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奧行
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おくゆき
(いろは)のことなり、
唯見れば
大廈嵬然として
聳ゆれども
奧行は
少しもなく、
座敷は
殘らず
三角形をなす、
蓋し
幾何學的の
不思議ならむ。
見るに
間口は六七間
奧行も十間餘
土藏は二戸前あり聞しに
増て
大層なる
暮し成りければ獨心中に歡び是程の暮しならば我等一人
位何やうにも世話して
呉れるならんと
小腰を
穴は
間口七
尺五
寸に、
奧行八
尺の、
高さ四
尺、
長方形の
岩室で、それに
柄を
附けた
樣に
入口の
道がある。
突當りに一
段高い
處があつて、それから
周圍と
中央とに
淺い
溝が
掘つてある。
並んだ
膳は、
土地の
由緒と、
奧行をもの
語る。
手を
突張ると
外れさうな
棚から
飛出した
道具でない。
藏から
顯はれた
器らしい。
御馳走は——
貯へしが後には
江戸へも
見世を出さんと
通り
油町へ
間口十間
奧行は
新道迄二十間餘の地を
買土藏もあり
立派なる
大身代となり
番頭若い者
都合廿餘人に及びける
事偏に井筒屋茂兵衞が多分の
善得意を
「
奧行なしの
牛肉店。」