“堂塔伽藍”の読み方と例文
読み方割合
どうとうがらん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれど、彼の求める真理のかぎはなかった。太子がひろめられた教令のかたちはあっても、いつか、真理のたましいはどこにも失われていた。堂塔伽藍どうとうがらんはぬけがらであった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
更にさかのぼって、保元平治の乱となり、両六波羅の滅亡となって、堂塔伽藍どうとうがらんも、仏像経巻も挙げて灰燼かいじんに帰するの日がなしと誰が断言する——不破の関守氏は仮りにその時を予想しているのである。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
叡山の堂塔伽藍どうとうがらんから坊舎楼門ぼうしゃろうもんのすべてと山王七社までを一夜に焼き払ったという信長が——と、信長のこころを、どう解していいかわからないような顔をしたものである。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)