かり)” の例文
ある国の王さまが、大きな森のなかで、かりをしたことがありました。王さまは、一ぴきけものをみつけて、むちゅうで追って行きました。
魯の哀公あいこうが西のかた大野たいやかりして麒麟きりんた頃、子路は一時衛から魯に帰っていた。その時小邾しょうちゅの大夫・えきという者が国にそむき魯に来奔した。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
王子は、かりをしているうち、森の中で道にまよって、一けんの炭焼小屋にとまって、チーズや黒パンをたべさせてもらったことなどを話しました。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
れ——達人たつじんは——」声はいさゝかふるえて響きはじめた。余は瞑目めいもくして耳をすます。「大隅山おおすみやまかりくらにィ——真如しんにょつきの——」弾手は蕭々しょうしょうと歌いすゝむ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
くもくらし、くもくらし、曠野あらの徜徉さまよかり公子こうしが、けものてら炬火たいまつは、末枯うらがれ尾花をばな落葉おちばべにゆるにこそ。
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
またあるとき野原のはらかりに出かけますと、こうからきつねが一ぴき出てました。
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
これから僕は僕だけでかりをする、僕の殺して来た獣の肉はえこひいきなしに皆に分けてもらいたい、村の弱い人たちに、弱いからというので、ひどい分け方をするようなことをしてもらいたくない
負けない少年 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
「どうだい。まるでかりをしているようだろう?」
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
それは、まい日、まい日、野あそびに出る、かりに行く、つりをする、ダンスの会だの、夜会やかいだの、お茶の会だのと、目のまわるようなせわしさでした。
青ひげ (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
さて、ある日、王さまが、れいのかりに出かけてるすなのをさいわい、お妃はこの肌着をもって森に出かけました。おだまきが道しるべしてくれました。
たう玄宗げんそうみなみかたかりす。百官ひやくくわん司職ししよくみなこれにしたがなかに、王積薪わうせきしんふもの當時たうじ名手めいしゆなり。おなじく扈從こじうしていて蜀道しよくだういたり、深谿しんけい幽谷いうこくあひだにして一軒家いつけんや宿やどる。いへしうとよめ二人ふたりのみ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この王子は、眠っている王女の一ぞくが、とうに死にたえて、そのあとに代って来たべつの王家の王子で、その日はちょうど、そのへんにかりに出かけて来たかえり道なのです。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
こんなふうで、かなりながいことすぎましたが、そのうち、この国の王さまが、森でかりをするということがはじまって、りょうしたちが、ひいさまののっている木のちかくにやって来ました。