赤面せきめん)” の例文
いちごいろ薔薇ばらの花、可笑をかしな罪の恥と赤面せきめんいちごの色の薔薇ばらの花、おまへの上衣うはぎを、ひとがみくちやにした、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
聞今さら何ともちんずべき樣なく赤面せきめん閉口へいこうなし甚だ恐れ入候旨答へければ大岡殿には彌々いよ/\以て申わけなきやと申さるゝに三人口を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ああ思慮しりょ知識ちしき解悟かいご哲学者てつがくしゃ自若じじゃく、それいずくにかると、かれはひたすらにおもうて、じて、みずか赤面せきめんする。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そこは所内の通路の上で、雨ふりの日のために、舗装道路ほそうどうろになっていた。ぼくは赤面せきめんした。もう何も考えまい。
もくねじ (新字新仮名) / 海野十三(著)
何しろひどい貧乏人の子なので、行儀作法ぎょうぎさほうも知らず、言葉なんかも下卑げすっぽい言葉しか知らず、ほんに赤面せきめんすることがあるんですが、余り可哀相でしてね、つい引きとってやったんですよ
平岡の話は先刻さつきから深い感動を代助に与へてゐたが、突然此思はざるとひとき、代助はぐつとつまつた。平岡の問は実に意表に、無邪気に、代助のむねこたへた。かれ何時いつになくすこ赤面せきめんして俯向うつむいた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あゝ思慮しりよ知識ちしき解悟かいご哲學者てつがくしや自若じゝやくいづくにかると、かれ只管ひたすらおもふて、ぢて、みづか赤面せきめんする。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
もらひしやはづかしとてかくすべからずと懇切ねんごろたづねられければ吉三郎赤面せきめんしながらおほせの如く相違さうゐこれなく候なほまた菊を御呼出しのうへ御尋おんたづね下さるべしと申に大岡殿やがて同心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ただ、自分の頭の悪さに赤面せきめんすることは、しばしばあった。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
紅百合べにゆり、身の潔白をなくして赤面せきめんした花、世心よごゝろづいた花。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
申なれば御武家の事ゆゑ浪人職らうにんしよくで劔術の道場を出すと云者か但し手習師匠てならひししやうでもなされては如何と云に市之丞は赤面せきめんの體にてまこと御恥おはづかしき事なるが劔術は甚だ未熟みじゆく竹刀しなへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
院長いんちょうおわりといには赤面せきめんして。『いや、あれは病人びょうにんです、しかし面白おもしろ若者わかもので。』とこたえた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
院長ゐんちやうをはりとひには赤面せきめんして。『いや、あれ病人びやうにんです、しか面白おもしろ若者わかもので。』とこたへた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
院長ゐんちやう玄關げんくわん外套ぐわいたう市役所しやくしよもんたが、これ自分じぶん才能さいのう試驗しけんするところ委員會ゐゐんくわいつたとはじめてさとり、自分じぶんけられた質問しつもんおもし、一人ひとりみづか赤面せきめんし、一しやううちいまはじめて
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
院長いんちょう玄関げんかん外套がいとう市役所しやくしょもんたが、これは自分じぶん才能さいのう試験しけんするところ委員会いいんかいであったとはじめてさとり、自分じぶんけられた質問しつもんおもし、一人ひとりみずか赤面せきめんし、一しょううちいまはじめて
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)