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函
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ばこ
ふりがな文庫
“
函
(
ばこ
)” の例文
でっぷり
肥
(
こ
)
えた中年の人間が——倉庫係のおじさんだ——ぼくたちのぎっしり
詰
(
つ
)
まっているボール
函
(
ばこ
)
を手にとって、
蓋
(
ふた
)
を明けたのだ。
もくねじ
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
残しては行かない、盗賊は純金製の齅煙草
函
(
ばこ
)
を盗めば中味の煙草も何も
皆
(
み
)
んな持って行く。金の鉛筆鞘にしても中の
心
(
しん
)
も何も皆な持って行く
作男・ゴーの名誉
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
千両
函
(
ばこ
)
、大福帳、
蕪
(
かぶ
)
、隠れ
蓑
(
みの
)
、隠れ
笠
(
がさ
)
、おかめの
面
(
めん
)
などの宝尽くしが張子紙で出来て、それをいろいろな
絵具
(
えのぐ
)
で塗り附ける。
幕末維新懐古談:42 熊手を拵えて売ったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「いや、消印はありません。というのは、郵便で送ったのではなく、誰かが表の郵便受
函
(
ばこ
)
へ投込んで行ったらしいのです」
黒手組
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
篏
(
は
)
めるのを遠慮するようになってから、それらの石を宝石
函
(
ばこ
)
に収めて命よりも大切にし、アパートへは持って来ないで幸子に保管を依頼していた
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
祖母は広い廊下を通って、おさい銭
函
(
ばこ
)
の横の一角の、参詣人が「お
蝋燭
(
ろうそく
)
」と階下から怒鳴ると、おーと返事をする坊さんたちの
溜
(
たま
)
りの方へいった。
旧聞日本橋:20 西川小りん
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
二千
函
(
ばこ
)
は遅れている。——監督は、これではもう今までのように「お
釈迦
(
しゃか
)
様」のようにしていたって駄目だ、と思った。
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
また丸網の針金に濾されて水と繊維とに分たれ、残された繊維はまた編まれて、吸水
函
(
ばこ
)
に入り、ここでいよいよ水分が除かれると、たちまちの間に
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
あんまりぽんぽん整理されて行くので、千恵も娘ごころに
寧
(
むし
)
ろ痛快なほどで、ある日お寝間の化粧
箪笥
(
だんす
)
のなかに最後にのこつた宝石
函
(
ばこ
)
を選りわけながら
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
状袋の
糊
(
のり
)
を
湿
(
し
)
めして、赤い切手をとんと
張
(
は
)
つた時には、愈クライシスに証券を与へた様な気がした。彼は
門野
(
かどの
)
に云ひ付けて、此運命の
使
(
つかひ
)
を郵便
函
(
ばこ
)
に
投
(
な
)
げ込ました。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
雨がちの天気で、早くから日が暮れると
鼠
(
ねずみ
)
がごそごそ
這
(
は
)
いのぼって、ボール
函
(
ばこ
)
の蔭へ隠れたりした。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
得てして郵便
函
(
ばこ
)
に投げこむのをわすれるものださうで、心理学者にいはせると、これにはいろ/\な
理由
(
わけ
)
があるらしいが、そんな事はどうでもいゝとして、この実業家は
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
が少女の方は、有名なセエラを
竊
(
ぬす
)
み見たりしたら、きっと叱られるとでも思ったらしく、まるでびっくり
函
(
ばこ
)
の中の人形のように、ひょこりと台所の中へ隠れてしまいました。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
天保十年(千八百三十九年)には林則徐
阿片
(
あへん
)
二万
函
(
ばこ
)
を焼き、その明年に及んで英清の戦争となり、同天保十三年(千八百四十二年)においては、英兵上海を抜き南京に
逼
(
せま
)
り
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
ハイ、ヤッとさむらいは千両
函
(
ばこ
)
を又一つ持って参りました。六平はもっともらしく又あらためました。これも小判が一ぱいで月にぎらぎらです。ハイ、ヤッ、ハイヤッ、ハイヤッ。
とっこべとら子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
水を入れたガラス
函
(
ばこ
)
がいくつも並んでいる。底に少しばかり砂を入れていろいろ
藻
(
も
)
が植えてある。よく見ると小さな魚がその藻草の林間を
逍遥
(
しょうよう
)
している。
瑪瑙
(
めのう
)
で作ったような
三分
(
ぶ
)
ぐらいの魚もある。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
殿様は山高帽、郵便
函
(
ばこ
)
を押し出したように、見返りもなさらない。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
秋晴の郵便
函
(
ばこ
)
や棒の先
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「これは……?」乙吉の受取ったのは、よく
鉱物
(
こうぶつ
)
の
標本
(
ひょうほん
)
を入れるのに使う平べったい
円形
(
えんけい
)
のボール
函
(
ばこ
)
で、上が
硝子
(
ガラス
)
になっていた。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
産気
(
さんけ
)
づいた彼女はしきりにニヤア/\云ひながら彼の後を追つて歩くので、サイダの
空
(
あ
)
き
函
(
ばこ
)
へ古い
座布団
(
ざぶとん
)
を敷いたのを押入の奥の方に据ゑて、そこへ抱いて行つてやると
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ビックリ
函
(
ばこ
)
だとか、本物とちっとも違わない、泥で作った菓子や果物だとか、蛇の玩具だとか、ああしたものと同じ様に、女の子を
吃驚
(
びっくり
)
させて喜ぶ
粋人
(
すいじん
)
の玩具だといってね。
二銭銅貨
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
けれどもたうとう、そのすきとほるガラス
函
(
ばこ
)
もこはれました。
十月の末
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
見ると縁側に絵の具
函
(
ばこ
)
がある。
描
(
か
)
きかけた水彩がある。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
課長は彼女がその湯呑を、いつもと同じに、
硯箱
(
すずりばこ
)
と
未決
(
みけつ
)
既決
(
きけつ
)
の書類
函
(
ばこ
)
との中間に置き終るまで、じっと見つめていた。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
産気
(
さんけ
)
づいた彼女はしきりにニャアニャア云いながら彼の後を追って歩くので、サイダの
空
(
あ
)
き
函
(
ばこ
)
へ古い
座布団
(
ざぶとん
)
を敷いたのを押入の奥の方に
据
(
す
)
えて、そこへ抱いて行ってやると
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
けれどもとうとう、そのすきとおるガラス
函
(
ばこ
)
もこわれました。
十月の末
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
秘密
函
(
ばこ
)
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と課長はいって、事件引継簿を書類
函
(
ばこ
)
の
既決
(
きけつ
)
の函の中へ、ばさりと投げ入れた。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“函(
箱
)”の解説
箱(はこ、函、筥、匣、筐)は、物を入れるための容器の一種。貨物輸送に関する国連勧告「Recomendations on the Transport of Dangerous Goods」では、箱は「金属、木、合板、再生木材、ファイバ板、プラスチックその他の適当な材料で作られた、完全な方形または多角形の面で構成された容器」と定義されている。
(出典:Wikipedia)
函
漢検準1級
部首:⼐
8画
“函”を含む語句
書函
函館
投函
函嶺
郵便函
空函
硝子函
函中
石函橋
石鹸函
弗函
小函
函数
函根
銭函
手函
紙函
函南
函迫
霧函
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