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一畝
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ひとうね
ふりがな文庫
“
一畝
(
ひとうね
)” の例文
雷神山の急昇りな坂を
上
(
あが
)
って、
一畝
(
ひとうね
)
り、町裏の路地の隅、およそ
礫川
(
こいしかわ
)
の
工廠
(
こうしょう
)
ぐらいは
空地
(
くうち
)
を取って、
周囲
(
ぐるり
)
はまだも広かろう。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一畝
(
ひとうね
)
麦を刈つてしまふと、ちやうど腰が痛くなるので、その時百姓達は腰をのばす。そのついでに小手をかざして、村の方を見張るのだから、大層
工合
(
ぐあひ
)
はいい。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
但
(
ただし
)
、儀作は、最初の場面に現われた時よりも
一畝
(
ひとうね
)
ほど余計に畠を作っているが、
傍
(
かたわら
)
に居る
痩
(
や
)
せた少女も、その半分の処まで、枯れ枝や瓦の
破片
(
かけら
)
を植えつけている。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
おすがゞ五六人連で茶摘をして居る所へ引つ掛つてしまつたからである。女達は
一畝
(
ひとうね
)
の茶の木を向合ひになつて手先せはしく摘んで居る。爪先の音がぷり/\と小刻に刻んで聞える。
芋掘り
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
? 何ぢやらうまあ。まあいいや、晩にはみんなすつかりわかることぢやけに、その書きつけも今朝の手紙と一緒にしておけや。今日はいい天氣や、日暮まで
一畝
(
ひとうね
)
刈るけに、おとよ、お前も手傳へや。
黎明
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
▼ もっと見る
浪打際といったって、
一畝
(
ひとうね
)
り乗って見ねえな、のたりと天上まで高くなって、
嶽
(
たけ
)
の堂は目の下だ。大風呂敷の山じゃねえが、一波越すと、谷底よ。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
また子供のときから耕していた
田圃
(
たんぼ
)
の
一畝
(
ひとうね
)
が、以前よりずっと長くなったように感ぜられ、何度も腰をのばし、あおっている心臓のしずまるのを待たねばならなかった。
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
日
(
ひ
)
がとつぷりと
暮
(
く
)
れた
時
(
とき
)
彼
(
かれ
)
は
道端
(
みちばた
)
へ
草刈籠
(
くさかりかご
)
を
卸
(
おろ
)
した。
其處
(
そこ
)
には
畑
(
はたけ
)
の
周圍
(
まはり
)
に
一畝
(
ひとうね
)
づつに
作
(
つく
)
つた
蜀黍
(
もろこし
)
が
丈
(
たけ
)
高
(
たか
)
く
突
(
つ
)
つ
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
草刈籠
(
くさかりかご
)
がすつと
地上
(
ちじやう
)
にこける
時
(
とき
)
蜀黍
(
もろこし
)
の
大
(
おほき
)
な
葉
(
は
)
へ
觸
(
ふ
)
れてがさりと
鳴
(
な
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
さらさらと降る雨に薄白く
暗夜
(
やみよ
)
にさして、女たちは袖を合せ糸七が一人立ちで
一畝
(
ひとうね
)
の
水田
(
みずた
)
を前にして彳んだ処は
遺稿:02 遺稿
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
けれども、その
囃子
(
はやし
)
の音は、
草
(
くさ
)
一叢
(
ひとむら
)
、
樹立
(
こだち
)
一畝
(
ひとうね
)
出さえすれば、
直
(
じ
)
き見えそうに聞えますので。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
トタンに一人の肩を越して、空へ躍るかと、もう一匹、続いて
舳
(
へさき
)
から
衝
(
つ
)
と抜けた。最後のは前脚を揃えて海へ一文字、細長い茶色の胴を
一畝
(
ひとうね
)
り畝らしたまで
鮮麗
(
あざやか
)
に認められた。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
トちょっと
更
(
あらた
)
まった
容子
(
ようす
)
をして、うしろ見られる
趣
(
おもむき
)
で、その
二階家
(
にかいや
)
の前から
路
(
みち
)
が
一畝
(
ひとうね
)
り、
矮
(
ひく
)
い
藁屋
(
わらや
)
の、屋根にも葉にも一面の、
椿
(
つばき
)
の花の
紅
(
くれない
)
の中へ入って、
菜畠
(
なばたけ
)
へ
纔
(
わずか
)
に
顕
(
あらわ
)
れ、
苗代田
(
なわしろだ
)
でまた絶えて
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今昇った坂
一畝
(
ひとうね
)
り
下
(
さが
)
た処、
後前
(
あとさき
)
草がくれの
径
(
こみち
)
の上に、波に乗ったような趣して、二人並んだ姿が見える——
斉
(
ひとし
)
く雲のたたずまいか、あらず、その雲には、淡いが
彩
(
いろどり
)
があって、髪が黒く、
俤
(
おもかげ
)
が白い。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一畝
(
ひとうね
)
り
畝
(
うね
)
つて
閃
(
ひら
)
めき
上
(
のぼ
)
るが如く見えた其の
凄
(
すご
)
さであつた。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
畝
常用漢字
中学
部首:⽥
10画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