前様まへさま)” の例文
旧字:前樣
とお前様まへさまかせまをはなしは、これからぢやが、最初さいしよまをとほみちがいかにもわるい、宛然まるでひとかよひさうでないうへに、おそろしいのは、へびで。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かしくけではあられぬはるこほりイヤぼくこそが結局けつきよくなりいもといふものあぢしらねどあらばくまであいらしきか笑顔えがほゆたかにそでひかへてりやうさん昨夕ゆふべうれしきゆめたりお前様まへさま学校がくかう
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
谷川たにがはからあがつてさしつたとき手足てあしかほひとぢやから、おらあ魂消たまげくらゐ、お前様まへさまそれでも感心かんしんこゝろざし堅固けんごぢやからたすかつたやうなものよ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
びたりとかやまいもとはお前様まへさまはるゝも道理どうりなりらざりしわれうらめしくもらさぬきみうらめしく今朝けさ見舞みまひしときせてゆるびし指輪ゆびわぬきりてこれ形見かたみとも見給みたまはゞうれしとて心細こゝろぼそげにみたる其心そのこゝろ今少いますこはやらばくまでにはおとろへさせじを
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
嬢様ぢやうさま勘違かんちがひさつしやるな、これはお前様まへさまではないぞ、なんでもはじめから其処そこ御坊様おばうさまをつけたつけよ、畜生ちくしやう俗縁ぞくえんがあるだツぺいわさ。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ありし雛遊ひなあそびのこゝろあらたまらずあらたまりし姿すがたかたちにとめんとせねばとまりもせでりやうさん千代ちいちやんと他愛たあいもなき談笑だんせふては喧嘩けんくわ糸口いとぐち最早もう来玉きたまふななにしにんお前様まへさまこそのいひじらけに見合みあはさぬかほはつ二日目ふつかめ昨日きのふわたしるかりし此後このご
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)