横臥わうぐわ)” の例文
卯平うへい横臥わうぐわしたまゝでおつぎがんだときなかつた。おつぎがふたゝこゑけて開墾地かいこんちてからもかれしばらものう身體からだ蒲團ふとんからおこさなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
山の斜面しやめんに露宿をりしことなればすこしも平坦へいたんの地を得す、為めに横臥わうぐわする能はず、或は蹲踞するあり或はるあり、或は樹株にあしささへてするあり
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
各〻又我が火焚き塲の傍にあつまり座して且つだんじ且つくらひ、けば即ち横臥わうぐわして漁獵の夢抔をむしびしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
「これは/\、御揃おそろひで御散歩でらつしやいまするか、オヽ、『黒』さんも御一緒ですか」と、芝生に横臥わうぐわせる黒犬にまで丁重に敬礼す、是れなん其仁そのじん、獣類にまで及べるもの
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
女房にようばう横臥わうぐわすることも苦痛くつうへないで、んだ蒲團ふとんかゝつてわづかせつない呼吸いきをついてた。胎兒たいじかしめたみづ餘計よけいたまつたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
大食の習慣しふかん今日にいたりても未だ全くきうふくせざるなり、食事おはればれいにより鹽原巡査の落語らくごあり、衆拍手して之をく、為めにらうなぐさめて横臥わうぐわすれば一天すみの如く、雨滴うてき点々てん/\木葉を乱打らんだし来る
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
與吉よきちにはかいきほひづいた。かれ時々とき/″\卯平うへいそばへもつた。卯平うへい横臥わうぐわした與吉よきち繃帶ほうたいこゝろいためた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
けうに乗じて横臥わうぐわすれば、時々笹蝨ささむしたいして眼をますあり、痛痒つうしやう頗るはなはだし、之れささを臥床となすを以て、之に寄生せるむしひ来れるなり、夜中吉田署長きうに病み、脉搏みやくはく迅速にして発熱はつねつ甚し
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)