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造
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こしら
ふりがな文庫
“
造
(
こしら
)” の例文
大湊は船を
造
(
こしら
)
えるところであり、またそれを修理するところであるから、ここに泊っている船は、この船とばかりは限らない。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
『空穀でも無いでやす——雀には食はれやしたが、しかし坊主(稲の名)が九分で、目は有りやすよ。まあ、一俵
造
(
こしら
)
へて掛けて見やせう。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「さあ、どうぞ、この家は私一人でございますから、御遠慮なさることはございません、そこへお掛けくださいまし、すぐ何か
造
(
こしら
)
えさしますから」
黄金の枕
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
佐吉さんは自分の家のお酒は飲みません。兄貴が
造
(
こしら
)
えて不当の利益を
貪
(
むさぼ
)
って居るのを、此の眼で見て知って居ながら、そんな酒とても飲まれません。
老ハイデルベルヒ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ただその家は草屋根ではあったけれども、普通の百姓家とはちょっと趣が違う。というのは、この家の窓はすべてガラス戸で西洋風な
造
(
こしら
)
え方なのである。
西班牙犬の家:(夢見心地になることの好きな人々の為めの短篇)
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
▼ もっと見る
伊作はある年の夏、橋の
畔
(
たもと
)
に小さな居酒屋を
造
(
こしら
)
えましたが、村には一軒も酒屋がなかったので、この居酒屋が大層
繁昌
(
はんじょう
)
してだんだん
儲
(
もう
)
かって行きました。
三人の百姓
(新字新仮名)
/
秋田雨雀
(著)
これには大庭家でも大分苦情があった、
殊
(
こと
)
にお徳は
盗棒
(
どろぼう
)
の入口を
造
(
こしら
)
えるようなものだと主張した。が、しかし
主人
(
あるじ
)
真蔵の
平常
(
かねて
)
の優しい心から遂にこれを許すことになった。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
そして、其又顏といつたら、蓋し是れ天下の珍といふべきであらう。唯極めて無造作に
凸凹
(
でこぼこ
)
を
造
(
こしら
)
へた丈けで醜くもあり、馬鹿氣ても居るが、
克
(
よ
)
く見ると實に親しむべき愛嬌のある顏だ。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「糸公か。あいつは、から
赤児
(
ねんね
)
だね。しかし兄思いだよ。狐の
袖無
(
ちゃんちゃん
)
を縫ってくれたり、なんかしてね。あいつは、あれで裁縫が上手なんだぜ。どうだ
肱突
(
ひじつき
)
でも
造
(
こしら
)
えてもらってやろうか」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「どうか、つばめが
巣
(
す
)
の
造
(
つく
)
られるように
場所
(
ばしょ
)
を
造
(
こしら
)
えてください。」
つばめの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
臺所に近い奧の部屋ではお婆さんや小母さんが
下婢
(
をんな
)
を相手にしてその草餅を
造
(
こしら
)
へる、私は出來たのを重箱に入れて貰つて近所へ配りに行きました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
では旅人に出すためだろうか、何のためにあんなことをして
造
(
こしら
)
えた餅を
喫
(
く
)
わするだろう、これには何か理由がなくてはならない。季和は恐ろしい気がした。
蕎麦餅
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
雲飛
(
うんぴ
)
先生
(
せんせい
)
涙
(
なみだ
)
の出るほど
嬉
(
うれ
)
しがり、
早速
(
さつそく
)
家
(
いへ
)
に
持
(
も
)
ち
歸
(
かへ
)
つて、
紫檀
(
したん
)
の
臺
(
だい
)
を
造
(
こしら
)
え之を
安置
(
あんち
)
した。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
そして、其又顔といつたら、
蓋
(
けだ
)
し是れ天下の珍といふべきであらう、唯極めて無造作に凸凹を
造
(
こしら
)
へた丈けで醜くもあり、馬鹿気ても居るが、
克
(
よ
)
く見ると実に親しむべき愛嬌のある顔だ。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
いかに三時が待遠しくても、
終
(
しまひ
)
にはその握飯の微かな臭氣が私の鼻に附いて了ひました。
折角
(
せつかく
)
丹精して
造
(
こしら
)
へることを思ふと、お婆さんの氣を惡くさせたくない。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
後の方に
旧
(
もと
)
の入口があるがね、そこは今物置に成てる。僕等が入って来たところは、先に住んだ人が新規に
造
(
こしら
)
えた入口だ。どうも、
酷
(
ひど
)
い住方をして行ったものサ。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「どうせこんなものを
造
(
こしら
)
えたって着て出る時は無いなんて、あの時はお前もそう言ったっけ」
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
馬場裏の往来に近く、南向の日あたりの好い障子のところに男や女の
弟子
(
でし
)
を相手にして、
石菖蒲
(
せきしょうぶ
)
、
万年青
(
おもと
)
などの青い葉に眼を楽ませながら
錯々
(
せっせ
)
と着物を
造
(
こしら
)
える仕立屋が居る。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
否
(
いいえ
)
、どう致しやして。家で
造
(
こしら
)
えやした
味噌漬
(
みそづけ
)
で、召上られるような
品
(
もの
)
じゃごわせんが」
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
お牧は
朴葉飯
(
ほゝばめし
)
といふものを
造
(
こしら
)
へて、庭にあつた廣い朴の木の葉に
鹽握飯
(
しほむすび
)
を包んで、それを私に呉れたものです。あの
氣
(
いき
)
の出るやうな、
甘
(
うま
)
い握飯の味は何時までも忘れられません。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかし、斯ういふ弁解は、いづれも後から
造
(
こしら
)
へて押付けたことで、それだから言へなかつたとは奈何しても思はれない。残念乍ら、丑松は自分で自分を欺いて居るやうに感じて来た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「房ちゃん、母さんが好い物を
造
(
こしら
)
えて来ましたよ——すこし飲んでみておくれな」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
寄宿舎で吹矢なぞを
造
(
こしら
)
えてこっそりとそれを持出しながら、その辺の谷から谷へと小鳥を追い歩いた寂しい日のあったことを思出した。ふと、思いもかけぬ美しいものが捨吉の
眼前
(
めのまえ
)
に
展
(
ひら
)
けた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と叔父夫婦は気を
揉
(
も
)
んで、暦を繰つて日を見るやら、
草鞋
(
わらぢ
)
の用意をして呉れるやら、
握飯
(
むすび
)
は三つも有れば沢山だといふものを五つも
造
(
こしら
)
へて、竹の皮に包んで、別に瓜の
味噌漬
(
みそづけ
)
を添へて呉れた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「どうで御座んすなア、籾の
造
(
こしら
)
え具合は」
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“造”の意味
《名詞》
(みやつこ) 古代の姓の一つ。渡来系技術者集団の統率者をはじめとする伴造)系の氏族に与えられた。そのうちの有力氏族の多くは天武朝に連に改姓された。
(出典:Wiktionary)
“造”の解説
造(みやつこ)とは、日本古代の姓。
(出典:Wikipedia)
造
常用漢字
小5
部首:⾡
10画
“造”を含む語句
構造
造作
製造
石造
創造
御新造様
御新造
木造
国造
新造
煉瓦造
造花
贋造
造化
粗造
酒造
末造
無造作
捏造
醸造
...