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なかまい
「
私は、
今日、ここへお
仲間入りにきたのですが、あなたと
姉妹のように
似ているお
人形さんといままで、一つの
家で
暮らしていましたよ。」
いつのまにか、
菓子屋の
看板の
美人は、この
町の
人たちの
仲間入りをして、りっぱな
存在になったのであります。
ひとり、
傷のついたすずめは、
彼らの
仲間入りをすることができなかった。そんな
勇気がなかったばかりでなく、
傷口が
痛んで、
血がにじんでいたのです。
そうすれば、
自分は、ふたたび
我が
子の
顔を
見ることはできぬかもしれないが、
子供は
人間の
仲間入りをして、
幸福に
生活をすることができるであろうと
思ったのです。
「すずめが
鳴いていたので、お
仲間入りがしたくなったんだね。」と、
英ちゃんが、いいました。
だから、あなたも
知らぬ
顔をして、その
仲間入りをしていられたら、だれも
不思議に
思うものはありますまい。ひとつ
都にいって、
大胆にそうなさってはいかがですか。
「
都へいって、はとの
仲間入りをすれば、なにもせんで
楽に
暮らしていける。」と、
考えましたので、ついにその
気になって、
南に
向かって
旅立つことにいたしました。
雲さん、
長い
間、どうもお
世話になりまして、お
礼の
申しあげようもありません。
私は、
下界へゆきます。そして、
坊ちゃんや、お
嬢さんたちのお
仲間入りをいたします。
こうして、
彼は、みんなの
仲間入りをして、
楽しく
生活をつづけたのです。しかしまったく
不安というものなしに、すべての
生き
物は、
生きることはできなかったのでした。
そのお
仲間入りでもしたように、やまがらが
枝から
枝をおもしろそうに
伝っていました。
今年も、
金魚を
買って
水盤へ
入れると、
新しく
仲間入りをした
金魚は、さすがに
飼い
魚だけあって、あわてずゆうゆうと、
長い
尾をふりながら、
花の
咲くすいれんのかげを、いったり
はとの
仲間入りすることは
断念しましたが、
都の
空は
煙でいつも
濁っていて、それに、
餌を
探すようなごみためがいたって
少ないので、そこにいる
間は
餓えを
忍んでいなければなりませんでした。
みんなは、それがなんであるかと
目を
向けますと、
鼻がねずみに
食われて
欠けていた、
古いひな
人形でありました。いつか、みんなは、この
人形が
仲間入りをしたときに、
大いに
笑ったものです。