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でそろ
ふりがな文庫
“
出揃
(
でそろ
)” の例文
おつぎのまだ
短
(
みじか
)
い
身體
(
からだ
)
は
麥
(
むぎ
)
の
出揃
(
でそろ
)
つた
白
(
しろ
)
い
穗
(
ほ
)
から
僅
(
わづか
)
に
其
(
そ
)
の
被
(
かぶ
)
つた
手拭
(
てぬぐひ
)
と
肩
(
かた
)
とが
表
(
あら
)
はれて
居
(
ゐ
)
る。
與吉
(
よきち
)
は
道
(
みち
)
の
側
(
はた
)
の
薦
(
こも
)
の
上
(
うへ
)
に
大人
(
おとな
)
しくして
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「するとつまり、
辣腕
(
らつわん
)
なんですな」保馬はそう云って調書を見まわした、「——だいぶ
出揃
(
でそろ
)
ったが、そろそろ役所のほうと突合せにかかるかな」
いしが奢る
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
人参の芽が
出揃
(
でそろ
)
わぬ
処
(
ところ
)
へ
藁
(
わら
)
が一面に
敷
(
し
)
いてあったから、その上で三人が半日
相撲
(
すもう
)
をとりつづけに取ったら、人参がみんな
踏
(
ふ
)
みつぶされてしまった。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
広小路
(
ひろこうじ
)
へ曲ると、夜店が
出揃
(
でそろ
)
って人通りも
繁
(
しげ
)
くなったので、二人はそのまま話をやめて
雷門
(
かみなりもん
)
まで来た。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
東の空が白む頃関係者は学校へ
出揃
(
でそろ
)
い、木型を車に積んで運び出しましたが、上野から宮城までにかれこれ二時間位掛かり、御門を這入って、それから三本の足場を立て
幕末維新懐古談:70 木彫の楠公を天覧に供えたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
その穂は僕等の来た時にはまだすっかり
出揃
(
でそろ
)
わなかった。出ているのもたいていはまっ
青
(
さお
)
だった。が、今はいつのまにかどの穂も同じように
狐色
(
きつねいろ
)
に変り、穂先ごとに
滴
(
しずく
)
をやどしていた。
海のほとり
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
やがて若蘆の芽のくきくきと
出揃
(
でそろ
)
う頃は、夕月の影をくだいて満ち潮のなごりが
白
(
し
)
ら
白
(
し
)
らと頭越しに流れよるようになる。大空は梅が香の艶なにおいに
朦朧
(
もうろう
)
として、月も曇りに近い
霞
(
かす
)
み方である。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
その
麓
(
ふもと
)
まで見通しの、
小橋
(
こばし
)
の
彼方
(
かなた
)
は、一面の蘆で、
出揃
(
でそろ
)
って
早
(
は
)
や乱れかかった穂が、霧のように
群立
(
むらだ
)
って、
藁屋
(
わらや
)
を包み森を
蔽
(
おお
)
うて、何物にも目を
遮
(
さえぎ
)
らせず、山々の
茅
(
かや
)
薄
(
すすき
)
と
一連
(
ひとつら
)
に
靡
(
なび
)
いて、風はないが
海の使者
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
麦の穂の
出揃
(
でそろ
)
ふ頃のすが/\し
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
二日目になってようやく学校へ出て見ると、教師はまだ
出揃
(
でそろ
)
っていなかった。学生も
平日
(
いつも
)
よりは数が不足であった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こう見えたって
憚
(
はばか
)
りながら役者だ。
伊井
(
いい
)
一座の新俳優だ。
明後日
(
あさって
)
からまた
新富町
(
しんとみちょう
)
よ。
出揃
(
でそろ
)
ったら見に来給え。いいかい。
楽屋口
(
がくやぐち
)
へ廻って、
玉水
(
たまみず
)
を呼んでくれっていいたまえ。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
京都
(
きやうと
)
へ
着
(
つ
)
いた
一日目
(
いちにちめ
)
は、
夜汽車
(
よぎしや
)
の
疲
(
つか
)
れやら、
荷物
(
にもつ
)
の
整理
(
せいり
)
やらで、
徃來
(
わうらい
)
の
日影
(
ひかげ
)
を
知
(
し
)
らずに
暮
(
く
)
らした。
二日目
(
ふつかめ
)
になつて
漸
(
やうや
)
く
學校
(
がくかう
)
へ
出
(
で
)
て
見
(
み
)
ると、
教師
(
けうし
)
はまだ
出揃
(
でそろ
)
つてゐなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
出揃
(
でそろ
)
つたら見に
来給
(
きたま
)
へ。いゝかい。
楽屋口
(
がくやぐち
)
へ
𢌞
(
まは
)
つて、
玉水
(
たまみづ
)
を呼んでくれつて
云
(
い
)
ひたまへ。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
揃
漢検準1級
部首:⼿
12画
“出”で始まる語句
出
出来
出入
出鱈目
出來
出会
出立
出逢
出掛
出雲