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邯鄲
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かんたん
ふりがな文庫
“
邯鄲
(
かんたん
)” の例文
盧生が
邯鄲
(
かんたん
)
というところで仙翁から枕を借りて
仮寝
(
うたたね
)
すると、
黄梁
(
こうりょう
)
の飯の出来上るまでに五十年の栄華の夢を見たという話でございます。
奇談クラブ〔戦後版〕:04 枕の妖異
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
邯鄲
(
かんたん
)
を金太郎。盧生夢さめてのところ、落寞たる感が場に漲った。これなど名手の演出というべきものであろう。かえりに、東品楼で食事。
日記:11 一九二五年(大正十四年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
しかしてかかる夢は普通にいう
邯鄲
(
かんたん
)
の夢でなくして、理想とも称すべきものであり、また人生の実際の一部となるものである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
『太平記』に唇亡びて歯また寒くは分って居るが、その次に魯酒薄うして
邯鄲
(
かんたん
)
囲まる、これには念の入った訳がある。
十二支考:06 羊に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
面
(
おもて
)
が一斉に眼を開けた。
邯鄲
(
かんたん
)
男、
痩
(
やせ
)
男、泥眼、不動、
弱法師
(
よろぼうし
)
、岩壁に懸けられて夢見ていた、二百の面が彼女を見た。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
男の覗いていたのはある有名な古物商の陳列窓で、そこの中央には
由
(
よし
)
ありげな
邯鄲
(
かんたん
)
男の能面が
鉄漿
(
おはぐろ
)
の口を半開にして、細い目で正面を睨んでいたという。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そして、
邯鄲
(
かんたん
)
の敵とまみえて、大激戦は展開されたが、
沮鵠
(
そこう
)
の大布陣も、ついに
潰乱
(
かいらん
)
のほかはなかった。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
渡辺華山
(
わたなべかざん
)
は
邯鄲
(
かんたん
)
という
画
(
え
)
を
描
(
か
)
くために、死期を一週間繰り延べたという話をつい
先達
(
せんだっ
)
て聞きました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは
邯鄲
(
かんたん
)
の歩みを学ばないうちに寿陵の歩みを忘れてしまい、
蛇行匍匐
(
だこうほふく
)
して帰郷したと云う「
韓非子
(
かんぴし
)
」中の青年だった。
今日
(
こんにち
)
の僕は誰の目にも「寿陵余子」であるのに違いなかった。
歯車
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
たとえば
邯鄲
(
かんたん
)
という曲に於て、主演者の盧生という人物が、能を終って引っこみがけに、自分の持っていた
団扇
(
うちわ
)
を、舞台に置き忘れたまま幕に入る型がある(通常は持って引っ込む)。
能とは何か
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
趙
(
ちょう
)
の
邯鄲
(
かんたん
)
の都に住む
紀昌
(
きしょう
)
という男が、天下第一の弓の名人になろうと志を立てた。
己
(
おのれ
)
の師と
頼
(
たの
)
むべき人物を物色するに、当今弓矢をとっては、名手・
飛衛
(
ひえい
)
に
及
(
およ
)
ぶ者があろうとは思われぬ。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
田忌
(
でんき
)
、
之
(
これ
)
に
從
(
したが
)
ふ。
魏
(
ぎ
)
、
果
(
はた
)
して
邯鄲
(
かんたん
)
を
去
(
さ
)
り、
齊
(
せい
)
と
桂陵
(
けいりよう
)
に
戰
(
たたか
)
ふ。((齊軍))
大
(
おほい
)
に
(四一)
梁
(
りやう
)
の
軍
(
ぐん
)
を
破
(
やぶ
)
る。
後
(
のち
)
十五
年
(
ねん
)
、
魏
(
ぎ
)
、
趙
(
てう
)
と、
韓
(
かん
)
を
攻
(
せ
)
む。
韓
(
かん
)
、
急
(
きふ
)
を
齊
(
せい
)
に
告
(
つ
)
ぐ。
齊
(
せい
)
、
田忌
(
でんき
