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鳴聲
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なきごゑ
若い
方が、
今朝始めて
鶯の
鳴聲を
聞いたと
話すと、
坊さんの
方が、
私は二三
日前にも一
度聞いた
事があると
答へてゐた。
村落の
子供等は「三
平ぴいつく/\」と
雲雀の
鳴聲を
眞似しながら、
小笊を
持つたり
叉手を
持つたりしてぢやぶ/\と
快よい
田圃の
水を
渉つて
歩いた。
そこへ
山鳩が
通りかゝりました。
山鳩は
林の
中に
聞き
慣れない
鷄の
鳴聲を
聞きつけまして、
傍へ
飛んで
來ました。
百舌や
鶸とちがひ、
山鳩は
見ず
知らずの
雄鷄をいたはりました。
おつぎは
直ぐ
側でかさ/\と
何かが
動くのを
聞くと
共に、ゐい/\と
豚らしい
鳴聲のするのを
聞いた。
其音が
鴈の
鳴聲によく
似てゐるのを
二人とも
面白がつた。ある
時は、
平八茶屋迄出掛けて
行つて、そこに
一日寐てゐた。さうして
不味い
河魚の
串に
刺したのを、かみさんに
燒かして
酒を
呑んだ。