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大廈
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たいか
ふりがな文庫
“
大廈
(
たいか
)” の例文
正義を守るこれ成功せしなり、正義より
戻
(
もと
)
るまた正義より脱する(たとい少しなりとも)これを失敗という、
大廈
(
たいか
)
空
(
くう
)
に
聳
(
そび
)
えて高く
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
(いろは)のことなり、
唯
(
と
)
見
(
み
)
れば
大廈
(
たいか
)
嵬然
(
くわいぜん
)
として
聳
(
そび
)
ゆれども
奧行
(
おくゆき
)
は
少
(
すこ
)
しもなく、
座敷
(
ざしき
)
は
殘
(
のこ
)
らず
三角形
(
さんかくけい
)
をなす、
蓋
(
けだ
)
し
幾何學的
(
きかがくてき
)
の
不思議
(
ふしぎ
)
ならむ。
神楽坂七不思議
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
弥之助は都会のどんな
大廈
(
たいか
)
高楼にも魅惑を感じないが、この原始的生活の植民情味というものには、渾身の魅惑を感じない訳には行かない。
百姓弥之助の話:01 第一冊 植民地の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「ラテラノ」の寺、丈長き
尖柱
(
オベリスコス
)
、「コリゼエオ」の
大廈
(
たいか
)
の
址
(
あと
)
、トラヤヌスの廣こうぢ、いづれか我舊夢を喚び返す
媒
(
なかだち
)
ならざる。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
村の旧家であるが貧困のために極度の節約をしてゐたので、がらんどうの
大廈
(
たいか
)
には火気と人の気配が感じられなかつた。
麓
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
「吉岡家も
廃
(
すた
)
ったなあ。やはり清十郎様、伝七郎様の二つの柱がもう抜けてしまったのだ。
大廈
(
たいか
)
の
覆
(
くつがえ
)
るとはこのことか」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
帝都の中央に大審院や司法省の
大廈
(
たいか
)
高楼が
巍然
(
ぎぜん
)
として立っているのを見、またこれを写真にとり絵端書などに造って誇っている世上のありさまを見て
理想的団体生活
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
爆
(
はじ
)
ける水の中で、群衆の先端と巡羅とが転がった。しかし、
大廈
(
たいか
)
の崩れるように四方から押し寄せた数万の群衆は、
忽
(
たちま
)
ち格闘する人の群れを押し流した。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
これを
喩
(
たと
)
えば、
大廈
(
たいか
)
高楼の盛宴に山海の珍味を
列
(
つら
)
ね、
酒池肉林
(
しゅちにくりん
)
の豪、
糸竹
(
しちく
)
管絃の興、善尽し美尽して客を饗応するその中に、主人は独り
袒裼
(
たんせき
)
裸体なるが如し。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
誰が
砥
(
と
)
にかけて
磨
(
みが
)
きいだしけん、老女が
化粧
(
けはひ
)
のたとへは凄し、天下一面くもりなき影の、照らすらん
大廈
(
たいか
)
も高楼も、
破屋
(
わらや
)
の板間の犬の
臥床
(
ふしど
)
も、さては
埋
(
う
)
もれ
水
(
みづ
)
人に捨てられて
琴の音
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
轟然たる物の
音響
(
ひびき
)
の中、頭を圧する幾層の
大廈
(
たいか
)
に挾まれた東京の大路を、
苛々
(
いらいら
)
した
心地
(
ここち
)
で人なだれに交つて歩いた事、両国近い
河岸
(
かし
)
の
割烹店
(
レストーラント
)
の窓から、目の下を飛ぶ電車、人車
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
時代に在って、人には無い。
大廈
(
たいか
)
の覆る時、一木はこれを支える力がない。時の運はその力その価なき匹夫にも光栄を担わせ、その才ありその心ある偉人にも失墜の恥辱を与える。
冬日の窓
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
だんだんそのいうところを聞くと、教育
云々
(
うんぬん
)
というのは第三次の考えで、大臣になりたいということは第二次の考えで、第一次的根本の考えは馬車に乗り
大廈
(
たいか
)
に
住
(
すま
)
いすることが理想なのである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
仁和寺
(
にんなじ
)
の十四
宇
(
う
)
の
大廈
(
たいか
)
と、四十九院の
堂塔伽藍
(
どうとうがらん
)
が
御室
(
おむろ
)
から
衣笠山
(
きぬがさやま
)
の峰や谷へかけて
瑤珞
(
ようらく
)
や
青丹
(
あおに
)
の建築美をつらね、時の文化の力は
市塵
(
しじん
)
を離れてまたひとつの
聚楽
(
じゅらく
)
をふやしてゆくのだった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
加州
(
かしう
)
金沢市
古寺町
(
ふるでらまち
)
に
両隣
(
りやうどなり
)
無
(
な
)
き
一宇
(
いちう
)
の
大廈
(
たいか
)
は、松山
某
(
なにがし
)
が、英、漢、数学の塾舎となれり。
旧
(
もと
)
は
旗野
(
はたの
)
と
謂
(
い
)
へりし
千石取
(
せんごくどり
)
の
館
(
やかた
)
にして、邸内に三件の不思議あり、
血天井
(
ちてんじよう
)
、
不開室
(
あかずのま
)
、庭の竹藪
是
(
これ
)
なり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
竜動
(
ロンドン
)
に
巍々
(
ぎぎ
)
たる
大廈
(
たいか
)
石室
(
せきしつ
)
なり、その市街に来往する肥馬軽車なり、公園の壮麗、寺院の宏大、これを作りてこれを維持するその費用の一部分は、遠く野蛮未開の国土より来りしものならん。
教育の目的
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
小栗上野
(
おぐりこうずけ
)
がある、
勝安房
(
かつあわ
)
がある、永井
玄蕃
(
げんば
)
も、水野
痴雲
(
ちうん
)
も、
向山黄村
(
むこうやまこうそん
)
、
川路聖謨
(
かわじせいぼ
)
、その他誰々、当時天下の人物としても恥かしい人物ではないが……なにぶん
大廈
(
たいか
)
の
覆
(
くつが
)
える時じゃ、
徒
(
いたず
)
らに近藤勇
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
洛陽の全殿
大廈
(
たいか
)
も
震
(
ふる
)
い崩るるような鳴動を時々耳に聞くのだという。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どうッと地鳴りが響いたら一朝のまに鎌倉の
大廈
(
たいか
)
は世にあるまい
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すでに、関門の
大廈
(
たいか
)
が、近々と彼方の
山峡
(
やまあい
)
に見えた頃である。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“大廈”の意味
《名詞》
大 廈(たいか)
大きな建物。
(出典:Wiktionary)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
廈
漢検1級
部首:⼴
13画
“大廈”で始まる語句
大廈高楼