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端艇
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ボート
ふりがな文庫
“
端艇
(
ボート
)” の例文
それから
端艇
(
ボート
)
は、上甲板の
手縁
(
レール
)
とおなじ線におろしておいてください。いや、すぐ降ろせるように。それから、水樽とビスケットを……
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
この時一人の兵士があわただしく駈け付けて来て、その紳士はたった今
端艇
(
ボート
)
に乗り込んで力限り向う岸へ漕いで行ったと報告した。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
日暮方の川の
面
(
も
)
には、中之島あたりから漕ぎ下つて來た貸
端艇
(
ボート
)
が、不規律にゆきかひ、うすら青い空には、蝙蝠がしきりに飛んでゐた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
たぶん、
端艇
(
ボート
)
を探し廻ろうというのだろう。だが、端艇は一艘も本船に残っていない。これに気がつくと、水夫は、
真蒼
(
まっさお
)
になって
顫
(
ふる
)
え上った。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
水車のある処で鈎を下していると、
小
(
ちいさ
)
い
端艇
(
ボート
)
が岸にあるのに気が付いた。誰も見ていないから、乃公は此端艇を借りて、
対岸
(
むこうぎし
)
へ行こうとした。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
三 もし各自割当の
端艇
(
ボート
)
を降ろすことが出来ない場合には、反対側の甲板上に御参集を願います。
踊る地平線:12 海のモザイク
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
今度は下の座敷に芸者を二人連れて泊っていた客が
端艇
(
ボート
)
を
漕
(
こ
)
ぎに出て来ました。この端艇はどこから持って来たか分りませんが、
極
(
きわ
)
めて小さいかつすこぶる危しいものです。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ブエノスアイレス丸ハ昭和十八年十一月廿七日米空軍ノ不法爆撃ニヨリ沈没、乗組看護婦約五〇名ガ
端艇
(
ボート
)
ニテ漂流中、十二月一日米機来襲赤十字旗ヲ認メ得ル高度ヨリ掃射セリ。
ノア
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
秋草には
束髪
(
そくはつ
)
の美人を聯想すなど考えながらこゝを出でたり。腹痛ようやく止む。
鐘
(
かね
)
が
淵
(
ふち
)
紡績
(
ぼうせき
)
の
煙突
(
えんとつ
)
草後に
聳
(
そび
)
え、右に白きは大学のボートハウスなるべし、
端艇
(
ボート
)
を乗り出す者二、三。
半日ある記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
一
米突
(
メートル
)
——二
米突
(
メートル
)
——三
米突
(
メートル
)
——
端艇
(
ボート
)
ならば
少
(
すくな
)
くも
半艇身
(
はんていしん
)
以上
(
いじやう
)
我
(
わ
)
が
船
(
ふね
)
を
乘越
(
のりこ
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
予
(
よ
)
はいよ/\
嬉
(
うれ
)
しくて
堪
(
たま
)
らず、
川面
(
かわづら
)
は水も見えぬまで、
端艇
(
ボート
)
其他
(
そのた
)
の
船
(
ふね
)
並
(
なら
)
びて
其
(
そ
)
が
漕開
(
こぎひら
)
き、
漕
(
こ
)
ぎ
廻
(
まは
)
る
有様
(
ありさま
)
、
屏風
(
びやうぶ
)
の
絵
(
ゑ
)
に見たる
屋島
(
やしま
)
壇
(
だん
)
の
浦
(
うら
)
の
合戦
(
かつせん
)
にも
似
(
に
)
て勇ましゝ、
大尉
(
たいゐ
)
が
大拍手
(
だいはくしゆ
)
大喝采
(
だいかつさい
)
の
間
(
あひだ
)
に
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
『もうたくさんだ。いくら
目星
(
めぼ
)
しいからって洗いざらい持って行かれるものじゃあない。自動車も待っておるんだ。さあ
端艇
(
ボート
)
に乗ろうよ』
