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是程
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これほど
ふりがな文庫
“
是程
(
これほど
)” の例文
唯あの男は素性が違ふといふだけでせう。それで職業も捨てなければならん、名誉も捨てなければならん——
是程
(
これほど
)
残酷な話が有ませうか。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
知人
(
しりびと
)
に
遇
(
あ
)
ひでもすると、
青
(
あを
)
くなり、
赤
(
あか
)
くなりして、
那麼
(
あんな
)
弱者共
(
よわいものども
)
を
殺
(
ころ
)
すなどと、
是程
(
これほど
)
憎
(
にく
)
むべき
罪惡
(
ざいあく
)
は
無
(
な
)
いなど、
云
(
い
)
つてゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
独逸は当初の予期に反して
頗
(
すこぶ
)
る強い。聯合軍に対して
是程
(
これほど
)
持ち
応
(
こた
)
へやうとは誰しも思つてゐなかつた位に強い。
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
又
床
(
ゆか
)
シカラン人ノ隠ンヲモ見テンズ、サレバ
是程
(
これほど
)
ノ宝ヤハアルベキ
蓑のこと
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
あゝ、穢多の
悲嘆
(
なげき
)
といふことさへ無くば、
是程
(
これほど
)
深く人懐しい思も起らなかつたであらう。是程深く若い
生命
(
いのち
)
を惜むといふ気にも成らなかつたであらう。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
彼
(
かれ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
は
是程
(
これほど
)
の
餘裕
(
よゆう
)
にすら
誇
(
ほこ
)
りを
感
(
かん
)
ずる
程
(
ほど
)
に、
日曜
(
にちえう
)
以外
(
いぐわい
)
の
出入
(
ではい
)
りには、
落
(
お
)
ち
付
(
つ
)
いてゐられないものであつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
友
(
とも
)
は
態々
(
わざ/\
)
休暇
(
きうか
)
を
取
(
と
)
つて、
恁
(
か
)
く
自分
(
じぶん
)
と
共
(
とも
)
に
出發
(
しゆつぱつ
)
したのでは
無
(
な
)
いか。
深
(
ふか
)
き
友情
(
いうじやう
)
によつてゞは
無
(
な
)
いか、
親切
(
しんせつ
)
なのでは
無
(
な
)
いか。
然
(
しか
)
し
實
(
じつ
)
に
是程
(
これほど
)
有難迷惑
(
ありがためいわく
)
の
事
(
こと
)
が
又
(
また
)
と
有
(
あ
)
らうか。
降參
(
かうさん
)
だ、
眞平
(
まつぴら
)
だ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
宗助
(
そうすけ
)
から
見
(
み
)
ると、
主人
(
しゆじん
)
は
書
(
しよ
)
にも
俳句
(
はいく
)
にも
多
(
おほ
)
くの
興味
(
きようみ
)
を
有
(
も
)
つてゐた。
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
に
是程
(
これほど
)
の
知識
(
ちしき
)
を
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
へ
貯
(
たくは
)
へ
得
(
え
)
らるゝかと
思
(
おも
)
ふ
位
(
くらゐ
)
、
凡
(
すべ
)
てに
心得
(
こゝろえ
)
のある
男
(
をとこ
)
らしく
思
(
おも
)
はれた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
だから何となく奥歯に物が挾まつて居るやうで、其晩書いた丑松の手紙にも十分に思つたことが表れない。
何故
(
なぜ
)
是程
(
これほど
)
に慕つて居るか、其さへ書けば、他の事はもう書かなくても
済
(
す
)
む。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
御世話
(
おせわ
)
どころか、
萬事
(
ばんじ
)
不行屆
(
ふゆきとゞき
)
で
嘸
(
さぞ
)
御窮屈
(
ごきゆうくつ
)
で
御座
(
ござ
)
いましたらう。
然
(
しか
)
し
是程
(
これほど
)
御坐
(
おすわ
)
りになつても
大分
(
だいぶ
)
違
(
ちが
)
ひます。わざ/\
御出
(
おいで
)
になつた
丈
(
だけ
)
の
事
(
こと
)
は
充分
(
じゆうぶん
)
御座
(
ござ
)
います」と
云
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
文芸上の述作を生命とする余にとって
是程
(
これほど
)
難有
(
ありがた
)
い事はない、是程心持ちのよい待遇はない、是程名誉な職業はない、成功するか、しないか
抔
(
など
)
と考えて居られるものじゃない。
入社の辞
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もし余が徹頭徹尾「満韓ところどころ」のうちで、長塚君の気に入らない一回を以て終始するならば、
到底
(
とうてい
)
長塚君の「土」の為に
是程
(
これほど
)
言辞を費やす事は出来ない
理窟
(
りくつ
)
だからである。
『土』に就て:長塚節著『土』序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
事件が
是程
(
これほど
)
充実してゐる割に性格が出てゐないのが不思議である。著者はあれ
程
(
ほど
)
性格が書いてあれば沢山ぢやないかと云ふかも知れないが、余の云ふ性格は要吉の特色を指すのである。
『煤煙』の序
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
著者の選択した部分は、煤煙の骨子でない所から云へば、著者に取つて遺憾かも知れないが、安全と云ふ点から見れば
是程
(
これほど
)
安全な章はない。誰が読んだつて
差支
(
さしつかへ
)
ないんだから大丈夫である。
『煤煙』の序
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
是
常用漢字
中学
部首:⽇
9画
程
常用漢字
小5
部首:⽲
12画
“是”で始まる語句
是
是非
是等
是方
是迄
是丈
是々
是処
是認
是真