御免下ごめんくだ)” の例文
ねがはれ何卒なにとぞわたく御役御免下ごめんくださるべしといはれしかば何故退役たいやくねがはるゝやと申さるゝに大岡殿此度このたび煙草屋たばこや喜八裁許さいきよちがとがなき者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わが日頃ひごろちかひそむくものなればおほせなれども御免下ごめんくだされたし、このみてするものはなきいやしきわざの、わが身も共々とも/″\牛馬ぎうばせらるゝをはぢともせず
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
けれども、まだ寒くてしようがない。いっそ湯にでも行って、元気をつけようと思って、手拭てぬぐいげて玄関へ出かかると、御免下ごめんくださいと云う吉田に出っ食わした。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
背戸せどつて御覽ごらんなさい、と一向いつかう色氣いろけのなささうな、腕白わんぱくらしいことをつてかへんなすつた。——翌日よくじつだつけ、御免下ごめんくださアい、とけたこゑをして音訪おとづれたひとがある。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その生徒は杖を捨てゝ涙を流し、御免下ごめんください、先生があまり熱心に忍耐を御説きなさるから、先生は実際どれ程忍耐が御出来になるか試したのです、とひざまずいてびた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
アヽ左様さやうかい、汁粉しるこくひたのか、それうも千萬せんばんかたじけないことだ、サ遠慮ゑんりよせずにこれからあがれ、履物はきものわきはう片附かたづけて置け。「へい。「サ此方こつちあがれ。「御免下ごめんくださいまして。 ...
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
へえ、よろしうございます。先「エー御免下ごめんください、おたのまうします。トしづか開戸ひらきどけなければいかない。小「へえー。先「エーおたのまうします/\。小僧こぞうは、ツト椅子いすはなれて小 ...
西洋の丁稚 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
某し見屆みとゞけたりサア出せ/\と詰寄つめよるに曲者は是非なく財布さいふより金子二分取出し然樣さやうならばと差出せしかばソレ見よ持てながら少しもなきなぞとまだ僞るは不屆至極ふとゞきしごくなりと云ながらにぎこぶしにて横樣よこさま擲倒はりたふさんとする故盜人は大いに恐れアヽ眞平まつぴら御免下ごめんくださるべしと平蜘ひらくもの如くになつて詫入わびいるにぞ半四郎は二分の金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)