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難渋
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なんじふ
ふりがな文庫
“
難渋
(
なんじふ
)” の例文
抑
(
そも/\
)
われは
寄辺
(
よるべ
)
ない
浮浪学生
(
ふらうがくしやう
)
、
御主
(
おんあるじ
)
の
御名
(
みな
)
によりて、
森
(
もり
)
に
大路
(
おほぢ
)
に、
日々
(
にちにち
)
の
糧
(
かて
)
を
乞
(
こ
)
ひ
歩
(
ある
)
く
難渋
(
なんじふ
)
の
学徒
(
がくと
)
である。おのれ
今
(
いま
)
、
忝
(
かたじけな
)
くも
尊
(
たふと
)
い
光景
(
けしき
)
を
観
(
み
)
、
幼児
(
をさなご
)
の
言葉
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
いた。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
ひどく
降
(
ふ
)
るな、
久
(
ひさ
)
しいあとに
親父
(
おやぢ
)
が
身延山
(
みのぶさん
)
へ
参詣
(
さんけい
)
に
行
(
い
)
つた時にやつぱり雪の
為
(
た
)
めに
難渋
(
なんじふ
)
して木の下で
夜
(
よ
)
を
明
(
あか
)
したとのことだがお
祖師様
(
そしさま
)
の
罰
(
ばち
)
でもあたつてゐるのかしら
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
出稼ぎして諸方を
彷徨
(
うろつ
)
いてゐた方が、ひもじい
想
(
おもひ
)
をしない、
寝泊
(
ねどま
)
りする処にも困らない。生れた村には
食物
(
くひもの
)
が
欠乏
(
たりな
)
くて
皆
(
みんな
)
が
難渋
(
なんじふ
)
してゐるけれど、
余処
(
よそ
)
は
其程
(
それほど
)
でもない。
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
黒く染めたる
頭髪
(
かみ
)
を
脂
(
あぶら
)
滴
(
したた
)
るばかりに結びつ「加女さん、今年のやうに
寒
(
かん
)
じますと、
老婆
(
としより
)
の
難渋
(
なんじふ
)
ですよ、お互様にネ——梅子さんの時代が
女性
(
をんな
)
の花と云ふもんですねエ——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
実
(
じつ
)
を
申
(
まを
)
すと
此処
(
こゝ
)
へ
来
(
く
)
る
途中
(
とちう
)
でも
其
(
そ
)
の
事
(
こと
)
ばかり
考
(
かんが
)
へる、
蛇
(
へび
)
の
橋
(
はし
)
も
幸
(
さいはひ
)
になし、
蛭
(
ひる
)
の
林
(
はやし
)
もなかつたが、
道
(
みち
)
が
難渋
(
なんじふ
)
なにつけても
汗
(
あせ
)
が
流
(
なが
)
れて
心持
(
こゝろもち
)
が
悪
(
わる
)
いにつけても、
今更
(
いまさら
)
行脚
(
あんぎや
)
も
詰
(
つま
)
らない。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
虫唾
(
むしづ
)
の走るほど厭になり候へども、秀林院様はさのみお嫌ひも遊ばされず、時には
彼是
(
かれこれ
)
小半日もお話相手になさること有之、その度にわたくしども奥女中はいづれも
難渋
(
なんじふ
)
仕り候。
糸女覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それからがく/″\して
歩行
(
ある
)
くのが
少
(
すこ
)
し
難渋
(
なんじふ
)
になつたけれども、
此処
(
こゝ
)
で
倒
(
たふ
)
れては
温気
(
うんき
)
で
蒸殺
(
むしころ
)
されるばかりぢやと、
我身
(
わがみ
)
で
我身
(
わがみ
)
を
激
(
はげ
)
まして
首筋
(
くびすぢ
)
を
取
(
と
)
つて
引立
(
ひきた
)
てるやうにして
峠
(
たうげ
)
の
方
(
はう
)
へ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
は
身延山
(
みのぶさん
)
へ
参詣
(
さんけい
)
に
参
(
まゐ
)
つた者ですが、雪の
為
(
た
)
めに
難渋
(
なんじふ
)
して
宿屋
(
やどや
)
もなにもないやうでございますが、まことに
何
(
ど
)
うも
御厄介
(
ごやくかい
)
でございませうが
今晩
(
こんばん
)
たゞ
夜
(
よ
)
を
明
(
あか
)
す
丈
(
だ
)
けでよろしうございます
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“難渋”の意味
《名詞》
難渋(なんじゅう)
すんなり事が進まないこと。
難儀すること。渋ること。
(出典:Wiktionary)
難
常用漢字
小6
部首:⾫
18画
渋
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“難渋”で始まる語句
難渋寺
難渋者