)” の例文
みづか其斷そのだんゆうとせば、すなは(八七)其敵そのてきもつこれいからすかれ。みづか其力そのちからとせば、すなは(八八)其難そのなんもつこれ(八九)がいするかれ。
いつものように御馳走になった上ぶんのお礼を頂いて表に出ると、まだ日はかなり高かったがもう木之助には他をまわる気が起らなかった。
最後の胡弓弾き (新字新仮名) / 新美南吉(著)
モミヅは其頃行四段にも活用しそれをまた行に活用せしめた。「もみだひにけり」は時間的経過をも含ませている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
さうして下男げなんには、菱形ひしがたの四かくへ『』の合印あひじるしのいた法被はつぴせてくれた。兩掛りやうがけの一ぱうには藥箱くすりばこをさめ、の一ぱうには土産物みやげものはひつてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
会は大変もうかった。会は彼の功労を非常にとし、ついに千五百円を投げ出して、新邸宅を建てて彼に贈った。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
率八の労をとして膳の上を拭き代え、縁起払いにつけ直した酒をお粂自身の手でしゃくまでして与えながら
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
同じく衣を改めることを詠じながら、夏の更衣ころもがえと全然別の趣を捉えているのをとしなければならぬ。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
... どうかよろしく・……」「なんといふ名前です」「お師匠ししやうさん、わたしは年をつて物おぼえが悪くなつて、よくおぼえてりませぬが、なんでもく名前でしたが、忘れました」
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「御承知でもありませうが、吃りには行と行とは一番禁物なんですから。」
此故ハ幕府の敵たる長州薩州の間に往来して居との事なり。其事を聞る薩州屋敷の小松帯刀、西郷吉之助なども皆、大笑にてかへりて私が幕府のあわて者に出逢てはからぬ幸と申あひ候。
学育もとより軽々けいけい看過すべからずといえども、古今の教育家がみだりを予期して、あるいは人の子を学校に入れてこれを育すれば、自由自在に期するところの人物を陶冶とうやし出だすべしと思うが如きは
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
灸点横町きゅうてんよこちょう(神田佐久間町)のいちでございます」
「厭だよ、あちゃん。一々揚げ足を取る」
田園情調あり (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
虎は目鼻から血をき出す。うめきは全山を震撼しんかんする。さらに蹴る。打ちに打ちのめす。苦しさの余り虎は腹の下の土を掘った、虎のからだの両側に小山ができる……。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(一二)天下てんか管仲くわんちうけんとせずして、鮑叔はうしゆくひとるをとするなり