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上京
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じやうきやう
上京して、はじめの
歸省で、それが
病氣のためであつた。
其頃、
學生の
肺病は
娘に
持てた。
書生の
脚氣は
年増にも
向かない。
自分の
病氣はその
後上京して、すぐに
結核性の
關節炎だといふ
事がわかつたのだと、まち
子は、ふと
夫の
顏を
見ながら
考へた。その
時、まち
子はもはや
起き
上ることが
出來なかつた。
彼はしばらく
奈美子と
同棲してゐた
郷里の
世帯をたゝんで、
外国へわたる
準備を
整へるために、その
時二人で
上京して、
竹村の
近くに
宿を
取つてゐた。
彼は
何となくいら/\してゐた。
當將軍家の御
落胤にて既に大坂城代より江戸表へも上申に相成
御左右次第江戸へ
御下向の
御積其間に京都御
遊覽の爲め
上京此段町奉行にも心得有べき筈
不屆至極の使者今一言申さばと
威丈高に
遣込其上汝知らずや町奉行所は
科人
罪人の出入する
不淨の場所なり左樣なる
穢れし場所へ御成を
おなじ
年、
冬のはじめ、
霜に
緋葉の
散る
道を、
爽に
故郷から
引返して、
再び
上京したのでありますが、
福井までには
及びません、
私の
故郷からは
其から七
里さきの
翌年一月、
親類見舞に、
夫人が
上京する。ついでに、
茅屋に
立寄るといふ
音信をうけた。ところで、いま
更狼狽したのは、その
時の
厚意の
萬分の
一に
報ゆるのに
手段がなかつたためである。