草刈くさかり)” の例文
暁に先立つて草刈くさかりに行く農夫の一人二人がそれを見つけて、村役場へ届ける。村役場では人足にんそくを出して堤防の修理をする。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
近づくと足を吸はれるので、いましめ合つてかなかつた。すい/\と小さな草は茂つても土刈馬方つちかりうまかたが寄りつかない位だから、草刈くさかりも入らなかつた。
筑波ねのほとり (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
かれ他人たにんやとはれてながら、草刈くさかりにでもとき手拭てぬぐひこん單衣ひとへものと三尺帶じやくおびとを風呂敷ふろしきつゝんでうま荷鞍にぐらくゝつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
大丈夫だいじやうぶだといふところで、望生ぼうせいに一たい如何どうしたのかとうてると、草刈くさかりながに、子供こどもて、去年きよねんくれ此處こゝ大穴おほあなけたのは、此人達このひとたちだとげたために、いくらお前達まへたちねこかぶつても駄目だめだと
草刈くさかり水汲みずくみいたします。おそばにいとう存じます。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とき彼等かれら窮迫きうはく極度きよくどたつしてたので胎兒たいじんだおふくろで七月墮胎だたいしてしまつた。それはまだあきあつころであつた。強健きやうけんなおしなは四五にちつとはやしなか草刈くさかりをしてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
はじめあさまだきにうままぐさの一かごるにすぎないけれど、くやうなのもとにはたやうやきまりがついて村落むらすべてがみな草刈くさかりこゝろそゝやうれば、わか同志どうしあひさそうてはとほはやし小徑こみちわけく。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)