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いたけだか
ふりがな文庫
“
威丈高
(
いたけだか
)” の例文
威丈高
(
いたけだか
)
にわめき立てると、
執拗
(
しつよう
)
な上にも執拗に
挑
(
いど
)
みかかりましたので、等しく群衆がはらはらと手に汗をにぎった途端——。
旗本退屈男:01 第一話 旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
庸三も口をきいたが、黒須は腹にすえかねることがあるように、何か
威丈高
(
いたけだか
)
な態度で、金属のケイスから、両切りを一本ぬいてふかしていた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ズカズカと
茶袋
(
ちゃぶくろ
)
が一人入って来ました。入って来ると共に茶袋は、
店前
(
みせさき
)
に落ちていた紙片を手早く拾い取って、
威丈高
(
いたけだか
)
に店の者を
睨
(
にら
)
みつけます。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「その方はここをどこだと思う?
速
(
すみやか
)
に返答をすれば好し、さもなければ時を移さず、地獄の
呵責
(
かしゃく
)
に
遇
(
あ
)
わせてくれるぞ」と、
威丈高
(
いたけだか
)
に
罵
(
ののし
)
りました。
杜子春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「だってえ、おさらいといっても、僕は今日まだ、何にも先生にしてもらっていないんだもの。」と、鼻にかかった声でいうと、夫人はすぐ
威丈高
(
いたけだか
)
に
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
「シッ、静かに、その黒い男を見ましたな。」と、青腫れのした爺さんは
威丈高
(
いたけだか
)
になって、女を捕えようとした。
悪魔
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お約束が違いはしませんか……と、引きとめられた四人の侍は、一時に、作爺さんを振りかえって、
威丈高
(
いたけだか
)
——。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
交際
(
つきあ
)
えば悪びれた
幇間
(
ほうかん
)
になるか、
威丈高
(
いたけだか
)
な
虚勢
(
きょせい
)
を張るか、どっちか二つにきまっている。
瘠我慢
(
やせがまん
)
をしても
僻
(
ひが
)
みを立てて行くところに自分の本質はあるのだ。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ここで彼は、アカーキイ・アカーキエウィッチならずとも、ぎょっとしたに違いないような
威丈高
(
いたけだか
)
な声を張りあげながら、どしんと一つ足を踏み鳴らした。
外套
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
正してあんた
等
(
ら
)
知ったこッちゃない
放
(
ほ
)
ッといてと
威丈高
(
いたけだか
)
になって云ったわてほんまに
教
(
お
)
せてやってるねんで
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
とそういって
威丈高
(
いたけだか
)
になった倉地には葉子はもう目もくれなかった。愛子ばかりが葉子の目には見えていた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
新兵が古兵にトッチメられるように
威丈高
(
いたけだか
)
に
叱
(
しか
)
られたり、正月の年始が遅れたとか近火の見舞をいわなかったとかいうので勘気を
蒙
(
こう
)
むったりしたものもあった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
祖五郎はこれを受取り、
披
(
ひら
)
いて見ましたところ、頓と文意が分りませんから、祖五郎は
威丈高
(
いたけだか
)
になって
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と畳みたる枕を抱えながら立ち上る。そんなことを言わずに、これ、出してくれよと下から出れば、ここぞという
見得
(
みえ
)
に勇み立ちて
威丈高
(
いたけだか
)
に、私はお湯に参ります。
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
見ると受附は硝子窓の中に
威丈高
(
いたけだか
)
に突立って、自分を眼下に
睥睨
(
へいげい
)
している。自分は控所を出た。右へ折れて、廊下伝いに診察場へ上がったら、薬の
臭
(
におい
)
がぷんとした。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
威丈高
(
いたけだか
)
で、熱狂的で、祖師をも食ろうという末世の坊主にも甚だ似ているようにしか考えられぬ。
安吾史譚:01 天草四郎
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「宣戦を布告する……どんなものだろう?」と彼が肩をそびやかして
威丈高
(
いたけだか
)
になるのに対して
あめんちあ
(新字新仮名)
/
富ノ沢麟太郎
(著)
ミンナがいらだって、
威丈高
(
いたけだか
)
に答え返そうとすると、ケリッヒ夫人は事もなげに、もう他のことを言っていた。しかしその
刺
(
とげ
)
は残っていて、ミンナはそれに傷つけられた。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
判事は
威丈高
(
いたけだか
)
に云って、テーブルの下から、もみくちゃになった一枚の浴衣を取出し、幸吉の前に差出した。見ると、浴衣の袖や裾に、点々として黒い血痕が附着している。
鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
神職 (
発
(
あば
)
き出したる
形代
(
かたしろ
)
の
藁
(
わら
)
人形に、すくすくと釘の
刺
(
ささ
)
りたるを片手に高く、片手に鉄槌を
翳
(
かざ
)
すと斉しく、
威丈高
(
いたけだか
)
に
突立上
(
つッたちあが
)
り、お沢の
弱腰
(
よわごし
)
を
摚
(
どう
)
と
蹴
(
け
)
る)汚らわしいぞ!
