)
が居た日には
怎
(
どう
)
しても貸して呉れぬ。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
老人間
(
ろうにんげん
)
の地下戦車なんて、どうひいき目に見ても、役に立たないであろう。それに、また腰が痛くなったり、リューマチが起ったりすると、今、いい合っていた
口喧
(
くちやかま
)
しやの娘さんから、
恨
(
うら
)
まれる。
未来の地下戦車長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
お
宮
(
みや
)
の
森
(
もり
)
にはたくさんの
老木
(
らうぼく
)
がありました。
大方
(
おほかた
)
それは
松
(
まつ
)
でした。
山
(
やま
)
の
上
(
うへ
)
の
高
(
たか
)
みからあたりを
睨望
(
みをろ
)
して、そしていつも
何
(
なん
)
とかかとか
口喧
(
くちやかま
)
しく
言
(
い
)
つてゐました。
暑
(
あつ
)
ければ、
暑
(
あつ
)
い。
寒
(
さむ
)
ければ、また
寒
(
さむ
)
いと。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
のみならず以来は長吉に三味線を
弄
(
いじ
)
る事をば
口喧
(
くちやかま
)
しく禁止した。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
また味加減をつけるにも、例の
口喧
(
くちやかま
)
しい伯の事とて
他
(
ひと
)
一
倍
(
ばい
)
講釈はするが、舌は正直なもので、何でも
鹹
(
しよ
)
つぱくさへして置けば恐悦して
舌鼓
(
したつゞみ
)
を打つてゐるといふ事だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
始終
忙
(
せわ
)
しそうに、くるくる働いている川西は、夜は宵の口から二階へあがって、
臥床
(
ふしど
)
に就いたが、朝は女がまだ深い眠にあるうちから
床
(
とこ
)
を離れて、人の
好
(
よ
)
い
口喧
(
くちやかま
)
しい主人として
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
蔵の二階が父の稽古場になっていて、たいていそこに閉じ
籠
(
こも
)
っていた。祖父は俗に云うこわもてのする人柄で、
口喧
(
くちやかま
)
しいわりには、出入りの者や女中なんかの気受けは悪くなかった。
桜林
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
それは洲崎町のトある角の、渠が何日でも寄る煙草屋の事で、モウ大分借が溜つてるから、すぐ顔を赤くする
銀杏返
(
いちやうがへ
)
しの娘が店に居れば格別、
口喧
(
くちやかま
)
しやの
老母
(
ばばあ
)
が居た日には
怎
(
どう
)
しても貸して呉れぬ。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
のみならず以来は
長吉
(
ちやうきち
)
に
三味線
(
しやみせん
)
を
弄
(
いぢ
)
る事をば
口喧
(
くちやかま
)
しく禁止した。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
摂津
(
せつつの
)
大掾の
女房
(
かない
)
のお
高
(
たか
)
婆さんといふと、名代の
口喧
(
くちやかま
)
しい女で、弟子達の多くが
温柔
(
おとな
)
しい大掾の前では、日向ぼつこの猫のやうに
暢
(
のん
)
びりした気持でゐるが、一度襖の蔭から
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ぐれ出した鶴さんは、
口喧
(
くちやかま
)
しい隠居の
頑張
(
がんば
)
っているこの
閾
(
しきい
)
も高くなっていた。お島はおゆうの口から、下谷の女を家へ入れる入れぬで、苦労している彼の噂をおりおり聞されたりした。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
尤
(
もつと
)
もな話で、亜米利加には猶太人の好きな金は有り余る程あるし、
口喧
(
くちやかま
)
しい神様は居無いし、
加之
(
おまけ
)
に男はみんな女に親切だといふから、
猶太種
(
ユダヤだね
)
の女が理想郷とするに打つて附けの土地柄だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
女が
口喧
(
くちやかま
)
しいからといつて警察の手に引渡した男はない筈だ。それだのに男の手に薪ざつ棒を見ると、女は直ぐ法律の
腕
(
かひな
)
に
縋
(
すが
)
らうとする。武器としての女の口は薪などと比べ物にはならない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
正直なもので、
口喧
(
くちやかま
)
しい世間も黙つてゐるのだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
喧
漢検準1級
部首:⼝
12画
“口喧”で始まる語句
口喧嘩