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瑞々
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みずみず
ふりがな文庫
“
瑞々
(
みずみず
)” の例文
彼は着物を通じて、彼女の両肩や乳房のあたりのはり切った
瑞々
(
みずみず
)
しい肉体になやまされるのだ。白い頬など、つやつやして輝いている。
第二の接吻
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
セリグマンとかいう世界的な元老の作品の
頁
(
ページ
)
と並んで載っているむす子の厳格な詩的な
瑞々
(
みずみず
)
しい画に
就
(
つ
)
いては何の疑いもなかった。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
彼女がそこへ押し伏せられたら、彼女の処女性は
穢
(
けが
)
されるであろう。その
瑞々
(
みずみず
)
しく滑らかな肌は、男の汗で濡れなければならない。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ああ、ここにこれが、とめぐり合いのよろこばしい感じで心を打って来る刹那の
瑞々
(
みずみず
)
しさは、作品の世界の一般に欠乏している。
人生の共感:求められる文学について
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
艶姿
(
えんし
)
にはなお、
瑞々
(
みずみず
)
と垂れるようなものがあったが、廉子ももう聞きわけのない妙齢ではない。女性の三十一であった。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
夏の烈しい日光に照らされて匂う高声の誇らしさを、天分の
瑞々
(
みずみず
)
しさで少しく
和
(
やわら
)
げている。そのような笑いかたである。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
あどけない
瑞々
(
みずみず
)
しい頬、エジナ島で見い出されたジュノーの像のように丈夫な首、しっかりしてまたしなやかな首筋
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「旦那は
年齢
(
とし
)
が年齢だ。なあ、それにお前さんはその
瑞々
(
みずみず
)
しさ。そこはこちとらも察しが届くが、それにしても久松留守たあよくも
謀
(
たくら
)
んだもんさのう。」
釘抜藤吉捕物覚書:03 三つの足跡
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
私の全身は
瑞々
(
みずみず
)
しい歓びと感激にあふれて来るのを感じた。彼も満足そうに微笑を浮べながら私を見守った。
光の中に
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
それにこの暗さを
被
(
おお
)
う化粧土さえも用いた歴史がなく、また
釉薬
(
うわぐすり
)
も色の
冴
(
さ
)
えた
瑞々
(
みずみず
)
しいものを用いたためしがなく、ただ赤土をうすく
溶
(
と
)
いて、これに灰を
交
(
ま
)
ぜ
多々良の雑器
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
瑞々
(
みずみず
)
しいなめらかな莢の中で、ザビーネの指先に出会った。彼女の指も震えていた。二人はもうつづけることができなかった。たがいに眼をそらしてじっとしていた。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
物語りする刀自たちの話でなく、若人らの言うことは、時たま、世の中の
瑞々
(
みずみず
)
しい
消息
(
しょうそこ
)
を伝えて来た。奈良の家の女部屋は、裏方五つ間を通した、広いものであった。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
十二三年も前に、日本橋
倶楽部
(
クラブ
)
で初めてその人を見た時は、彼女も若かったが、踊りも
瑞々
(
みずみず
)
していた。次第に彼女は新しい主題を取り扱い、自身の境地を
拓
(
ひら
)
いて行った。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
愛想がよくて、お喋りの主婦は、客あしらいがいいというので評判だった。二人の可愛らしい娘がよく客を迎えに出て来た。どちらも金髪で、薔薇の花のように
瑞々
(
みずみず
)
しかった。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
署長は両の眼を
瑞々
(
みずみず
)
しく光らしながら厳粛な調子で、併し抱き取るような口調で云った。
三稜鏡:(笠松博士の奇怪な外科手術)
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
瑞々
(
みずみず
)
と結い上げてやったお六の頭が見るも浅ましくところ
斑
(
まんだら
)
に天保銭ほどの禿になっている。
白癬
(
しらくも
)
頭のお
腫
(
でき
)
のあとのようにも見えるし台湾坊主の出来そこないみたいにも見える。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
あの
瑞々
(
みずみず
)
しい松の
一葉
(
ひとは
)
一葉、青い甍の一枚一枚、白い壁の隅々、あの石垣の一個一個までも、こうした日本民族の真実心の象徴に外ならぬではないかとしみじみ思い知りました。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
あんな往来にあるのなんかより、もっと美しい
瑞々
(
みずみず
)
しい若葉を出してるし、秋には真黄色になって、庭一杯落葉が散り敷く。いくら枝を刈り込んでも、すくすくと威勢よく伸び上ってゆく。
公孫樹
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
それと同時に新らたに甦生したもののような
瑞々
(
みずみず
)
しさと、いかにも自信に充ち滿ちた樣子をもって姿をあらわすことになったので、みんなは直ちに彼の一時の落伍を許してくれたのである。
永遠の夫
(旧字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
で、その幽霊の頸のまわりや背中を下に垂れ下がっていた髪の毛は、
年齢
(
とし
)
