仕置しおき)” の例文
また羽地はねじ王子おうじ向象賢しょうしょうけんの『仕置しおき』を見ても、向象賢以前には時之大屋子ときのおおやこという覡がいて政府の御用を務めていたことがわかります。
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
隱亡をんばう彌十に頼み燒棄やきすてさせ候段不屆に付存命ぞんめい致しをり候はゞおもき御仕置しおきにもおほせ付らるべきところ鈴ヶ森に於て殺害せつがい致されしにより其つみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
眼のさとい李は忽ちにそれを看破かんぱして、揃いも揃った恩知らずめ、義理知らずめと、彼はまず周に対して残虐な仕置しおきを加えた。
女侠伝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お前もずいぶん、女子供を買って来て危ねえ芸当をさせて銭をもうける職業しょうべいに似合わねえ、あのくらいの仕置しおきが見ていられねえでどうする。
おそらく信長の後、天下の仕置しおきをなす者は彼ではないでしょうか。……武門には、敵のを討たず、という古言もある。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたくしちちにはひど仕置しおきをされました。わたくしちち苛酷かこく官員かんいんであったのです。が、貴方あなたのことをもうしてましょうかな。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
上げて、泉岳寺へ引上げ、お上のお仕置しおきを待っていられる。わしはその仲間に外れた。その仲間に外れたばかりでなく、人間の仲間からも外れてしまった!
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
ハイドンの悪戯いたずらは、マリア・テレジアにお仕置しおきされて以来、死ぬまで続いた。諧謔好かいぎゃくずきで、陽気で、邪念のないハイドンは、子供好きで有名でもあった。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
... 重き御仕置しおきに仰せつけられそうになりました」「まるで講釈見たようです事」「なかなかうまいでしょう。 ...
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
言ううちにも、お大尽がお仕置しおきにでもなッちや可哀そうだから、ひと肌ぬいでおくんなせえまし。
畢竟ひっきょう仕置しおきが柔弱であったためであると言うて、板倉四郎左衛門(後に伊賀守勝重)らに命じ、当時盗罪の罰は禁獄なりしにかかわらず、賭博をなす者は容赦なく捕えて
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
あたしたちはよろこんでお仕置しおきを受けますよ、ええ、——それを忘れないようにするんだね
醜聞 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
女房のおみねが己に取り付く事の出来ない所から、此の女に取付とッついて己の悪事を喋らせて、おかみの耳に聞えさせ、おれを召捕めしとり、お仕置しおきにさせてうらみをはらす了簡に違いなし
あるいは徒党の頭取になったものだけを木曾福島へ呼び出して、あの代官所で調べるぐらいのことはありましょうか。ナニ、それも以前のように、重いお仕置しおきにはしますまいよ。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
長政罪人を誅するに諸士に命じて見逢みあいに切り殺させらる、長政側近く呼んでその事を命じ命をけて退出する、その形気を次の間にある諸士察して仕置しおきをいい付けられたと知った
然るを加藤小西ごとき大将なれば血気の勇のみにて、仕置しおき一様ならず、朝鮮の人民日本の下知げち法度を信ぜずして、山林へ逃げかくれ、安堵の思なく、朝鮮の三道荒野となって五穀なし。
碧蹄館の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
平助もこのむごたらしい仕置しおきに身ぶるいして、自分の眼にも刃物を刺されたように痛んで来た。彼は溜息をつきながら訊いた。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
わたくしちゝにはひど仕置しおきをされました。わたくしちゝ苛酷かこく官員くわんゐんつたのです。が、貴方あなたことまをしてませうかな。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
立て是を仕置しおきす然れば及ずながら未來みらいは救ひも遣さうが現世の罪人を救う事は協はずと申さるれば三五郎は猶もかうべ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ええ、お父さんだって、そんなに母ちゃんが憎いのじゃないでしょうけれど、ああして、先に立って、母ちゃんのお仕置しおきをしなけりゃならないんですって。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ああ思い出した。では、利家様がまだ七尾御在城の頃、城下端れの茶店で、飢餓きがのあまりに、盗みをした浪人者の父子が、大勢の中で仕置しおきっていたのを
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
れは国相となる三年前、即ち慶安三年、はじめて沖縄の正史『中山世鑑ちゅうざんせいかん』を編纂して自国の歴史を教え、国相となってから『仕置しおき』を出してその政見を述べました
琉球史の趨勢 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
仕置しおきのある度に、何か嫌がらせな惡戯わるさをした事を思ひ付いて、この三年の間に、笹野新三郎の手掛けた事件で、無理な罪に落された者はないかと、いろ/\調べて見ましたが
お咎めに逢って、もしお仕置しおきになるものならなって死にたかったかもしれない。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
伴藏の持物もちものには不似合だ、ういう訳でこんな物を持っていると聞かれた日にゃア盗んだ事が露顕して、此方こっちがお仕置しおきに成ってしまわア、又質に置くことも出来ず、と云ってうちへ置いて
「どうせいつかはお仕置しおきになる躯だ、この土地でお繩になれば親の名にはくがつく、和泉の娘にも箔がつく、なにしろ子供じぶんからの許婚者だったからな、おめえも嫁にもれえ甲斐があるぜ」
霜柱 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「申しわけがございませぬ。大切な御士卒を、むごにあわせましたが、私事の怒りで仕置しおきはいたしませぬ」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで米友は、ついに盗人ぬすびとと、それから町を騒がしたという二つの罪でお仕置しおきを受けることになりました。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
誤つて殺害せつがいせしも畢竟ひつきやうは其と云懸いひかけしが口ごもり何事も皆前世の約束と斷念あきらめ居候得ば一日も早く御仕置しおき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「これだけの仕置しおきをさしておいて、二人あたまに十両はひどい」と、又蔵は不平らしく云った。
半七捕物帳:11 朝顔屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
酒、——さような幼児に六十万石の仕置しおきができると思うか。
文「はてわし仕置しおきのため御膳をあがらんのだわ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
右七箇年の間夜白よるひる尽精相勤候付国中之仕置しおき大方相調百姓至迄富貴に罷成候儀乍憚非独力哉と存候依之根気疲果候且復老衰〔難〕致勤仕時節到来候故断申候哀憐愍被思召赦免可被下候左候而幸に二三年も存命〔中略〕候はゞ本望不可過之存候縦拾年弐拾年相勤候人も僅此中之七箇年には
琉球史の趨勢 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
どんな重い仕置しおきをうけるかも知れないと恐れられて、彼はその場からすぐに逐電ちくてんしてしまった。
半七捕物帳:37 松茸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「よしよし、仕置しおきはさんざんすんでいるのじゃから、もうこのうえのこごとはいうまい」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雲哲 どうも仕置しおきが暴くなつて來た。縛つてしまふのはちつとひどいな。
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
「児戯? 何で正季の仕置しおきが児戯でしょうか」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おやおや、それはえらいお仕置しおきったな」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)