騎馬きば)” の例文
騎兵大隊長きへいだいたいちやう夫人ふじん變者かはりものがあつて、いつでも士官しくわんふくけて、よるになると一人ひとりで、カフカズの山中さんちゆう案内者あんないしやもなく騎馬きばく。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
王子はだまったままで下を向いて聞いていらっしゃいます。やがて花よめ花むこが騎馬きばでお寺に乗りつけてたいそうさかんな式がありました。
燕と王子 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
また上士の家には玄関敷台を構えて、下士にはこれを許さず。上士は騎馬きばし、下士は徒歩とほし、上士には猪狩ししがり川狩かわがりの権を与えて、下士にはこれを許さず。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
たゞ此時このとき大路おほぢときひゞいたのは、肅然しゆくぜんたる騎馬きばのひづめのおとである。のあかりにうつるのは騎士きし直劍ちよくけんかげである。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そんな、こまかいふたりの挙動きょどうは、はるかあとから騎馬きばでくる梅雪の目に、べつだんあやしくもうつらなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
前夜ぜんやのうちに、皇子おうじ馬車ばしゃも、それについてきた騎馬きば勇士ゆうしらも、なみうえへ、とっととんで、うみなかはいってしまったものとおもわれたのであります。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この港はかつて騎馬きばにて一遊せし地なれば、我が思う人はありやなしや、我が面を知れる人もあるなれど、海上けむめてなみもおだやかならず、夜のくらきもたよりあしければ
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そうそういつかわたくしがおまいりしたのは丁度ちょうどはるなかばで、あちこちのやまもりには山桜やまざくら満開まんかいでございました。走水はしりみず新井あらいしろから三四ばかりもへだった地点ところなので、わたくしはよく騎馬きばまいったのでした。
絶間なく目を配って、立ってゐる騎馬きばの巡査——
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
騎馬きば 一人 士分 五人
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
騎兵大隊長きへいだいたいちょう夫人ふじん変者かわりものがあって、いつでも士官しかんふくけて、よるになると一人ひとりで、カフカズの山中さんちゅう案内者あんないしゃもなく騎馬きばく。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ほかにのぼる道があればいいが、ないとすると、この傾斜けいしゃでは、馬を乗りあげることがむずかしい。それに、下に見える渓流けいりゅうもはたして騎馬きばせるかどうか?
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
或は経史けいしを読み或は兵書を講じ、騎馬きば槍剣そうけん、いずれもその時代に高尚こうしょうなづくる学芸に従事するが故に、おのずから品行も高尚にしていやしからず、士君子しくんしとして風致ふうちるべきもの多し。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「イヤ、たしかに、大事な品をおあずかりしているとおおせられました。そのために、桑名攻くわなぜめの陣中から、われわれどもが、騎馬きばをとばしてお迎えにまいったわけ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
現金を懐中ふところにいれて、畳屋を狩り出しに、騎馬きばで駈けてゆく。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)