の
所為
(
せい
)
でもあるように白くなっていた。しかもその顔には一筋の皺もなく、皮膚は
瑞々
(
みずみず
)
した盛りの
色沢
(
つや
)
を持っていた。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
このごろは心にくつろぎが出来て、
瑞々
(
みずみず
)
して、何しろ私のこれまでの一生に只一度もつけたことのない題をつける位ですから。
獄中への手紙:04 一九三七年(昭和十二年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
現在の殻から一時でも逃れて
瑞々
(
みずみず
)
しい昔の青春に戻ろうと努めているらしいその願いが如何にも本能的で切実なものであるのに私の心は動された。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
その目は
揚々
(
ようよう
)
と輝き、その
瑞々
(
みずみず
)
しい頬には笑いが浮かんでいた。一人は
栗
(
くり
)
色の髪で、一人は
褐色
(
かっしょく
)
の髪をしていた。その無邪気な顔は驚喜すべきものだった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
これも表現の上から見れば、水中の草葉・
瑞々
(
みずみず
)
しい葉などを修飾句に据えたものと考えていたのらしい。変った考えでは、みつはは水走で、
禊
(
みそ
)
ぎの水の
迸
(
ほとばし
)
る様だとするのもある。
水の女
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
砲弾に
頂
(
いただき
)
を削り去られた
樺
(
かば
)
の木にも、
下枝
(
しずえ
)
いっぱいに
瑞々
(
みずみず
)
しい若芽が、芽ぐんできた。
勲章を貰う話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
自分を楽しませた後に、
室
(
むろ
)
の港へもってゆけば、
大金
(
おおがね
)
になる女だ、しかも今夜のは、やんごとなき
上﨟
(
じょうろう
)
の君で、年ばえも
瑞々
(
みずみず
)
しく、
金釵
(
きんさ
)
紅顔という
唐
(
から
)
の詩にある美人そのままの上玉だ、ぬかるなよ
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そしてひとりでに程よく波うっている髪にふちどられた大柄な
瑞々
(
みずみず
)
しい顔だちの上で目を瞬くような表情をした。
杉子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
石も多いがしかしそれに生え越して
瑞々
(
みずみず
)
と茂った、赤松、
樅
(
もみ
)
、
山毛欅
(
ぶな
)
の林間を抜けて峯と峯との間の鞍部に出られた。そこはのびのびとしていて展望も利いた。
富士
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
その気運を迎えているこの晩会った少壮史学家たちには、ちょっと文壇人の若いグループには見られないような何か
瑞々
(
みずみず
)
しい気概が感じられた。ぼくにとっても、愉快なまた意義のある一夕だった。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
じゃが、お身がその年になっても、まだ
二十
(
はたち
)
代の若い心や、
瑞々
(
みずみず
)
しい顔を持って居るのは、宋玉のおかげじゃぞ。まだなかなか隠れては歩き
居
(
お
)
る、と人の噂じゃが、嘘じゃなかろう。身が保証する。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
静岡をすぎるともう
瑞々
(
みずみず
)
しさが不足でしたが。お母さんも私も、予想よりずっと疲れず東京に着きました。
獄中への手紙:06 一九三九年(昭和十四年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
多可子はこの病には若くて
瑞々
(
みずみず
)
しい者ほど抵抗力がないと云った医師の言葉を思い出して暗然とした。
勝ずば
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
と、
瑞々
(
みずみず
)
しい眉に、ふと
愁
(
うれ
)
いを見せながらいった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
新聞——伸子はうけて来た許りの様々の印象で
瑞々
(
みずみず
)
しく輝いていた眼の中に微かな硬さを浮べた。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
おまえの姿は可憐にも
瑞々
(
みずみず
)
しく盛上っている。そしてどのように置き代えてもちゃんとして格式の見える身体の据りに躾けで鍛えられて来たわたしの趣味の嗜慾は礼拝歓喜する。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
その体温が自分の皮膚にもつたわる良人としての重吉を、この時ほどひろ子が
瑞々
(
みずみず
)
しく、そしてひしと感じたことはなかった。妻たる自分のこの手の指、この足が重吉につながっている。
播州平野
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
それらすべては青年から壮年へと送られた重吉の獄中の十二年が、彼の人間らしい
瑞々
(
みずみず
)
しさにとって、どんなに乾いたものであり、胃袋と同じくいつもひもじいものであったかを知らした。
風知草
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
すらりと、簡素で、しかもしんは
瑞々
(
みずみず
)
しいという日々がつくられるようにしましょうねえ。極めて実際的によく組立てられて、妙なもやもやのない、やっぱり私たちらしい生活にしましょうねえ。
獄中への手紙:08 一九四一年(昭和十六年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
と
瑞々
(
みずみず
)
しく愛くるしい若さで云わなかっただろう。
女の歴史:そこにある判断と責任の姿
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
瑞
漢検準1級
部首:⽟
13画
々
3画
“瑞”で始まる語句
瑞西
瑞典
瑞
瑞祥
瑞兆
瑞巌寺
瑞穂
瑞枝
瑞気
瑞木