うるは)” の例文
そしてその松の梢の空はヱメラルドのやうにうるはしかった。枕元に手をやって茫然と側にたゝずんで居た看護婦が、どこを見てゐたのか
青白き夢 (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
よ/\、おなまぼろしながら、かげ出家しゆつけくちよりつたへられたやうな、さかさまうつばりつるされる、繊弱かよは可哀あはれなものではい。真直まつすぐに、たゞしく、うるはしくつ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
何故なにゆゑに禁じられたる果実は味うるはしく候ふや。禁制は甘味かんみを添へ、破戒は香気を増す。谷川の流れを見給へ。
夜あるき (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
しかも年わかく、月の光を受けてかほの色凄きまで蒼白くうるはしきが一歩二歩歩み出たり。
野路の菊 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
海岸かいがんいわうへからはてしなき大海原おほうなばらながめたり、いへうしろ椰子林やしばやしで、無暗むやみうるはしき果實くわじつたゝおとしたり、またはいへのこつてつた水兵すいへい案内あんないされて、荒磯あらいそのほとりで、海鼈うみがめつたりして
木理もくめうるはしき槻胴けやきどう、縁にはわざと赤樫を用ひたる岩畳がんでふ作りの長火鉢に対ひて話しがたきもなく唯一人、少しは淋しさうに坐り居る三十前後の女、男のやうに立派な眉を何日いつ掃ひしか剃つたる痕の青〻と
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
はれ、うるはしい行列ぢや。歌唄うておぢやるわ。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
ごもれる 倭し うるはし。 (歌謠番號三一)
いづれかうるはしからぬ自らがあらう?
水のほとりに (新字旧仮名) / 三富朽葉(著)
うるはしとこも
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あやうるはしき卷物まきもの
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
翌朝、久し振りにうるはしく晴れて水のやうな秋の光が、すべてを祝福するやうに流れてゐた。そして雨にぬれた木の葉がつやゝかに光ってゐた。
青白き夢 (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
追々には針を包みたるうるはしき詞にて、お客商売に殿御は禁物、殊には世上にお顔広き旦那様の、ここに居たまふ事人に知れては出入るお客の、気を置かるるもあるべきに、なるだけ人に
野路の菊 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
無惨むざんさまに、ふつと掻消かきけしたごとうるはしいものはえた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うるはしとこも
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
そして向ひ側の廊下がどんなにうるはしく見えて、白衣の人の姿がどんなに清らかだったらう。お葉は、初めて見た窓の外の景色はすべて感激にみちてゐた。
青白き夢 (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
大和やまとはもききうるは
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
大和やまとはもききうるは
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
うるはしの大和やまとや。
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
うるはしの大和やまとや。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)