黒板こくばん)” の例文
黒板こくばんにつるした大きな黒い星座せいざの図の、上から下へ白くけぶった銀河帯ぎんがたいのようなところをしながら、みんなにいをかけました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
かたそばだて、前脚まへあしをスクとてて、みゝ圓天井まるてんじやうとゞくかとして、くわつ大口おほぐちけて、まがみはとほ黒板こくばん呼吸いきいた——
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それでもついに吉田よしだてゆきました。そして黒板こくばんこたえをきました。それはとどこおりなくできていたので、吉田よしだかおはなやいでうれしそうでありました。
残された日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
枕というは黒板こくばんふき位の大きさの、蕎麦殻そばがらをつめ込んだ小さな袋である。これが高さ三インチの長細い木箱の上にのっている。枕かけというのは柔かな紙片を例の袋に結びつけたものである。
子供が黒板こくばん白墨はくぼく悪戯いたづらに書いた算用数字。2、2、2、2、2、2。
動物園 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
同校の正門内に卒業生の寄付に係る作法実習用の茶室が竣工しゅんこうしたため、自然不要に帰し、火災直前までは物置として保存されおり、階上階下には運動会用具その他、古黒板こくばん、古洋燈ランプ、空瓶、古バケツ
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
丁度ちょうどこの日は校長も出張しゅっちょうから帰って来て、学校に出ていました。黒板こくばんを見てわらっていました、それからまゆを売るのがんだら自分も行こうとうのでした。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
と、先生せんせいおおきなこえでいいました。ばれた生徒せいとあたまをかきかきていって、黒板こくばんにそれをきました。
残された日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
のゝしるか、わらふか、ひと大聲おほごゑひゞいたとおもふと、あの長靴ながぐつなのが、つか/\とすゝんで、半月形はんげつがた講壇かうだんのぼつて、ツと一方いつぱうひらくと、一人ひとりまつすぐにすゝんで、正面しやうめん黒板こくばん白墨チヨオクにして
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
何の返事へんじも聞えません。黒板こくばんから白墨はくぼくこなのような、くらつめたいきりつぶが、そこら一面いちめんおどりまわり、あたりが俄にシインとして、陰気いんきに陰気になりました。
種山ヶ原 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
算数さんすう時間じかんでした。先生せんせいは、黒板こくばん問題もんだいされて
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
黒板こくばん一面いちめん眞白まつしろゆきかはりました。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そこでキッコはその鉛筆を出して先生の黒板こくばんに書いた問題もんだいをごそごその藁紙わらがみ運算帳うんざんちょうに書きりました。
みじかい木ぺん (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
だい泥岩でいがんで、どうせむかしぬまきしですから、何か哺乳類ほにゅうるい足痕あしあとのあることもいかにもありそうなことだけれども、教室でだって手獣しゅじゅう足痕あしあとの図まで黒板こくばんに書いたのだし
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
何と云っていいかわからないでただもうおへ入ったときのようにじっとしていましたら先生がむちをって立って「では吉三郎きちさぶろうさんと慶助けいすけさんと出て黒板こくばんへ書いて下さい。」
みじかい木ぺん (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)