奧行おくゆき)” の例文
新字:奥行
(いろは)のことなり、れば大廈たいか嵬然くわいぜんとしてそびゆれども奧行おくゆきすこしもなく、座敷ざしきのこらず三角形さんかくけいをなす、けだ幾何學的きかがくてき不思議ふしぎならむ。
神楽坂七不思議 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
見るに間口まぐちは六七間奧行おくゆきも十間餘土藏どざうは二戸前あり聞しにまし大層たいそうなるくらし成りければ獨心中に歡び是程の暮しならば我等一人ぐらゐどのやうにも世話してれるならんと小腰こごし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あな間口まぐちしやくすんに、奧行おくゆきしやくの、たかさ四しやく長方形ちやうはうけい岩室がんしつで、それにけたやう入口いりぐちみちがある。突當つきあたりに一だんたかところがあつて、それから周圍しうゐ中央ちうわうとにあさみぞつてある。
ならんだぜんは、土地とち由緒ゆゐしよと、奧行おくゆきをものがたる。突張つツぱるとはづれさうなたなから飛出とびだした道具だうぐでない。くらからあらはれたうつはらしい。御馳走ごちそうは——
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
八百兩にて請出うけいだよめとなし吉之助きちのすけ勘當かんだうをも免し目出度めでたく夫婦ふうふとして喜八夫婦には横山町よこやまちやう角屋敷かどやしき穀物店こくものみせに三百兩つけあたへ家主平兵衞へいべゑへはみぎ横山町よこやまちやう地面ぢめん間口まぐちけん奧行おくゆき十八けん怙劵こけん種々いろ/\音物いんもつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たくはへしが後には江戸えどへも見世みせを出さんととほ油町あぶらちやう間口まぐち十間奧行おくゆき新道迄しんだうまで二十間餘の地をかひ土藏どざうもあり立派りつぱなる大身代おほしんだいとなり番頭ばんとう若い者都合つがふ廿餘人に及びけることひとへに井筒屋茂兵衞が多分のよき得意とくい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
奧行おくゆきなしの牛肉店ぎうにくてん。」
神楽坂七不思議 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)