罰当
(
ばちあた
)
り。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
閑子はそれが野村の決定的な欠点であるかのように
威丈高
(
いたけだか
)
な口を
利
(
き
)
いた。野村の手紙で閑子より先にあらましを知っていたのだが、聞いていてミネは、ますます絶望せずにいられなかった。
妻の座
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
私の前の
女中
(
ニウラ
)
のような十八、九の女が
威丈高
(
いたけだか
)
に声をかける。
踊る地平線:01 踊る地平線
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
船長ノルマンは、
威丈高
(
いたけだか
)
になって、竹見をきめつけた。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と
威丈高
(
いたけだか
)
になって迫りますと
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
が、不思議な感激と陶酔とに心の底までを腐らされていた雄吉は、
威丈高
(
いたけだか
)
になるばかりに
青木の出京
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
男はますます
威丈高
(
いたけだか
)
に、仁王立ちになって怒号しつづける。外の見物があの男をどうかしろと騒ぎ出す。おかげで折角の真打ちの語り物がとうとう滅茶々々にされてしまった。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
威丈高
(
いたけだか
)
になって、今しも、ムク犬を追って、外へ出ようとする犬殺しを呼び留めました。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そういって倉地は言葉の
激昂
(
げきこう
)
している割合に、また見かけのいかにも
威丈高
(
いたけだか
)
な割合に、充分の余裕を見せて、空うそぶくように打ち水をした庭のほうを見ながら
団扇
(
うちわ
)
をつかった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
磯五は、そういうお駒ちゃんの眼を無視して、ますます
威丈高
(
いたけだか
)
になっていった。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
しょせん逃げられないとさとった彼は、目を相手の上にすえると、たちまち別人のように、凶悪なけしきになって、
上下
(
じょうげ
)
の齒をむき出しながら、すばやく
鉾
(
ほこ
)
をかまえて、
威丈高
(
いたけだか
)
にののしった。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
鴎外の気質はおおよそ
呑込
(
のみこ
)
んでるから、
威丈高
(
いたけだか
)
に何をいおうと格別気にも留めなかったが、誰だか鴎外に注意したものがあったと見えて、その後偶然フラリと鴎外を尋ねると、私の顔を見るなり
鴎外博士の追憶
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
警部が
威丈高
(
いたけだか
)
に呶鳴りつけた。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
常陸介は
威丈高
(
いたけだか
)
になって、君が斯くまで言う甲斐のないお方であろうとは存じませなんだ、只今伏見へお越しなされたら、二度と都へはお帰りになれませぬ、高野へお登りなさるゝか
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
直也は、
吃々
(
きつきつ
)
とどもりながら、
威丈高
(
いたけだか
)
に
罵
(
ののし
)
った。が、荘田はビクともしなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
電灯の
灯
(
ひ
)
の下に
熟柿
(
じゅくし
)
のように赤くなってこっちを向いて
威丈高
(
いたけだか
)
になっていた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
二人の悪ざむらいは、
威丈高
(
いたけだか
)
になりました。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と、
威丈高
(
いたけだか
)
に罵りました。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
動
(
やや
)
ともするとおびえて胸の中ですくみそうになる心を励まし励まし彼れは巨人のように
威丈高
(
いたけだか
)
にのそりのそりと道を歩いた。人々は振返って自然から今切り取ったばかりのようなこの男を見送った。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
田山白雲が
威丈高
(
いたけだか
)
になりました。
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
威
常用漢字
中学
部首:⼥
9画
丈
常用漢字
中学
部首:⼀
3画
高
常用漢字
小2
部首:⾼
10画
“威丈”で始まる語句
威丈