)
を
將
(
しやう
)
として
往
(
ゆ
)
かしむ。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
泉殿
(
せんでん
)
に
擬
(
なぞら
)
へた、
飛々
(
とびとび
)
の
亭
(
ちん
)
の
孰
(
いず
)
れかに、
邯鄲
(
かんたん
)
の石の
手水鉢
(
ちょうずばち
)
、名品、と教へられたが、水の音より
蝉
(
せみ
)
の声。で、勝手に
通抜
(
とおりぬ
)
けの出来る茶屋は、昼寝の
半
(
なか
)
ばらしい。
何
(
ど
)
の座敷も
寂寞
(
ひっそり
)
して
人気勢
(
ひとけはい
)
もなかつた。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
謡曲『
邯鄲
(
かんたん
)
』に
江戸前の釣り
(新字新仮名)
/
三遊亭金馬
(著)
例の
盧生
(
ろせい
)
の
邯鄲
(
かんたん
)
の夢——
黄梁
(
こうりょう
)
の
饌
(
せん
)
の出来る間に五十年の栄華を夢みたという話なども、決して単なる偶話ではなく、私の
所謂
(
いわゆる
)
第四次元の世界を覗き
奇談クラブ〔戦後版〕:14 第四次元の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、察して、袁尚へ献言し、まず
檄
(
げき
)
を武安の
尹楷
(
いんかい
)
に送って、
毛城
(
もうじょう
)
に兵を籠め、兵糧をよび寄せ、また
沮授
(
そじゅ
)
の子の
沮鵠
(
そこう
)
という者を大将として、
邯鄲
(
かんたん
)
の野に大布陣をしいた。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは
邯鄲
(
かんたん
)
の歩みを学ばないうちに寿陵の歩みを忘れてしまひ、
蛇行匍匐
(
だかうほふく
)
して帰郷したと云ふ「
韓非子
(
かんぴし
)
」中の青年だつた。今日の僕は誰の目にも「寿陵余子」であるのに違ひなかつた。
歯車
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
行きつけの居酒屋「
樽万
(
たるまん
)
」で銘酒「
邯鄲
(
かんたん
)
」の
生
(
き
)
一本がキューと行ける筈なのに、要らざる処を通りかかって要らざる用事を引受けた
御蔭
(
おかげ
)
で、千里
一飛
(
ひとと
)
び、虎小走り一直線に大学へ行かねばならぬ。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ただふかすだけなら勘弁のしようもあるが、しまいには煙を輪に吹いて見たり、
竪
(
たて
)
に吹いたり、横に吹いたり、
乃至
(
ないし
)
は
邯鄲
(
かんたん
)
夢
(
ゆめ
)
の
枕
(
まくら
)
と
逆
(
ぎゃく
)
に吹いたり、または鼻から獅子の
洞入
(
ほらい
)
り、
洞返
(
ほらがえ
)
りに吹いたり。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
泉殿
(
せんでん
)
に
擬
(
なぞら
)
えた、
飛々
(
とびとび
)
の
亭
(
ちん
)
のいずれかに、
邯鄲
(
かんたん
)
の石の
手水鉢
(
ちょうずばち
)
、名品、と教えられたが、水の音より蝉の声。で、勝手に通抜けの出来る茶屋は、昼寝の半ばらしい。どの座敷も
寂寞
(
ひっそり
)
して
人気勢
(
ひとけはい
)
もなかった。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
謡曲の「
邯鄲
(
かんたん
)
」から取材した小説をかいたりしていた。
二つの庭
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
邯鄲
(
かんたん
)
の秋の午後は、
落葉
(
おちば
)
した木々の
梢
(
こずえ
)
を照らす日の光があってもうすら寒い。
黄粱夢
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
邯鄲
(
かんたん
)
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“邯鄲(邯鄲市)”の解説
邯鄲市(かんたん/ハンダン-し、邯郸、Hándān)は、中華人民共和国河北省南部に位置する地級市。京広線の沿線にあり、石炭業のほかセメント製造、鉄鋼業、紡績業、電子産業などが盛んであり、その交通の便から工業全体が伸びている。
戦国時代の趙の首府であり、日本ではとりわけ「邯鄲の夢」「邯鄲の歩み」の故事によって有名である。
(出典:Wikipedia)
邯
漢検1級
部首:⾢
8画
鄲
漢検1級
部首:⾢
15画
“邯鄲”で始まる語句
邯鄲師
邯鄲子
邯鄲淳
邯鄲之歩
邯鄲夢枕物語
邯鄲枕上盧生