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蹲
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うづく
ふりがな文庫
“
蹲
(
うづく
)” の例文
おつぎは
晝餐
(
ひる
)
の
支度
(
したく
)
の
茶
(
ちや
)
を
沸
(
わか
)
した。三
人
(
にん
)
は
食事
(
しよくじ
)
の
後
(
あと
)
の
口
(
くち
)
を
鳴
(
な
)
らしながら
戸口
(
とぐち
)
に
出
(
で
)
てそれから
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
の
陰
(
かげ
)
に
暫
(
しばら
)
く
蹲
(
うづく
)
まつた
儘
(
まゝ
)
憩
(
いこ
)
うて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私はその下に
蹲
(
うづく
)
まつた。私の周圍には高い草原が
土手
(
どて
)
をなしてゐた。岩は頭の上に蔽ひかぶさつてゐた。その上に蒼空があつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
彼は
蹲
(
うづく
)
まつて、小さい隊商を凝視した。さうして暫くの間、彼は彼等から子供らしい
楽
(
たのしみ
)
を得させられた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
と
曲
(
ま
)
げた
腰
(
こし
)
も
立
(
た
)
ちあへず、
石
(
いし
)
を
噛
(
か
)
む
齒
(
は
)
の
根
(
ね
)
に
蹲
(
うづく
)
まつた。
草
(
くさ
)
も
荒
(
あ
)
れ、
地
(
ち
)
も
破
(
わ
)
れて、
樹蔭
(
こかげ
)
を
洩
(
も
)
る
月
(
つき
)
斷々
(
きれ/″\
)
に、
骨
(
ほね
)
を
碎
(
くだ
)
いて
散
(
ち
)
らしたれば、
片輪車
(
かたわぐるま
)
の
影
(
かげ
)
を
倒
(
たふ
)
して、
輪𢌞
(
りんね
)
を
凄
(
すご
)
く
描
(
ゑが
)
ける
其
(
そ
)
の
状
(
さま
)
。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それも藤岡の祖父に
当
(
あた
)
る人は川ばたに
蹲
(
うづく
)
まれる
乞食
(
こじき
)
を見、さぞ寒からうと思ひし余り、自分も
襦袢
(
じゆばん
)
一枚になりて厳冬の縁側に坐り込みし為、とうとう風を引いて死にたりと言へば
学校友だち
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
それを聞いて一番驚いたのは、隅の方に
蹲
(
うづく
)
まつて居た、繩付の新吉でした。
銭形平次捕物控:037 人形の誘惑
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
又一人の我
臥床
(
ふしど
)
の下に
蹲
(
うづく
)
まりて、もろ手もて顏を掩へるあり。ロオザの我に一匙の藥水を
薦
(
すゝ
)
めつゝ熱は去れりと云ふ時、蹲れる人は
徐
(
しづ
)
かに起ちて室を出でんとす。われ。ララよ、暫し待ち給へ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
覇王樹
(
サボテン
)
の蔭に
蹲
(
うづく
)
みて日向ぼこせる洋館の病児の如く泣くもあり。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
蹲
(
うづく
)
まる。食器戸棚はあくどい慾に
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
私は言葉もなくそこに
蹲
(
うづく
)
まつた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
腰繩
(
こしなは
)
にて
引連
(
ひきつれ
)
られ
即日
(
そくじつ
)
の吟味となり願人淺草田原町小間物商賣花房屋彌吉同人妻粂并に淺草諏訪町家主組合長屋の者殘らず召出され一同白洲へ
呼込
(
よびごみ
)
になりしかば一番にお菊は腰繩にて引出され
砂利
(
じやり
)
に
蹲
(
うづく
)
まる時越前守殿
出座
(
しゆつざ
)
あつて願人花房屋彌吉同人妻粂と呼れ其方共願ひ出たる通り菊事
姑女
(
しうとめ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
非常に疲れて、ひどく空腹に苦しみながら、私は
脇道
(
わきみち
)
に外れて小徑に入り、
籬
(
まがき
)
の根元に
蹲
(
うづく
)
まつて了つた。が、暫くも經たぬ内にまた歩き出した。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ヅイと出た平次、縁側の下に
蹲
(
うづく
)
まる黒助を見下ろして斯う言ふのでした。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
法師は石畳みに
蹲
(
うづく
)
まつた儘、たつた一言返事をした。
六の宮の姫君
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
にほふともなく
在
(
あ
)
るとなく、
蹲
(
うづく
)
み居れば。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
教室の煖爐は、どれも、素早く、大きな少女たちが二列に取り卷き、そして、その
背後
(
うしろ
)
には、小さい子供たちが、痩せた兩手を前掛にくるんで、かたまつて
蹲
(
うづく
)
まつてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
棕櫚
(
しゆろ
)
の根に
蹲
(
うづく
)
む
媼
(
おば
)
よ。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“蹲(つくばい)”の解説
つくばい(蹲踞、蹲)とは、日本庭園の添景物の一つで露地(茶庭)に設置される。茶室に入る前に、手を清めるために置かれた背の低い手水鉢に役石をおいて趣を加えたもの。
(出典:Wikipedia)
蹲
漢検1級
部首:⾜
19画
“蹲”を含む語句
蹲踞
蹲居
蹲跼
蹲螭
落蹲
犬蹲
掻蹲
蹲石
蹲裾
蹲跪
蹲踞込
蹲躅
蹲込