徃復わうふく)” の例文
仕方しかたがないから、なほ三四くわい書面しよめん徃復わうふくかさねてたが、結果けつくわはいつもおなことで、版行はんかうしたやういづ御面會ごめんくわいせつかへしてだけであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
鬼怒川きぬがは徃復わうふくする高瀬船たかせぶね船頭せんどうかぶ編笠あみがさいたゞいて、あらざらしの單衣ひとへすそひだり小褄こづまをとつておびはさんだだけで、あめはこれてかたからけてある。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
河面かはづら対岸たいがんそらかゞや朝日あさひビールの広告くわうこくと、東武電車とうぶでんしや鉄橋てつけううへえず徃復わうふくする電車でんしや燈影ほかげてらされ、かしボートをわか男女だんぢよ姿すがたのみならず
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
宗助そうすけ此處こゝ訪問はうもんしたのは、十ぐわつすこのある學期がくきはじめであつた。殘暑ざんしよがまだつよいので宗助そうすけ學校がくかう徃復わうふくに、蝙蝠傘かうもりがさもちひてゐたこといま記憶きおくしてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
宗助そうすけ一封いつぷう紹介状せうかいじやうふところにして山門さんもんはひつた。かれはこれを同僚どうれう知人ちじんなにがしからた。その同僚どうれう役所やくしよ徃復わうふくに、電車でんしやなか洋服やうふく隱袋かくしから菜根譚さいこんたんしてをとこであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)