トップ
>
刃先
>
はさき
ふりがな文庫
“
刃先
(
はさき
)” の例文
悴はよくよく磨ぎたる大鎌を手にして近より来たり、まづ左の肩口を目掛けて薙ぐやうにすれば、鎌の
刃先
(
はさき
)
炉の上の火棚に引掛かりてよく斬れず。
遠野物語
(新字旧仮名)
/
柳田国男
(著)
熱
(
あつ
)
さに
堪
(
た
)
へぬ
火
(
ひ
)
の
側
(
そば
)
を
彼
(
かれ
)
は
飛
(
と
)
び
退
(
すさ
)
つて
又
(
また
)
立
(
た
)
つた。
彼
(
かれ
)
は
其
(
そ
)
の
刃先
(
はさき
)
の
鈍
(
にぶ
)
く
成
(
な
)
るのを
思
(
おも
)
ふ
暇
(
いとま
)
もなく
唐鍬
(
たうぐは
)
で、また
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る
木材
(
もくざい
)
を
引
(
ひ
)
つ
掛
(
か
)
けて
倒
(
たふ
)
さうとした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
そのうちに八つの
尾
(
お
)
の中の、中ほどの尾をお切りつけになりますと、その尾の中に何か
固
(
かた
)
い物があって、剣の
刃先
(
はさき
)
が、少しばかりほろりと欠けました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
侮
(
あなど
)
り切って刀へは手をかけず、脇差の抜打ちで払った
刃先
(
はさき
)
をどう
潜
(
くぐ
)
ったか、旅の男は
飛鳥
(
ひちょう
)
の如く逃げて行きます。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
寒い話では、鍬の
刃先
(
はさき
)
にはさまった
豆粒
(
まめつぶ
)
を噛みに来た鼠の舌が鍬に氷りついたまゝ死に、鼠を
提
(
さ
)
げると重たい
開墾
(
かいこん
)
鍬
(
ぐわ
)
がぶらり下ってもはなれなかった話。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
喘
(
あえ
)
ぐ呼吸は火焔のよう……殊に、その手に杖ついている鍬の
刃先
(
はさき
)
が、この数十日の砂掘り作業の如何に熱狂的に猛烈であったかを物語るべく、波形に薄く
磨
(
す
)
り減って
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
子供
(
こども
)
は、
川
(
かわ
)
ぶちまで
飛
(
と
)
んでくると、あひるは、いまにものどをくくられて
死
(
し
)
にそうな
悲
(
かな
)
しい
鳴
(
な
)
き
声
(
ごえ
)
をあげていました。
子供
(
こども
)
は、
刃先
(
はさき
)
の
鋭
(
するど
)
い
小刀
(
こがたな
)
で、
足
(
あし
)
を
縛
(
しば
)
った
繩
(
なわ
)
を
切
(
き
)
りました。
縛られたあひる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ですから
物
(
もの
)
を
打
(
う
)
ち
切
(
き
)
るためには
餘
(
あま
)
り
良
(
よ
)
く
切
(
き
)
れるものとは
思
(
おも
)
はれません。また
刃先
(
はさき
)
が
少
(
すこ
)
し
廣
(
ひろ
)
がつて
三味線
(
さみせん
)
の
撥
(
ばち
)
のようになつてゐるのもあり、
刃
(
やいば
)
を
一方
(
いつぽう
)
からつけた
鑿
(
のみ
)
のような
形
(
かたち
)
をしてゐるのもあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
倅
(
せがれ
)
はよくよく
磨
(
と
)
ぎたる大鎌を手にして近より来たり、まず左の肩口を目がけて
薙
(
な
)
ぐようにすれば、鎌の
刃先
(
はさき
)
炉
(
ろ
)
の
上
(
うえ
)
の
火棚
(
ひだな
)
に
引
(
ひ
)
っかかりてよく
斬
(
き
)
れず。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そのうちに肉屋はほうちょうをとぎおえて、
刃先
(
はさき
)
をためすために、そばの大きな肉のはしの、ざらざらになったところを、少しばかり切り落しました。そして
やどなし犬
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
あたりは、
穏
(
おだ
)
やかで、のどかでありました。くわの
刃先
(
はさき
)
が、ちかり、ちかりと
圃
(
はたけ
)
の
中
(
なか
)
から
見
(
み
)
えて、ひばりはあちらの
空
(
そら
)
でさえずっています。それは、もう
眠
(
ねむ
)
くなるのでありました。
からすの唄うたい
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
……この
切
(
き
)
っ
尖
(
さき
)
であんたの心臓をヒイヤリと刺しとおして、その血のついた
刃先
(
はさき
)
を
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その矛の
刃先
(
はさき
)
についた
潮水
(
しおみず
)
が、ぽたぽたと下へおちて、それが
固
(
かた
)
まって一つの小さな島になりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
刃
常用漢字
中学
部首:⼑
3画
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
“刃”で始まる語句
刃
刃傷
刃物
刃金
刃向
刃傷沙汰
刃物三昧
刃渡
刃交
刃尖