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
五
艘
(
そう
)
の
端艇
(
ボート
)
は、早朝から、海霧を破って猟に出かけるが、夜半には、いずれも満船して戻ってくる。船長はじめ、乗組員たちはハリ切っている。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
途端
(
とたん
)
に向うの
舳
(
へさき
)
は余の眼を
掠
(
かす
)
めて過ぎ去りつつ、
逼
(
せま
)
りつつ、とうとう中等甲板の
角
(
かど
)
の所まで行ってどさりと当った。同時に甲板の上に釣るしてあった
端艇
(
ボート
)
が二
艘
(
そう
)
ほどでんぐり返った。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
淀川へ上る舟、河口へ下る舟の絶え間無い間を縫つて方々の貸舟屋から出る小型の
端艇
(
ボート
)
が、縱横に漕廻る。近年運動事は東京よりも遙かにさかんだから、女でも貸端艇を漕ぐ者が頗る多い。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
端艇
(
ボート
)
は廻りながら流れる。岸では人が大勢で大声を揚げて騒いでいる。けれども乃公は急流の真中にいるのだから、
如何
(
どう
)
したくてもしてくれようがない。
其中
(
そのうち
)
に乃公は
眉間
(
みけん
)
が痛くなって、目を
瞑
(
つむ
)
った。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
端艇競漕
(
ボートレース
)
は
本職
(
ほんしよく
)
の
事
(
こと
)
だから
流行
(
はや
)
るのも
無理
(
むり
)
は
無
(
な
)
いが、
大事
(
かんじん
)
の
端艇
(
ボート
)
は
甞
(
かつ
)
て
起
(
おこ
)
つた
大颶風
(
だいぐふう
)
の
爲
(
た
)
めに
大半
(
たいはん
)
紛失
(
ふんしつ
)
してしまつたので、
今
(
いま
)
殘
(
のこ
)
つて
居
(
を
)
るのは「ギク」一
隻
(
さう
)
、「カツター」二
隻
(
さう
)
で、
櫂
(
オール
)
も
餘程
(
よほど
)
不揃
(
ふぞろひ
)
なので
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
五
端艇
(
ボート
)
内に手荷物お持ち込みの儀は堅くお断り致します。
踊る地平線:12 海のモザイク
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
ルパンは
端艇
(
ボート
)
の漕ぎ出したのを見とどけてから、再び
邸
(
やしき
)
へ引き返して玄関を通ると、ふと事務室の方に当って人声が聞えた。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
果して、汽笛の音を聞きつけると、
彼方
(
かなた
)
の入江、
此方
(
こなた
)
の島影から、
端艇
(
ボート
)
が姿を現わし、本船目指して
漕
(
こ
)
ぎ寄せてくる。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
三四郎は元来あまり運動
好
(
ず
)
きではない。
国
(
くに
)
に居るとき
兎狩
(
うさぎがり
)
を二三度した事がある。それから高等学校の
端艇
(
ボート
)
競争のときに
旗振
(
はたふり
)
の役を勤めた事がある。其時青と赤と間違へて振つて大変苦情が出た。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
淫賣だといふ噂のある娘と相乘で
端艇
(
ボート
)
に乘る位の洒落氣もあるし、段々氣心が知れて見れば、見かけの
怖
(
こは
)
らしい程の事は無く、存外優しくて親切らしいところもあると思ひかけてゐたところだから
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
平素
端艇
(
ボート
)
操練を行う場合には、予めお知らせ致します。
踊る地平線:12 海のモザイク
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
級の上にいるものを見て、なんだ点取がと云って威張っていたくらいである。そうして、
稍
(
やや
)
ともすると、我々はポテンシャル・エナージーを養うんだと云って、むやみに牛肉を喰って
端艇
(
ボート
)
を
漕
(
こ
)
いだ。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
艇
常用漢字
中学
部首:⾈
13画
“端艇”で始まる語句
端艇競漕
端艇架
端艇競争
端艇十四櫂