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両国橋
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りょうごくばし
ふりがな文庫
“
両国橋
(
りょうごくばし
)” の例文
旧字:
兩國橋
さて一同の目の前には天下の浮世絵師が幾人よって
幾度
(
いくたび
)
丹青
(
たんせい
)
を
凝
(
こら
)
しても到底描き
尽
(
つく
)
されぬ
両国橋
(
りょうごくばし
)
の夜の景色が現われ
出
(
いづ
)
るのであった。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私はただ、私の
俥
(
くるま
)
が
両国橋
(
りょうごくばし
)
の上を通る時も、絶えず口の中で
呟
(
つぶや
)
いていたのは、「ダリラ」と云う名だった事を記憶しているばかりなのです。
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
金太
(
きんた
)
と云う
釣好
(
つりずき
)
の
壮佼
(
わかいしゅ
)
があった。金太はおいてけ堀に鮒が多いと聞いたので釣りに
往
(
い
)
った。
両国橋
(
りょうごくばし
)
を渡ったところで、知りあいの老人に
逢
(
あ
)
った。
おいてけ堀
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
夜桜見物の帰りも絶えた、
両国橋
(
りょうごくばし
)
の中ほど、若い二人の
袂
(
たもと
)
を取って引戻したのは、本当に精一杯の仕事だったのです。
銭形平次捕物控:075 巾着切りの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
着物を着たまま
両国橋
(
りょうごくばし
)
の上から
隅田川
(
すみだがわ
)
へ飛込んだのと、もう一度は、ある百貨店の屋上から飛降りようとして、居合せた刑事に帯を掴まれて果さなかったのとである。
江川蘭子
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
「……そうおっしゃるとございました。古いことでつい忘れて居りました。もう五年前、私が盗みを始めた頃でございます。
両国橋
(
りょうごくばし
)
の上で、身投げをしようとする老人を助けました」
奉行と人相学
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
ある時
両国橋
(
りょうごくばし
)
の上で彼女は四十あまりの如何にも汚ない風をした
立
(
たち
)
ン
坊
(
ぼう
)
に会うた。つく/″\其顔を見て居た彼女は、立ン坊に向い、好い仕事があるかと聞いた。立ン坊は無いと答えた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ひと
目
(
め
)
でいい、ひと
目
(
め
)
でいいから
会
(
あ
)
いたいとの、
切
(
せつ
)
なる
思
(
おも
)
いの
耐
(
た
)
え
難
(
がた
)
く、わざと
両国橋
(
りょうごくばし
)
の
近
(
ちか
)
くで
駕籠
(
かご
)
を
捨
(
す
)
てて、
頭巾
(
ずきん
)
に
人目
(
ひとめ
)
を
避
(
さ
)
けながら、この
質屋
(
しちや
)
の
裏
(
うら
)
の、
由斎
(
ゆうさい
)
の
仕事場
(
しごとば
)
を
訪
(
おとず
)
れたおせんの
胸
(
むね
)
には
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
それですから
善女
(
ぜんにょ
)
が
功徳
(
くどく
)
のために
地蔵尊
(
じぞうそん
)
の
御影
(
ごえい
)
を刷った
小紙片
(
しょうしへん
)
を
両国橋
(
りょうごくばし
)
の上からハラハラと流す、それがケイズの
眼球
(
めだま
)
へかぶさるなどという今からは想像も出来ないような
穿
(
うが
)
ちさえありました位です。
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
国貞は
爰
(
ここ
)
から大川橋へ廻って
亀井戸
(
かめいど
)
の
住居
(
すまい
)
まで
駕籠
(
かご
)
を雇い、また鶴屋は
両国橋
(
りょうごくばし
)
まで船を
漕
(
こ
)
ぎ戻して
通油町
(
とおりあぶらちょう
)
の店へ帰る事にした。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
両国橋
(
りょうごくばし
)
のそばの、ミナトヤという貸しボート屋へ、いそげ。そこの主人は、明智先生を知っているから、モーターボートを貸してくれる。いちばん早いボートを出させて、ランチのあとを
探偵少年
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
下総武蔵
(
しもふさむさし
)
の
国境
(
くにざかい
)
だという、
両国橋
(
りょうごくばし
)
のまん
中
(
なか
)
で、ぼんやり
橋桁
(
はしげた
)
にもたれたまま、
薄汚
(
うすぎたな
)
い
婆
(
ばあ
)
さんが一
匹
(
ぴき
)
五
文
(
もん
)
で
売
(
う
)
っている、
放
(
はな
)
し
亀
(
かめ
)
の
首
(
くび
)
の
動
(
うご
)
きを
見詰
(
みつ
)
めていた千
吉
(
きち
)
は、
通
(
とお
)
りがかりの
細川
(
ほそかわ
)
の
厩中間
(
うまやちゅうげん
)
竹
(
たけ
)
五
郎
(
ろう
)
に
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「
両国橋
(
りょうごくばし
)
から首を吊ってブラ下がった奴があるんだ」
銭形平次捕物控:067 欄干の死骸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
両国橋
(
りょうごくばし
)
の上あたりで一羽の
鳶
(
とび
)
が低く輪を
画
(
か
)
いていた。
鼓の音
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
吾妻橋
(
あずまばし
)
両国橋
(
りょうごくばし
)
等の眺望は今日の処あまりに不整頓にして永代橋におけるが如く感興を一所に集注する事が出来ない。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
水上バスへ御乗りのお客さまはお急ぎ下さいませ。水上バスは
言問
(
こととい
)
から
柳橋
(
やなぎばし
)
、
両国橋
(
りょうごくばし
)
、
浜町河岸
(
はまちょうがし
)
を一周して時間は一時間、料金は御一人五十円で御在ます。
吾妻橋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今日の永代橋には最早や
辰巳
(
たつみ
)
の昔を回想せしむべき何物もない。さるが故に、私は永代橋の鉄橋をばかえってかの
吾妻橋
(
あずまばし
)
や
両国橋
(
りょうごくばし
)
の如くに
醜
(
みに
)
くいとは思わない。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかして
両国橋
(
りょうごくばし
)
よりやや川下の
溝
(
みぞ
)
に小橋あって
元柳橋
(
もとやなぎばし
)
といわれここに一樹の
老柳
(
ろうりゅう
)
ありしは柳北先生の同書にも見えまた
小林清親翁
(
こばやしきよちかおう
)
が東京名所絵にも描かれてある。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
両国橋
(
りょうごくばし
)
と
新大橋
(
しんおおはし
)
との間を
一廻
(
ひとまわり
)
した
後
(
のち
)
、長吉はいよいよ
浅草
(
あさくさ
)
の方へ帰ろうと決心するにつけ、「もしや」という一念にひかされて再び葭町の路地口に立寄って見た。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“両国橋”の解説
両国橋(りょうごくばし)は、隅田川にかかる橋で、国道14号(靖国通り・京葉道路)を通す。
西岸の東京都中央区東日本橋二丁目と東岸の墨田区両国一丁目を結ぶ。橋のすぐ近くには神田川と隅田川の合流点がある。
1686年(貞享3年)に国境が変更されるまでは武蔵国下総国の国境にあったことから、両国橋と呼ばれる江戸名所図会 両国橋。
(出典:Wikipedia)
両
常用漢字
小3
部首:⼀
6画
国
常用漢字
小2
部首:⼞
8画
橋
常用漢字
小3
部首:⽊
16画
“両国”で始まる語句
両国
両国間
両国鮓
両国劇場
両国河岸
両国稲荷
両国停車場
両国尾上町
両国広小路
両国百本杭