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とどろき
ふりがな文庫
“
轟
(
とどろき
)” の例文
機械
(
きかい
)
の
轟
(
とどろき
)
、
勞働者
(
ろうどうしや
)
の
鼻唄
(
はなうた
)
、
工場
(
こうば
)
の
前
(
まへ
)
を
通行
(
つうかう
)
する
度
(
たび
)
に、
何時
(
いつ
)
も耳にする響と聲だ。
決
(
けつ
)
して
驚
(
おどろ
)
くこともなければ、
不思議
(
ふしぎ
)
とするにも
足
(
た
)
らぬ。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
やがて
申刻
(
ななつ
)
少し前、この化物屋敷の興行元、
轟
(
とどろき
)
の
権三
(
ごんざ
)
は黒羽二重の紋付に、長いのを一本落して、蘭塔場の舞台にツイと出ました。
銭形平次捕物控:005 幽霊にされた女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかしそんな爆薬のホントウに集まる根城というのが、四国の土佐海岸だという事は、いかな
轟
(
とどろき
)
先生でも御存じなかったでしょう。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
逃げ出したのではない、
轟
(
とどろき
)
の源松これにありと知って、風を
喰
(
くら
)
って逃出しにかかったのでないことは、その気分ではっきりわかる。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その時、春雷の鳴ったような
轟
(
とどろき
)
が、大地を
揺
(
ゆ
)
りあげた。水の手の貯水池にはさざ波が立ち、空には黒煙がいちめんに濃く
漲
(
みなぎ
)
った。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
しかも、その痩身的な努力をみても、すでに法水自身が、水底の
轟
(
とどろき
)
に耳を傾けていた一人だったことは、明らかであると思う。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
その下には依然たる家屋、電車の
轟
(
とどろき
)
こそおりおり
寂寞
(
せきばく
)
を破って通るが、その妻の実家の窓には昔と同じように、明かに燈の光が輝いていた。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
室内は
寂然
(
ひっそり
)
した。彼の言は、
明晰
(
めいせき
)
に、口
吃
(
きっ
)
しつつも
流暢
(
りゅうちょう
)
沈着であった。この独白に対して、汽車の
轟
(
とどろき
)
は、一種のオオケストラを聞くがごときものであった。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
手欄
(
てすり
)
から下のほうをのぞいて見ると、すぐ目の下に、そのころ人の少し集まる所にはどこにでも顔を出す
轟
(
とどろき
)
という剣舞の師匠だか撃剣の師匠だかする
頑丈
(
がんじょう
)
な男が
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
やがて
二頭曳
(
にとうびき
)
の馬車の
轟
(
とどろき
)
が聞えると思うと、その内に
手綱
(
たづな
)
を
扣
(
ひか
)
えさせて、
緩々
(
ゆるゆる
)
お乗込になっている殿様と奥様、
物慣
(
ものなれ
)
ない僕たちの眼にはよほど
豪気
(
ごうぎ
)
に見えたんです。
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
各務
(
かがみ
)
房之丞、山東平七郎、
轟
(
とどろき
)
玄八、岡崎兵衛、藤堂粂三郎、山内外記、夏目久馬等全十七人の相馬の剣士を上座にすえて、手柄顔のつづみの与吉、それに主人役の鈴川源十郎
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そのときどこからともなく、ハイヤーの
滑
(
すべ
)
って来る
轟
(
とどろき
)
がして、表通りで
停
(
と
)
まったらしい。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
お前方が歩いて行った跡には
轟
(
とどろき
)
が残る。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
呂宋兵衛は、いましがた、
軍師
(
ぐんし
)
昌仙
(
しょうせん
)
と
物頭
(
ものがしら
)
の
轟
(
とどろき
)
又八が、すべての手くばりをしたようすなので、ゆうゆう、安心しきっているていだった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここへみごと
晒
(
さら
)
しにかけるまでの手柄を現わした、あの夜の名捕方——
轟
(
とどろき
)
の源松という勘定奉行差廻しの
手利
(
てき
)
きでありました。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
妻があり、子があり、世間があり、師弟の関係があればこそ
敢
(
あえ
)
て
烈
(
はげ
)
しい恋に落ちなかったが、語り合う胸の
轟
(
とどろき
)
、相見る眼の光、その底には確かに
凄
(
すさま
)
じい
暴風
(
あらし
)
が潜んでいたのである。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
市内大森区山王×××番地
轟
(
とどろき
)
九蔵氏(四四)は帝都呉服橋電車通、
目貫
(
めぬき
)
の十字路に
聳立
(
しょうりつ
)
する分離派式五層モダン建築、呉服橋劇場の所有主、兼、日本最初の探偵恐怖劇興行者、兼
二重心臓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「八——、だいぶ前の事だが、花川戸の
近江屋
(
おうみや
)
の娘が、
轟
(
とどろき
)
の
権三
(
ごんざ
)
という
香具師
(
やし
)
に
誘拐
(
かどわか
)
され、幽霊の見世物にされて殺されかけた事があったが、覚えているだろうな」(「幽霊にされた女」参照)
銭形平次捕物控:039 赤い痣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
第三に、
轟
(
とどろき
)
玄八。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
おりから、
望楼
(
ぼうろう
)
の上へ、かけあがってきたのは、
轟
(
とどろき
)
又八であった。
黒皮胴
(
くろかわどう
)
の
具足
(
ぐそく
)
に
大太刀
(
おおだち
)
を横たえ、いかにも、ものものしいいでたちだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「何のなにがしと名乗るような、気の利いた
奴
(
やっこ
)
ではございませんが、
轟
(
とどろき
)
の源松と申しまして、
東路
(
あずまじ
)
から渡り渡って、この里に追廻しの役どころを、つとめておりまする」
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
東両国に小屋を出した
目吉
(
めきち
)
の化物屋敷と、変死人見世物は、年代記物になるほどの人気を呼びましたが、奥山の化物屋敷は、それよりずっと前で、興行元は
轟
(
とどろき
)
の
権三
(
ごんざ
)
、四十そこそこの浪人者上がり
銭形平次捕物控:005 幽霊にされた女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
おひかえなさい
轟
(
とどろき
)
、敵をあなどることはすでに
亡兆
(
ぼうちょう
)
でござるぞ。伊那丸は有名なる
信玄
(
しんげん
)
の孫、兵法に
精通
(
せいつう
)
、つきしたがう
傅人
(
もりびと
)
もみな
稀代
(
きたい
)
の勇士ときく。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし、今晩のような夜空に、こんな
風
(
なり
)
をして、ここらを
彷徨
(
ほうこう
)
するということは大なる抜かりで、早くも
轟
(
とどろき
)
の源松の注視を受けたということは、大なる不覚と言わなければなりません。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
轟
(
とどろき
)
の
源松
(
げんまつ
)
という
腕利
(
うでき
)
きの岡っ引に少々
胆
(
きも
)
を冷やされているところがある。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
轟
漢検準1級
部首:⾞
21画
“轟”を含む語句
轟々
轟然
轟音
轟沈
踏轟
轟雷雄
喧轟
轟炸音
喧騒轟々
轟鐵夫君
轟郷右衛門
轟轟
轟落轟落
轟煙
胸轟
轟渡
轟家
轟天雷
轟大尉
轟四郎
...