歸京ききやう)” の例文
新字:帰京
何時いつともいてないがね。なにしろとほからぬうちには歸京ききやうつかまつるべくさふらふあひだいてあるから、もうぢきかへつてるんだらう」
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
じつ以前いぜんに、小山内をさないさんが一寸ちよつと歸京ききやうで、同行いつしよだつた御容色ごきりやうよしの同夫人どうふじん、とめさんがお心入こゝろいれの、大阪遠來おほさかゑんらい銘酒めいしゆ白鷹はくたかしか黒松くろまつを、四合罎しがふびん取分とりわけて
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
坪井博士つぼゐはかせは、正午過しやうごすぎ、用事ようじため歸京ききやうされたので、あと大野助手おほのぢよしゆ主任しゆにん監督かんとくしてると、午後ごご時頃じごろいたつて、船町倉次郎ふなまちくらじらう受持うけもち山麓さんろくから、多數たすう圓石まるいし發見はつけんした。
で、私は妹のその大事なからだをいたはるために歸京ききやうの旅路を急がずに、今度は行きと道をへて札幌と大沼公園にそれぞれに一泊しながら、函館市外の湯の川温泉に着いたのは十三日だつた。
処女作の思い出 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
はれさくごと到着たうちやくしてると、新聞連しんぶんれん今日けふすくない。坪井博士つぼゐはかせ歸京ききやう準備じゆんびをしてられる。博物館はくぶつくわんからは、和田氏わだし一人ひとりだけだ。しかし、高等野次馬かうとうやじうま非常ひじやうおほい。
とほからぬうちには歸京ききやうつかまつるべく候間さふらふあひだうだつてふの」といた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
くして四ごろ發掘はつくつめ、同邸どうていし、公爵こうしやく汽車きしやにて歸京ききやうせられ、博士はかせ水谷氏みづたにしとは、とも權現臺ごんげんだい遺跡ゐせきまはり、それから、わが太古遺物陳列所たいこゐぶつちんれつじよ立寄たちよつて、飯田氏いひだし採集品さいしふひんを一けん
つて歸京ききやうせられた。