出來しゆつたい)” の例文
新字:出来
わが面體めんていを後のかたみに殘さんと、さきに其方を召出し、頼家に似せたるおもてを作れと、繪姿までもつかはして置いたるに、日をるも出來しゆつたいせず。
修禅寺物語 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
こゝに一だい事件じけん出來しゆつたいした、それはほかでもない、丁度ちやうどこのふね米國ベイこく拳鬪けんとう達人たつじんとかいふをとこ乘合のりあはせてつたが、このうわさみゝにして先生せんせい心安こゝろやすからず
かくて江戸高輪の旅館りよくわん出來しゆつたいの由書状しよじやう到來せしかば一同に評議ひやうぎの上早々江戸下向と決し用意も既に調とゝのひしかば諸司代牧野丹波守殿まきのたんばのかみどのへ使者を以て此段を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
君御用きみごようしななれば費用ひようかまはずいそつくりてまゐらすべしとめいじてより七日なのか出來しゆつたいしけるを、御居室おんゐまえん舁据かきすゑたるが、善美ぜんびつくして、おどろかすばかりなりけり。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
舟が舟番所の前まで來ると、太兵衞は槍を手挟たばさんで、兼ねて識合しりあひ番所頭ばんしよがしら菅右衞門八に面會を求めた。さて云ふには、在所へ用事出來しゆつたいしてまかり下る、舟のおあらためを願ひたいと云ふのである。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
そのうら骨髓こつずいとほりてそれよりの目横めよこにかさかにか、女髮結をんなかみゆひとめらへて珍事ちんじ唯今たゞいま出來しゆつたいかほつきに、れい口車くちぐるまくる/\とやれば、この電信でんしん何處いづくまでかゝりて、一てうごと風説うはさふとりけん
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なし是より伊賀亮等の三人は美濃みのへ立もどり川越浦賀の兩所にて金子は三千兩餘出來しゆつたいせしと物語れば皆々大によろこまづ六郎兵衞に夫々の判物はんものわたせしかば六郎兵衞は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その矢先へ今度のことがきこえたら、どのやうな大事が出來しゆつたいしようかと、それが案じられて此頃は、夜の目も碌に合はぬくらゐ……。なにをいふにも五百石のお家にかゝはること……。
箕輪の心中 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
(得意らしく笑ふ。)もつと度偉い騷ぎが出來しゆつたいするかも知れないぞ。
正雪の二代目 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
拙者せつしや如き若年者の承まはる可事覺束おぼつかなし兎も角も中納言樣へ言上ごんじやうの上御挨拶あいさつすべし暫く御控へ有べしと會釋ゑしやくして奧へ入り綱條卿つなえだきやうに申上げるは町奉行越前守に對面仕り候處天下の一大事出來しゆつたいに付夜中を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
五郎 なに、面は已に出來しゆつたいしてをるか。
修禅寺物語 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
何事が出來しゆつたいいたしたのでございます。
正雪の二代目 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)