)” の例文
其間そのあいだに村人の話を聞くと、大紙房と小紙房との村境むらざかいに一間の空家あきやがあつて十数年来たれも住まぬ。それは『』がたたりす為だと云ふ。
雨夜の怪談 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
しんり、しずみ、星斗と相語り、地形と相抱擁あいほうようしてむところを知らず。一杯をつくして日天子にってんしを迎え、二杯をふくんで月天子げってんしを顧みる。
狂人は笑う (新字新仮名) / 夢野久作(著)
最後に「信」の重要性を説いた章と、三代の「礼」の恒久性を説いた章と、「其のに非ずして祭るはへつらうなり、義を見てざるは勇なきなり」
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
柱をば杉檜の葉もて包み、大なる紅葉の枝を添へ、壁際かべぎは廊下には菊花壇を作りて紙灯しちやうをともしたるなど、何となく一の菊畑でも見物する心地あり。
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
下に二神あり、一をうつ、一をるいと名づく、並びに葦のさくを執って不祥のを伺い、得ればすなわちこれを殺すと。
厲鬼れいきのことは『春秋左氏伝』の諸所に出ているが、「成公十年」の条に、「晋侯しんこうの夢に大厲たいれい被髪地ひはつちに及ぶ。 ...
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
と——やがて約束のこくごろ、浜辺はまべのほうから、百夜行やこう八幡船ばはんせんの黒々とした一列が、松明たいまつももたずに、シトシトと足音そろえて、ここへさしてくる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『むかしは花の精、さるからに凝りき。今は花の、さればうつろなり。しばし聚りて形を為せども、こを真とな見たまひそ。ただ夢寐ゆめうつゝさまを成せるのみ。』
『聊斎志異』より (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
果してしからば、我が可懐なつかしき明神の山の木菟みみずくのごとく、その耳を光らし、その眼を丸くして、本朝ののために、形をおおう影の霧を払って鳴かざるべからず。
遠野の奇聞 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
染井の當代は三郎と言つて五十になつたばかり。
季路、鬼神きしんつかえんことを問う。子曰く、未だ人に事うるあたわず、いずくんぞつかえん。曰く、敢えて死を問う。曰く、未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
支那の怪物ばけもの………私は例の好奇心に促されて、一夜をの空屋に送るべく決心した。で、さらくわしくの『』の有様をただすと、いわく、半夜に凄風せいふうさっとして至る。
雨夜の怪談 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
天はしんをつかさどり、地はをつかさどる。神は伸をつかさどり、鬼はくつをつかさどる。伸はしゅうをつかさどり、屈は散をつかさどる。この二者は万物を生じ、万物を
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
そこで仕方なしに、せめてアノしんり、しずんだスバラシイ高踏的な気分だけでも味わいたいものだというので、古馴染ふるなじみの茶店から「茶精」というものを買って飲むんです。
狂人は笑う (新字新仮名) / 夢野久作(著)
かんとか天彦あまひことかいう名笛めいてきのようだ。なんともいえない諧調かいちょう余韻よいんがある。ことに、笛の音は、きりのない月明げつめいの夜ほどがとおるものだ。ちょうど今夜もそんなばん——。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のち子珍と同族で、同地生まれの王仲祥という人来合せ、まず先生に謁し、次ぎに子珍の宿に止まり、李玄石を見、翌日別れに臨み、子珍に、汝の友玄石はだ、生きた人でないと告げると、子珍
は昼間でも種々の奇怪な形を見せて変幻出没するのでした。しかも陳は元来剛猛な人間であるのでちっとも驚かず、みずから弓矢や刀を執って鬼と闘いました。
その他、人の名にとかふんとかいう実名がある。これまた迷信より起こっておる。鬼には病魔が恐れて近づかぬ、糞は不潔なるがゆえに、同じく来たり侵さぬと信ずる結果であるとのことだ。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
「いや、われわれはである」