奥州おうしう)” の例文
旧字:奧州
ところで、随筆ずゐひついたはうは、初手しよてから筆者ひつしや用意よういふかい。これはまへにも一寸ちよつとつた。——奥州おうしう会津あひづ諏訪越中すはゑつちう大力だいりきひとあり。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
自分ばかりが博識ものしりがるものなり、菊塢きくう奥州おうしうよりボツト出て、堺町さかひてう芝居茶屋しばゐぢやや和泉屋いづみやかんらうかた飯焚めしたきとなり、気転きてんくより店の若衆わかいしゆとなり、客先きやくさき番附ばんづけくばりにも
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
わがともなる——そのが、みづからわたしはなした——のおはなしをするのに、ねんのため時間表じかんへうつてると、奥州おうしう白河しらかはいたのはよるの十二二十四ぷんで——
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
随筆ずゐひつはうは、奥州おうしう会津あひづ諏訪越中すはゑつちう大力だいりきひとありて、これは宙外ちうぐわいさんの猪苗代ゐなはしろから、山道やまみちだから面白おもしろい。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
奥州おうしう白石しらいし城下じやうかより一里半いちりはんみなみに、才川さいがはえきあり。才川さいがは町末まちずゑに、高福寺かうふくじといふてらあり。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかし、うもみません、だいこともありませんのに、奥州おうしう本松ほんまつふのは、昔話むかしばなしなにかでみゝについてたものですから、夢現ゆめうつゝ其処そことほつたやうにおもつたんです。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ところで、随筆ずゐひつ出処しゆつしよだとすると、なんのために、奥州おうしう越前ゑちぜんうつして、越中ゑつちう備中びつちうにかへたらう、ソレあるひは越中ゑつちうふんどしひゞいて、強力がうりき威厳ゐげんきづつけやうかの深慮しんりよたのかもはかられぬ。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)