あぶね)” の例文
北八きたはちは、にやり/\、中流ちうりういたころほ一錢蒸汽いつせんじようき餘波よはきたる、ぴツたり突伏つツぷしてしまふ。あぶねえといふは船頭せんどうこゑ、ヒヤアときもひやす。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
見物「なん箆棒べらぼうめ、糞の掛けられ損か、それ打込むぞ、やア御新造あぶねえ/\、此方こっちへお出でなせえ、やアれ危えッてば」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あぶねえぞ!」と叫びざま、彼は力限りに鉄槓を振りかぶって、哀れな馬に打ちおろした。当たりははずれて砕けた。
アイINAイナって聞くと毛唐けとうの高級船員なんかふるえ上るんだそうです。乗ったら最後どんな船でも沈めるってんでね。……だから今度はこのアラスカ丸があぶねえってんで、大変な評判ですがね。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
男はヒヨイと立停たちどまつて、ニヤ/\笑ひながら、『何をするんだ、あぶねえな。』
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
人間がわっしのようにあぶねえことまでやった時にゃ、——言わば命をそっくり投げ出して向う見ずなことをやった時にゃ、——その人間に一ことくれえやさしい言葉をかけてやんなすっても、大方
「オオあぶねエ」
古城の真昼 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
由「草へ掴まって…あぶねえなア、早く桟橋をこせえたら宜さそうなものだ……すべりゃアしないかい」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「おかしくはねえよ。この頃じゃあ大抵何楼どこでも承知の筈だに、どうまた気が揃ったか知らねえが、三人が三人取りに寄越よこしたのはちっと変だ、こりゃお気をつけなさらねえとあぶねえよ。」
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あれよりわるうございますと、それは恐入おそれいりましたな、わたくしは美人だと思つてましたが、器量きりやう善悪よしあしなでたツてわかりません……あ……あぶねえなア、んですなア……これは……。近「人力車じんりきだ。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「あの阿魔がかい、そいつああぶねえ!」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
火には追掛おっかけられるようだよ、あぶねえともあぶねえとも、あんな何うも先の尖った鳶口を担いで駆けていやすから、頭へでもぶッつけられて怪我でもしては大変ていへんでがんす、旦那さん何処へ逃げやすか
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
(愛吉さん、あぶねえ、危え。)
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おらア此の通り姿を変えて人力ひき、何んでも手前てめえが上州路に居ると聞いたから、草津か、沢渡か、伊香保にでも居るかと思って居たのよ、しかおれあぶねえ身の上だが、渋川へ来て車夫になって
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「北国一だ。……あぶねえよ。」
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
下の皿を一枚いちめえ毀して置いたから、ず恋の意趣晴しをして嬉しいと思い、実は土間で腕を組んで悦んでいると、此のかゝさまが飛んで来て、わしが病苦を助けてえとあぶねえ奉公と知りながら参って
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あぶねえ、旦那さん。」
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
の時にわしが筏の上荷拵うわにごしらえをして居た処へ、山の上からち落ちて来た婦人が藤蔓の間へ引懸って髪の毛エからみ附いて、吊下ぶらさがって居たあぶねとこを助けて、身内に怪我はねえかと漸々だん/″\様子を聞くと
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「おお、あぶねえ。」
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
初めからあんまりたんと歩かねえようにしてねえ、早く泊る様にしなければなんねえ、寒い時分だから遅く立って早く宿へ着かなけんばいけませんぞ…アヽおさねえでもあぶねえだ、めえは川じゃアねえか
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あぶねえ、わッ!」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あぶねえッ!」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あぶねえ。」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)