卷込まきこ)” の例文
新字:巻込
泡立あはだなみ逆卷さかまうしほ一時いちじ狂瀾きやうらん千尋せんじんそこ卷込まきこまれたが、やゝしばらくしてふたゝ海面かいめん浮上うかびあがつたとき黒暗々こくあん/\たる波上はじやうには六千四百とん弦月丸げんげつまるかげかたちもなく
しやあはれな勞働者は其の唄のをはらぬうち惡魔あくまのやうな機械の運轉うんてん渦中くわちう身躰からだ卷込まきこまれて、唄の文句もんくの其のとほり、ながくもない生涯しようがいをはりげたのではあるまいか。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
そで雪洞ぼんぼりをぴつたりせたが、フツとえるや、よろ/\として、崩折くづをれるさまに、縁側えんがはへ、退しさりかゝるのを、そらなぐれにあふつたすだれが、ばたりとおとして、卷込まきこむがごと姿すがた掻消かきけす。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
領主 その曲事きょくじゆゑに、即刻そっこく追放つゐはう申附まうしつくる。汝等なんぢら偏執へんしふ予等われらまでも卷込まきこまれ、その粗暴そばう鬪諍とうじゃうによってわが血族けつぞく血汐ちしほながした。わがこの不幸ふかう汝等なんぢらにもくやますため、きびしい科料くわれうくわさうずるわ。
とくる/\と𢌞まはるのです。𢌞まはりながらいて、き/\卷込まきこめるとると、たちますさまじいうづつて、ひゆうとりながら、舞上まひあがつてんでく。……くといなや、つゞいて背後うしろからいてます。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)