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満
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ふりがな文庫
“
満
(
みた
)” の例文
旧字:
滿
彼の心は
事業
(
しごと
)
の方へ向いた。その自分の気質に適した努力の中に、何物を
以
(
もっ
)
ても
満
(
みた
)
すことの出来ない心の空虚を
充
(
みた
)
そうとしていた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
一般の英国人は
其
(
それ
)
等の点に
仏蘭西
(
フランス
)
人程の興味を持つて居ないらしく、一
時
(
じ
)
の
嗜欲
(
しよく
)
を
満
(
みた
)
せば
足
(
た
)
ると云つた風に食事の時間迄が何となく
忙
(
せは
)
しげだ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
しかし目に見えない将来の恐怖ばかりに
満
(
みた
)
された女親の狭い胸にはかかる
通人
(
つうじん
)
の放任主義は到底
容
(
い
)
れられべきものでない。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そしてそれは殆んど空間で
満
(
みた
)
されているといっていい、つまり物質の容積とか体積とかいうものは、結局はカラである
宇宙爆撃
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
美濃
(
みの
)
の国の
六
竜泰寺
(
りようたいじ
)
に
七
一夏
(
いちげ
)
を
満
(
みた
)
しめ、此の秋は奥羽のかたに住むとて、旅立ち給ふ。ゆきゆきて
下野
(
しもつけ
)
の国に入り給ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
▼ もっと見る
自己の
満
(
みた
)
しがたい欲望と美しい花のような世界といかになり行くかを知らぬ自己の将来とを考える時は、いつも暗いわびしいたえがたい心になった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
女の
唇
(
くちびる
)
は
堅
(
かた
)
く結ばれ、その眼は重々しく静かに
据
(
すわ
)
り、その
姿勢
(
なり
)
はきっと正され、その面は深く沈める必死の勇気に
満
(
みた
)
されたり。男は
萎
(
しお
)
れきったる様子になりて
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
我々の生活を
満
(
みた
)
している無数のつまらぬ出来事を一々列挙するとせば、毎日少くも一巻を要すであろう。
意慾的創作文章の形式と方法
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
貨幣の不足は紙幣によっても
満
(
みた
)
され得ないであろう、けだし貨物としての金の価値を左右するものは紙幣ではなく、紙幣の価値を左右するものは金であるからである。
経済学及び課税の諸原理
(新字新仮名)
/
デイヴィッド・リカード
(著)
私は此処まで書きながら、私も母の望みを
満
(
みた
)
そうと、そんな考えを起した事が一再ならずあったので、この思いたちが
突飛
(
とっぴ
)
ではない、全く無理もないことだと肯定する。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
女は憲一の気もちを
硬
(
こわ
)
ばらさないようにと勤めている
容
(
ふう
)
であった。憲一もいくらか気もちがほぐれて来た。憲一は思いきってそれを飲んだ。すると少女がすぐ
後
(
あと
)
を
満
(
みた
)
した。
藤の瓔珞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
けれど、栄達と名声と、彼の昨今には、彼を
満
(
みた
)
すものが充分だった。さらには、尊氏追討のもう一段階もひかえている。彼の失意も
空洞
(
うつろ
)
とまではならずに忘れかけていた。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
縁の上も、床の前も、机の際も、と見ると
芳
(
かんばし
)
い草と花とで
満
(
みた
)
されているのである。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
金三郎は娘の顔に母親の昔の俤を
見出
(
みいだ
)
して、娘の亭主と争ってそれを連れ出し、三十七年前の母親のお染の名を
名乗
(
なのら
)
せて小牛田に泊り、その時の
満
(
みた
)
されない恋の遊戯をそのままくり返したのだろう
奇談クラブ〔戦後版〕:17 白髪の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
今度は比較的量は少なかつたが、それでも両手の
窩
(
あな
)
をほとんど
満
(
みた
)
した。それでやつと病人は落着いたやうだつた。彼女は洗面台へ手を洗ひに立つた。水の音を聞くと村瀬はむつくりと半身をもたげた。
青いポアン
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
バナナのエボレットを
飾
(
かざ
)
り
菓子
(
かし
)
の
勲章
(
くんしょう
)
を胸に
満
(
みた
)
せり。
饑餓陣営:一幕
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
然
(
しか
)
し目に見えない将来の
恐怖
(
きようふ
)
ばかりに
満
(
みた
)
された
女親
(
をんなおや
)
の
狭
(
せま
)
い胸には
斯
(
かゝ
)
る
通人
(
つうじん
)
の
放任
(
はうにん
)
主義は
到底
(
たうてい
)
容
(
い
)
れられべきものでない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
夫人にはたとい夫があり子供があったとしてもまだ一度も愛の満足を得ていなかったという意味で、結婚したことのない婦人ともいえると説き、彼女の
満
(
みた
)
されなかったもの
芳川鎌子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
鞺々
(
とうとう
)
と流れる渓流に
脛
(
すね
)
を洗われながら、一人の若者が
鉤鈎
(
かぎばり
)
をつけた三尺ばかりの棒を巧みに
操
(
あやつ
)
ってぴらりぴらりと
閃
(
ひら
)
めく
山女
(
やまめ
)
を引ッかけては、見る見る間に
魚籠
(
びく
)
を
満
(
みた
)
していた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
言様
(
いいよう
)
のないさびしさと、期望しても期望しても
満
(
みた
)
されない
佗
(
わび
)
しさがあった。
旧聞日本橋:08 木魚の顔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
“満”の解説
満(みつる)は、吉本興業に所属していたお笑いコンビ。1994年11月結成。2000年3月解散。
(出典:Wikipedia)
満
常用漢字
小4
部首:⽔
12画
“満”を含む語句
充満
肥満
円満
満々
満潮
満足
満干
金満家
満洲里
丑満
満腹
大兵肥満
肥満漢
満員
籬外草満地
満更
満腔
満洲
丑満時
飽満
...