御覽ごらう)” の例文
新字:御覧
ロレ (傍を向きて)それはおそうせねばならぬ仔細わけが、此方こちわかってをらなんだらなア!……あれ、御覽ごらうぜ、ひめ此庵こゝにわせられた。
夜叉王 あつぱれとの御賞美ははゞかりながらおめがね違ひ、それは夜叉王が一生の不出來。よう御覽ごらうじませ。面は死んでをりまする。
修禅寺物語 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
武生たけふ富藏とみざう受合うはあひました、なんにしろおとまんなすつて、今夜こんや樣子やうす御覽ごらうじまし。ゆきむかまぬかが勝負しようぶでござります。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それですが時分じぶんわたし地位ちゐほかひといて御覽ごらうじろ、それはんなあきらめのよいさとつたおかたにしたところが、是非ぜひ此世このよなかつまらない面白おもしろくないもので、隨分ずゐぶんともひどい、つれない
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
殿との御覽ごらうじ、早速さつそく伺候しこう過分々々くわぶん/\御召おめしの御用ごよう御用ごようだけ、一寸ちよつと世辭せじくだかれ、てしか/″\の仔細しさいなり。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
自棄やけのやん八で度胸を据ゑた日にやあ、相手が大岡樣でもなんでも構はねえ、云うだけのことは皆んなべら/\云つて遣らあ。細工は流々りう/\、仕上げを御覽ごらうじろだ。
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
その戀姫こひびめどのと貫目くわんめくらべて御覽ごらうじたなら、いまいっゆるのが最早もはやうはえまいぞや。
幼君えうくんこれを御覽ごらうじて、うれしげにえたまへば、かのすゝめたる何某なにがし面目めんぼくほどこして、くだんかご左瞻右瞻とみかうみ、「よくこそしたれ」と賞美しやうびして、御喜悦おんよろこび申上まをしあぐる。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
奧州名物の信夫しのぶもぢずり、野田の玉川、あさかの沼、鹽釜櫻しほがまざくら御覽ごらうじたかなどと云ふ。こつちは得たり賢しと、勿體らしくこの歌を持ち出して、あき風ぞ吹く白河の關……。
能因法師 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
ベンヺ 質問きゝたゞして御覽ごらうじたことがござりますか?
あゝ、大分だいぶおそうござります。さあ、おしなさりまし。御存ごぞんじの、あのあか大蜈蚣おほむかでうねつた、さがふぢそろひの軒提灯のきぢやうちん御覽ごらうじながら、徐々そろ/\かへりなさいませんか。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)