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便船
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びんせん
ふりがな文庫
“
便船
(
びんせん
)” の例文
ここからは、フランス行きの
便船
(
びんせん
)
がでる。フランスへわたり、
汽車
(
きしゃ
)
でスペインへいって、そこからアフリカのアルジェリアへいくつもりだ。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
のう、
便船
(
びんせん
)
しょう、便船しょう、と船を
渚
(
なぎさ
)
へ引寄せては、
巌端
(
いわばな
)
から、松の下から、
飜然々々
(
ひらりひらり
)
と乗りましたのは、魔がさしたのでござりましたよ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いや、長崎から
越後港
(
えちごみなと
)
へ、
南蛮呉服
(
なんばんごふく
)
をつんできた
親船
(
おやぶね
)
が、この
沖
(
おき
)
にとまってるんでさ。どうせ南へ帰る
便船
(
びんせん
)
だ、えんりょなく乗っていくがいい」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此処等
(
ここら
)
で出来る瓦や木材や米や麦や——それ等は総て此川を上下する
便船
(
びんせん
)
で都に運び出されることになつて居た。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
急いで蟹沢の船場迄行つて、
便船
(
びんせん
)
は、と尋ねて見ると、今々飯山へ向けて出たばかりといふ。どうも
拠
(
よんどころ
)
ない。次の便船の出るまで
是処
(
こゝ
)
で待つより外は無い。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
其後
(
そのご
)
の
便船
(
びんせん
)
で
通知
(
つうち
)
が
參
(
まい
)
りましたので、
其
(
その
)
方
(
ほう
)
は
漸
(
やうや
)
く
胸
(
むね
)
撫
(
な
)
でおろし、
日本
(
につぽん
)
へ
皈
(
かへ
)
る
事
(
こと
)
も
其儘
(
そのまゝ
)
思
(
おも
)
ひ
止
(
とゞま
)
つたのです。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
取
登
(
のぼ
)
せる程の身代になりしと聞少しく
落付
(
おちつき
)
然
(
しか
)
らば是より江戸へ下り本郷へ尋ね行て身の落付を頼まんと思ひけれども元來吾助は船に
弱
(
よわ
)
き生れ付なれ共
暗
(
くら
)
き
身
(
み
)
故
(
ゆゑ
)
便船
(
びんせん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「大洋を横断する? いやわれわれは、まず南米に近い
港
(
みなと
)
にわたって、
便船
(
びんせん
)
を求めるつもりである」
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
便船
(
びんせん
)
をたのんで
上総
(
かずさ
)
へ渡り、さらに木更津から船路の旅をつづけてつつがなく江戸へはいった。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一
便船
(
びんせん
)
毎
(
ごと
)
に
護謨
(
ごむ
)
業関係者の日本から来る者が三四人を
下
(
くだ
)
らない有様だ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「なるほど。じつはわしもこれから
都
(
みやこ
)
へでて、
安土
(
あづち
)
の
秀吉公
(
ひでよしこう
)
へすがり、なんとかいとぐちをつけようと考えているが、うまくとちゅうまでの
便船
(
びんせん
)
でもあるまいか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
十一屋の隠居の話で、半蔵らはそれが
埼玉
(
さいたま
)
川越
(
かわごえ
)
の方から
伊勢町河岸
(
いせちょうがし
)
へと急ぐ
便船
(
びんせん
)
であることを知った。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
お爺さん、主婦、それから
便船
(
びんせん
)
を幸ひに東京まで乗せて行つて貰はうといふ隣のお爺さんも乗つた。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
求めて九州へ
赴
(
おもふ
)
かんと大坂にて兩三日
逗留
(
とうりう
)
し所々を
見物
(
けんぶつ
)
し
藝州迄
(
げいしうまで
)
の
便船
(
びんせん
)
あるを
聞出
(
きゝだし
)
て此を頼み乘しが
順風
(
じゆんぷう
)
なれば日ならずして廣島の地に
着
(
ちやく
)
せしかば先廣島を一
見
(
けん
)
せんと
上陸
(
じやうりく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
たまたま貨物船セルベン号がチリーのバルパライソにむかって航海するうわさを耳にした夫妻は、手をうって喜んだ、さっそくケートが走って船長に
便船
(
びんせん
)
かたをたのんだ。それはすぐにゆるされた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
彼等は
坡港
(
はかう
)
を「
都
(
みやこ
)
」と称し、
其他
(
そのた
)
を「
田舎
(
ゐなか
)
」と称して
恰
(
あたか
)
も東京から千葉や埼玉へ出掛ける位の心持で
便船
(
びんせん
)
毎
(
ごと
)
に
其
(
それ
)
等の
遠国
(
ゑんごく
)
へ往復する。昔の倭寇の意気は彼等に
由
(
よ
)
つて継承されて居ると云つて好からう。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
寶澤は
盜賊
(
たうぞく
)
に
殺害
(
せつがい
)
されし
體
(
てい
)
に
拵
(
こし
)
らへ事十分
調
(
とゝの
)
ひぬと身は
伊勢參宮
(
いせまゐり
)
の
姿
(
なり
)
に
窶
(
やつし
)
一先九州へ下り
何所
(
いづかた
)
にても足を止め
幼顏
(
をさながほ
)
を
失
(
うしな
)
ひて後に
名乘
(
なのり
)
出んものと心は早くも定めたり
先
(
まづ
)
大坂へ
出
(
いで
)
夫より
便船
(
びんせん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「チリー国の沿岸は、
曲折
(
きょくせつ
)
出入が多くてはなはだ危険であるが、ここより一直線に南航してチリー国の港に入港すれば、チリー国の住民はみな親切であるから、
便船
(
びんせん
)
を求める
便宜
(
べんぎ
)
はえられると思う」
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
“便船”の意味
《名詞》
都合よく出港する船。
(出典:Wiktionary)
便
常用漢字
小4
部首:⼈
9画
船
常用漢字
小2
部首:⾈
11画
“便”で始まる語句
便
便宜
便所
便利
便箋
便宜上
便々
便乗
便殿
便衣