けい)” の例文
然れども帝黙然たることやや久しくして曰く、けい休せよと。三月に至って燕王国にかえる。都御史とぎょし暴昭ぼうしょう燕邸えんていの事を密偵して奏するあり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その中で馬岱ばたいは忠義諸人に超え、国の兵馬を託すに足る者ゆえ、いよいよ重く扱うたがいい。諸政の部門はけいがこれを統轄総攬とうかつそうらんされよ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
師曰くけいの志願妙なり必ずわれに先だちて得道すべし、得道せばわれをわするるなかれと、師と五百道士と涕泣して太子を送り崖頭に至れば
余輩よはいの村田翁の門下に教を請うや、翁従容しょうようとしてのたまわく、けいらの如き、石仏を麻縄にて縛りたる如き、究屈なる学問をなして、何の効かある。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
八月には、かしこきあたりのえつをたまい、太政大臣、諸けい、開拓次官ら相会して、ここに北海道開拓の新しい計画を定めた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
にや人倫五常の道にそむきてかへつて世に迎へられ人に敬はるるけいらが渡世たつきこそ目出度めでたけれ。かく戯れたまひし人もし深き心ありてのことならんか。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
衛に於ては顔讎由がんしゅうゆうやどとせり。弥子びしの妻と子路の妻とは兄弟なり。弥子、子路に謂いて曰く、孔子我をやどとせば、衛のけい得べきなりと。子路以て告ぐ。孔子曰く命ありと。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
太夫とは、支那周代の朝廷及諸侯の、国の官吏の階級の一、けいの下、士の上にくらいすとある。
牧塲に於て、けいが死するの時に、一同に牧塲に於てめるの際に、同時に執行すべし。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
けいの詩を善くすることを聞いた。近業があるなら見せて下さい」と云った。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「然り。諸所の駅路に高札を建てしめ、士をつのること急なり。けいもまた、げきに応じてきたれる偉丈夫なるか」と、いった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつて曰く、西北の辺務は、一にもっけいゆだぬと。其の材武称許せらるゝかくの如し。タメルランのきたらんとするや、帝また別におそるゝところあり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その復仇を中止して我をゆるしたればこそ我生き居るなれ、けいら悪意を生ぜざれとして一女を長摩納にめあわせ拘薩羅くさら国王に立てたとある(『出曜経』十一、『四分律』四三を参酌す)。
「快く承知してくれて有難い。ではこの書簡を孫権に捧げ、なおけいの才を以て、呉をうごかすことに努めてもらいたい」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ありし往時そのかみ、玉の御座みくら大政おほまつりごとおごそかにきこしめさせ玉ひし頃は、三公九けいかうべれ百官諸司袂をつらねて恐れかしこみ、弓箭きうぜん武夫つはもの伎能の士、あらそつて君がため心を傾ぶけ操を励まし
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「予は、つつがなく漢中へ退いた。殿軍しんがりの労を謝す。けいらまたつつがなく此処に来らんことを祈る」と、云い送った。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
王曰く、たま/\新瓜しんかを進むる者あり、けいと之をこころみんと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
遺孤みなしごの身も、国の後事も、一切をあげて託しておくが、もし劉禅が暗愚あんぐで蜀の帝王たるの資質がないとけいが観るならば、卿が帝位にいて、蜀を取れ」
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なに、わしを貴邸へ招いてくれるというのか。それは近頃、歓ばしいことである。けいは国家の元老、特にこの董卓を招かるるに、なんで芳志にそむこう」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「洛陽の王軍に、けいらのごとき勇将があることは、まだ寡聞かぶんにして聞かなかったが、いったい諸君は、なんという官職に就かれておるのか」と、身分をただした。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もし、けいらの来援がなければ、この城は、すでに今日は賊徒の享楽の宴会場になっていたであろう」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けいらは、何と悠長なお考えでおられるのか。将軍家がこの信長に頼られたのは、信長にって、京師の奸党かんとう三好松永の徒を一掃し、失地を奪回し、室町幕府の御家統を
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
われわれ土着の城主の意見など耳に入れようともせず——けいらの任は、槍先の働きである。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けいら、老朽の智者ども、このになお、何を惑うぞ。ただ信長につづけ。信長火に入らば火の中へ。信長水の中に入らんには水のそこへ。——さもなくば、あぜで、が行方を見物せい」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けいら、渇望かつぼうの水、飽くほど飲むべし。これやこれ、末期まつごの水ぞ)
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けいらは、予が、馬超を討つはかりごとがないのを笑うのであろう」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けいらは、そんなことを、本心からいわるるのか」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)